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『ブギーポップは笑わない』再アニメ化への不安(と期待)

最近、昔アニメ化された作品が再度アニメ化される流れが加速してるんじゃあないか、ってな話をちらほら見かけたりして、「今は本当に21世紀なのか」なんてコトまで言われたりする始末ですが、まあコレ端的に言っちゃえば、昔それらの作品のファンだった人間がいい大人になって購買力がある=BDとかグッズが売れやすいのでは、という話ですよねえ。

個人的には、昔好きだった作品が再アニメ化されるとなればもちろん気にはなりますが、「過去の作品」ではなく「今の時代の新しい作品」をもっと観たいという欲もあり、少々複雑な気持ちになったりもします。

んで、そんな中で電撃文庫を代表するライトノベルの金字塔・『ブギーポップは笑わない』も再アニメ化が決定したようで。……いやまあ、もう電撃文庫作品なんて久しく読んでいませんが、『ブギーポップは笑わない』は昔結構ドハマリしてしまいまして、夢中で読んでいた時代があったのです(原作はまだ続いてますが、ここ数年以上はもう読んだ記憶が無い……)。

今回の再アニメ化は原作シリーズ1作目が刊行されてから20周年を記念して、というコトみたいですが、そうかもう20年も経っちゃうのかーそりゃそうだよなーエヴァンゲリオンなんてもう22~3年前だもんなー。そりゃ私も竹田啓司みたいな青年だったハズが、スプーキーEみたいなおっさんになっちゃうワケだよ。

それはさておき、このテレビアニメ版『ブギーポップは笑わない』も「再アニメ化」となるワケでして、2000年にも一度アニメ化されているワケです。『ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom』(以下『Phantom』)ってタイトルで。

この『Phantom』も私は大いに気に入ってしまい、アニメのDVDを全巻揃える有様だったんですが、世間的には不評だったという話も聞きますね。というのも、

  • 原作小説を読んでないと内容がサッパリ理解できない(少なくとも第一巻は読んでおく必要がある)
  • 原作小説を読んでいても何度か見返さないと全体像が見えてこない
  • ストーリーはアニメオリジナルで、原作小説の主要キャラは皆脇役
  • 各話のメインとなるキャラが大体ロクな目に遭わない
  • ストーリーだけでなく画面自体も妙に暗い

といった感じだったので。ただ当時、原作小説にハマっており、かつ既に『エヴァ』でロクでもない展開のストーリーに耐性ができていた私は、嬉々としてこのアニメを受け入れてしまったのでした。てか、このアニメが放送されたのが2000年の1月からでしょ?1999年が何事もなく終わっちゃって20世紀最後の年になっちゃって、これから世の中が、自分がどうなるかよくわからない刹那的な気分が後押ししてた気もするな、今振り返ってみると。

ブギーポップ自身アンチヒーロー的というか、自動的で曖昧模糊とした存在でしょ?そこに刹那的・退廃的な雰囲気の若者が多く描かれたりして、そういう雰囲気が自分自身の気分とマッチしていたというのはあるように思います。

ただ、そこから20年経ってスプーキーEみたいなおっさんと化した私が、『ブギーポップ』のアニメを観て面白いと感じるかどうかというと、まあなんとも言えないワケです。『Phantom』も今見返すと「アイタタター」と感じる部分もあるし。うん。特に『ブギーポップ』みたいないわゆる「セカイ系」ジャンルの作品って、まだ社会に出ていない若い時に観てこそ心に響くってところあるじゃないですか。

「再アニメ化」が当時のファンの購買力に期待してのモノなんだとしたら、当時から20年年を重ねたファンに「面白い」と思わせるコトのできる『ブギーポップ』を提示せねばならんワケで、これは単なるリメイクってだけではない、かなり難しい仕事なのではないか、なんて思ったりもしてしまうのでした。

……てか、今回もアニメオリジナルでいくのか、原作をアニメ化する方向なのかっても気になるところですが……あ、宮下藤花/ブギーポップ役が悠木碧というのはドンピシャだと思います、ええ。