大須は萌えているか?

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F1[18] バーレーンGP 予選

なんかオーストラリアとはまたずいぶん雰囲気の違う感もある、バーレーンGP予選。

パーティ開催されず

オーストラリアGPでは「パーティモード」と持て囃されたメルセデスの予選パフォーマンスでしたが、その後ウイリアムズのパディ・ロウが「パーティモードなんて無いよ」とコメントしたりして(⇒ 「メルセデスF1の”パーティーモード”は単なる心理戦用のツール」とウイリアムズ)、今回の予選はどうなるかと思いましたが……結果はフェラーリのフロントロウ独占。パーティ開催されませんでしたね。

全体的にフェラーリと相性が良いとされるサーキットではありますが、2013年以降5年連続でメルセデスがポールを獲得しており、また過去4年間で見ればメルセデスが3勝しているコースでもあります。そういう意味では、かなり意外な結果ですね。

半公道のようなオーストラリアとは違って路面はスムーズ、一方で気温は高い、セッションは昼ではなく夜……と色々性格の違うレースではあるので、オーストラリアの勢力分布がそのまま適用されるワケでは無いだろうなーとは思いつつも、メルセデスがこうもあっさり打ち破られるとは。

ハミルトンは「これでパーティモードなんて無いって証明されたろ」「フェラーリのエンジンモードは僕らのと同じくらい良い」みたいなやさぐれ気味なコメントをしており、オマケにギヤボックス交換により5グリッド降格ペナルティを喰らってしまうという踏んだり蹴ったりぶり。まあ、正直シーズン序盤にはハミルトンにこれくらいの逆境があってちょうどいい、って説もあります。

Hamilton - Ferrari engine modes easily as good as ours

メルセデスで気になるのは熱の問題ですよね。今回も、スーパーソフトでは全開で行ってしまうとアタックラップの後半でタイヤがオーバーヒートしてしまい、タイヤの性能を十分に活かしきれなかったというのはタイムが伸び悩んだ一因でしょうし、またオーストラリアではレース後半PUがオーバーヒート気味になったので、ハミルトンが追撃を諦めたって話もありましたし。

決勝でメルセデスがどこまでプッシュできるか、気になるところ。

一方のフェラーリは、ベッテルがようやく新車に馴染んで来たようで、コメントもなんか明るいですよね。

But after the race and with the mileage we did, I think we understood the car better. It’s nice to see that we have built a very strong car and that today we are able to put it on the front row, beating everybody else.

via: Sebastian Vettel : What the teams said - Qualifying in Sakhir

願わくば、この好調が昨シーズンよりも長く続いてくれるコトを……。

フェルスタッペンの謎スピン

メルセデス以外にも思わぬ失速を喫してしまったドライバーがちらほらと。まずは2コーナーでスピンぶっこいてマシンを壊してしまったフェルスタッペン。

Qualifying: Verstappen crashes out in Q1(動画)

何やってんだか、って話ではありますが、ふつうここでスピンするかあ?という場所でもあります。そんなに姿勢がとっちらかるような場所でも無いし、オンボード見てもコーナー立ち上がって姿勢が落ち着いてあとはアクセル踏んでいくだけ、くらいのところでくるーんと回っている感じだし。

で、フェルスタッペン曰く、いきなりパワーが150馬力くらい瞬間的に上がったり下がったりした、という話で。

“It was of course unfortunate, but I studied the data before we came here and all of a sudden I had a 150bhp increase,” he explained.

“It’s a bit odd because the corner is not flat out – you are just feathering the throttle. From one moment to another it was like an on/off switch – you’ve got 150bhp less then 150bhp again. So it spun up the rear tyres quite aggressively and I spun.

via: Horsepower spike caused Verstappen qualifying crash

だとしたら、あのヘンテコなスピンも納得いく話ではあります。考えられるとしたらバイワイヤのトラブルとかなんでしょうけど、こういうのはチーム側でもログが把握できているでしょうし、フェルスタッペンが自分のミスを誤魔化すためにこんなコト言っている、というコトは無いでしょうきっと。

マクラーレン m9(^Д^)

あとはマクラーレンの失速っぷりがステキでしたね。アロンソなんて一歩間違えばQ1ノックアウトになるところでしたし。てかグロージャンがQ1ノックアウトというのも散々な失速っぷりですけどね。

アロンソは昨年の予選も散々だったと言ってマクラーレンのマシンそのものがこのサーキットにマッチしてないと言いたい感じですが、昨年は「スピードの無さが印象的(impressive)だった」という名言まで残してホンダを酷評していたワケで、今年になって「マシン自体が合ってないよね」ってそりゃねーだろ!っていう気はしてしまいます。

なお、タイミングアプリでQ2終了時点のBEST TRAPを見てみると、同じルノーPU勢のリカルドやサインツが320km出ているのに対し、アロンソは314km、バンドーンに至っては310kmという、なかなかに「印象的」な車速だったのも申し添えておきます。トロロッソ・ホンダのガスリーは322km、ハートレイは320kmでした。まあ、昨年はホンダPUがぶっ壊れまくってたという大きな瑕疵もあったから、あまりホンダの肩を持てる状況でもありませんでしたが……。

トロロッソはガスリーがなんと予選6番手を獲得(決勝は5番手スタート)、ハートレイも11番手タイムという上々の結果。オーストラリアが悲惨な結果だっただけに、トロロッソ・ホンダも苦難が続くか……と思いきやこのジャンプアップ。ホンダPUは開幕戦で壊れたエレメントの交換はしたものの基本的に同スペック、変わったのはチームが投入したシャシー側の新パーツとのこと。

しかし、それでここまで大きく状況が変わるもんなんだろか……。どうも、今年のトロロッソのマシンの基本コンセプトの変更も影響を及ぼしているみたいですね。

「じつはわれわれは昨年から今年にかけて、マシンのコンセプトを変えたんだ。昨年はメルセデスと似たノーズにしてレーキ角(マシンの前傾姿勢)もそんなにつけないコンセプトを採用したが、それでは開発に限界があることがわかった。そこで今年はレーキ角を昨年よりも大きく取り、ノーズも一昨年型に戻した」

ワトソンはそれ以上、多くは語らなかったが、ドライバーたちはメルボルンで失速した理由を「路面がバンピーだったから」と口を揃え、「バーレーンはスムーズな路面なので僕たちのマシンに合っていた」と語っていた。

via: F1 Topic:予選6番手を獲得したトロロッソ・ホンダ。車体のアップデートに隠されたレーキ角と路面の相性 - Part 2

このトロロッソマクラーレンの明暗っぷりを見ていると、結局のところF1はトータルパッケージでの完成度が問われるんだなあ、という話ではありますね。メルセデスPUがパワフルだって言っても、ウイリアムズなんて18番手と20番手だしね。

まあ、この予選結果を受けて一番青ざめているのはザク・ブラウンとエリック・ブーリエかも知れませんねぇ。昨年ホンダにおっ被せてきた問題を、全部引き受けなきゃいけないんだから……。