長かった2017年シーズンもようやく最終戦。F1アブダビGP予選。
- 予選結果： 2017 FORMULA 1 ETIHAD AIRWAYS ABU DHABI GRAND PRIX - QUALIFYING
- 予選ダイジェスト： Qualifying - Bottas wins Mercedes battle for pole（動画有）
- 予選後各チームコメント： What the teams said - qualifying in Abu Dhabi
- 予選後記者会見： FIA post-qualifying press conference - Abu Dhabi
最後はボタスがポール
フリー走行ではトップタイムを記録していなかったボタスがポールを奪ってちょっとびっくり。予選ではQ1でトップタイム、Q2でもハミルトンに肉薄するタイムを記録していたので流れは悪くありませんでしたけどね。ただ、Q3の2回目のアタックでボタスがタイムを更新できなかったもんだから「こりゃハミルトンが獲ったかな」と思っていたら、そのハミルトンもタイムを更新できずに1回目のタイムで順位確定……とちょっと締まらない結末ではありました。
ただ、そうやってメルセデスがタイムを伸ばしきれなかった状態でもガッチリフロントロウを独占している辺りは、このコースでのメルセデスの優位性を示している感じはあります。ベッテルはボタスから0.5秒以上離されての3番手がやっと、ライコネンは4番手キープかと思いきや、リカルドに間に入られてしまい5番手。てか、フェラーリも2回目のアタックでタイム更新できてないんですけどね。
逆に言うと、リカルドは2回目のランが会心の出来でしたよね。メルセデス勢・フェラーリ勢がタイムを上げられなかったのに対し、1回目のランから0.7秒以上もタイム上げてきたんだから。
During the first run in Q3 we were slow but I knew we could get a lot more out of the car, we just had to figure it out. We understood the tyre temperature a little better and then it was a much quicker lap.
via: Daniel Ricciardo : What the teams said - qualifying in Abu Dhabi
2度目のアタックでは、タイヤの温度（のマネージメント）についてよりコツが掴めていたからタイムに結びついた、ってコトだと思うんですが、やはり時間が経過するにつれて気温と路面温度が下がっていくこのコースならではの、タイヤ温度管理のコツみたいなのがあるんですかね。
一方でライコネンはタイヤに一貫性が無くて推理ゲームのようだった、みたいなコメントをしてますが、まぁこの差が予選順位に出ちゃいましたね。
In Q1 we did few laps and it was very easy, but then it got tricky with the tyres. For whatever reason, I struggled to make them work and trust them on a flying lap. In some runs, they were ok, then in another one it was more difficult. It was a bit of a guessing game.
via: Kimi Raikkonen : What the teams said - qualifying in Abu Dhabi
フェラーリとレッドブルがそうした競り合いを演じる中、メルセデスは2回目のアタックでタイム伸びなかったけどフロントロウ独占余裕でした、という状況を見ると、メルセデスの優位性が如何に大きいか分かりますねぇ。
キレキレのマッサとダメダメのストロール
あと会心のアタックを見せた人といえば、このレースが正真正銘のF1ラストランとなる（はず）マッサでしょうか。タイムが伸びきらず苦戦するストロールを尻目に、Q2でチームメイトに1秒以上の差を付けてのQ3進出はお見事。てか、ストロールはちょっと苦戦しすぎじゃないかって気もしますが（メルセデスPUユーザーの中ではぶっちぎりの最下位）。
トロロッソが予選下位に沈んだコトによりコンストラクターズ5位の座はどうやら安泰っぽいウイリアムズ、もうなんの遠慮も要らなくなったマッサが最後にどんなレースをするのか、楽しみなところでもあります。なにも失うものは無いからね。
I want to have fun. Nothing to lose - risk everything and don't care.
一方でストロールは「ブラジルで古いパワーユニットに載せ替えたのは不利だよ、もちろん自分が細かいミスやらかしすぎたのもあるしタイヤを作動温度領域にうまく入れられて無かったのもあるしさ。最初のラップでは最終コーナーでロックアップさせちゃったし2回目のラップはトラフィックが多すぎて以下略」みたいなコメントをしているみたいですが、やはりストロールに関してはまだまだ未熟、という感が強いですねぇ。今回のマッサと対比しちゃうと特にね。
来季はストロールとクビサというラインナップが有力視されてますが、「やっぱりマッサを引退させるんじゃなかった」という展開にならないコトを祈ります。ていうかマッサは、そう言わせたいんでしょうね。
マクラーレン・ホンダ最後のレース
今回でマクラーレンとホンダにとってもペアを組む最後のレースというコトになりますが、予選はQ2どまり。アロンソとバンドーンが口を揃えて「他チームのパワーユニットのような『魔法のボタン』が無いから予選じゃ負けちゃうんだよね」みたいなコメントをしており、最後までホンダはなじられているようです。
We extracted the maximum, but when we get to qualifying everyone seems to have a magic qualifying mode button for their engines, so we step back a little bit.
via: Fernando Alonso : What the teams said - qualifying in Abu Dhabi
Final practice was pretty good this morning and we were looking reasonably strong – we were the fourth quickest team. But, as we usually see going into qualifying we don’t have a magic button like the other teams to gain a little bit of extra horsepower and we lose out.
via: Stoffel Vandoorne : What the teams said - qualifying in Abu Dhabi
今はルノーPUも「予選モード」を備えているようなので、そこら辺の対応も後手後手に回ってしまっているホンダに文句を言いたいんでしょうけども。最後くらいは、キレイな形で終わりたいもんですねぇ。ザク・ブラウンは最後にホンダを讃えるコメントを出しているようですけども、この辺は「大人の対応」という感じでしょうか。
マクラーレンF1、別れの乾杯でホンダを称える「素晴らしいパートナー。いつかまた手を組む日が来るかも…」
しかし来年、マクラーレン・ルノーとトロロッソ・ホンダがお互いどこまでやれるのか、っていうのは大きな見所の一つになるでしょうし、いろんな意味で期待したいと思います。
