大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

F1[18] バーレーンGP 決勝

思いの外白熱したレースでしたね。F1バーレーンGP決勝。

ベッテル、綱渡りの勝利

ベッテル曰く、「すべてはコントロール下にあると言ったな。あれは嘘だ」。

Sebastian Vettel: Yeah, I think I came on the race with about 10 laps to go, “I have everything under control”. I don’t know if they broadcast that. That was a lie; there was nothing under control.

via: FIA post-race press conference - Bahrain

予選の雰囲気的には、フェラーリが勝てそうな雰囲気を醸し出していたのは間違いないところでした。フロントロウ独占してたし、ハミルトンはグリッドダウンペナルティまで喰らっちゃったし。んが、蓋を開けてみたら思わぬ大接戦でしたね。

フェラーリに取ってケチの付き始めは、メルセデスより先にベッテルをピットに入れたところからだったんでしょうね。ベッテルが先に動いてソフトタイヤを履いたことで、メルセデス側に「プランB」を選択するメリットが生まれた。メルセデスはスーパーソフトの扱いに苦慮していた印象でしたが、そういう意味ではボタスがベッテルよりピットインのタイミングを先送りに出来たのが、このレース展開を生む大きな要因になったと言えそう。

ただ、フェラーリフリー走行でミディアムタイヤを全く試していなかった(レース使用タイヤとして考慮しなかった)みたいなので、メルセデスが先に動いてミディアムタイヤに交換していた場合はどう反応したんだろう、というのも気になるところではありますが……。

メルセデスにしてみれば、柔らかい方のタイヤがダメなら堅い方を活かせば良いじゃないっていう、ある意味明快な方針が奏功した感じですね。これによって、予選で引けを取ってもロングランでここまで力強いペースを発揮できたんだから。トップ2チームがそれぞれのマシンのキャラクターの違いに応じて異なるタイヤ戦略を立て、それがレースでがっぷり四つに組み合う……ピレリとしては願ったり叶ったりな展開だったことでしょう。

にしても、最後はボタスがベッテルを捉えると思ったんですけどね。あの状態で逃げ切ってしまうベッテルのマシンコントロール能力の凄まじさよ。57周レースのうち39周をソフトで走りきるなんて、作戦としては無茶もいいところなワケで……。逆に、ボタスの方がタイヤをロックアップさせたりして力んでいるように見えましたね。

F1公式サイトによれば、開幕2戦を連勝してチャンピオンを取り逃がしたのは1982年のアラン・プロスト以降居ないそうです。記者会見でそれを指摘されたベッテルは、「そういうのは信じないよ」とコメントしてますが、まーなにせフェラーリの開幕2連勝は14年ぶりというコトでもあるようなので、なんとなく周囲の期待も高まろうというモノでしょう。

まあ、去年もフェラーリベッテルはオーストラリアとバーレーンの両方とも勝ってるんですけども(中国が2戦目に挟まってたので連勝ではなかった)。

ベッテルはなんとか勝てたものの、ライコネンは痛恨のピットミスでリタイヤに追い込まれちゃいましたしね…ベッテルの個人技は光ったものの、チームとしてのフェラーリは良いところ無し。跳ねられたピットクルーは複数箇所を骨折する大怪我だったものの、快方には向かっているようでとりあえず一安心。

殊勲のガスリー、粘るマクラーレン

トップ3に続いて、トロロッソ・ホンダのガスリーがまさかの4位入賞。ていうか、ホンダ復帰以降、アロンソをもってしても一度も4位って無かったのに、トロロッソになってから2戦目で4位ってまあなんというか。ライコネンレッドブルのリタイヤにも助けられたとは言え、セカンドグループではトップの速さがあったのは間違い無いし。こうなるとクローズアップされるのが、開幕前にアロンソが言ったという以下のコメントですが……

アロンソ「トロロッソ・ホンダがトップ5に入れたら拍手してあげる」(TopNews) - Yahoo!ニュース

ただこれ、『だけど、僕はそうなるとは思わない。1回のテストと3基のエンジンで21レースを戦うのとは別物だからね』と言っているところを見ると、一度のレースで5位以上の入賞を果たしたら、という意味では無く、コンストラクターズランキング5位以内に入れたら、という意味でしょうね。年間を通じてホンダPUが高い信頼性を発揮できるとは思って無い、というコトでしょう。そう、確かにこの1度の4位入賞で有頂天になっている場合ではありません。昨年あんだけ壊れまくった前科があるワケで、開幕戦でも早速壊れちゃったワケですし。

ただまーアロンソトロロッソのスピードについては素直に「驚いた」とコメントしてますね。ただ、「チャンピオンシップでは彼らの前に行くだろう」とも宣言してますけどね。

“Toro Rosso’s pace can be seen as a surprise or not. Seeing all the trouble they had in Australia and where they’re coming from, it’s a surprise, but here we knew that historically Toro Rosso has always been very quick, and it was surprising to see they were even more competitive this weekend.

“But I think that in terms of championship we’ll be ahead of them. They made a huge step forward, so I’m hoping we’ll do the same.”

via: Alonso: McLaren qualifying struggles worse than expected

マクラーレンはなんやかんやで、あのクソミソな予選結果からダブル入賞を果たしているワケで、信頼性には問題無さそうですし、アロンソ&バンドーンというドライバーラインナップはやはりレースで生き残って競り勝つ力を持ってるなあと。なにより、昨年マクラーレン・ホンダが20戦かけて稼いだポイントが30、対して今年のマクラーレンルノーは2戦で22ポイントを稼いでしまったワケで、これだけ見れば戦闘力はとんでもない上昇カーブを描いているワケです。

ただ、少なくともトロロッソ・ホンダが「条件が整えばここまでやれる」というコトが証明されたので、今シーズン、トロロッソが何回くらいマクラーレンを出し抜けるかが楽しみになって参りました。トロロッソは、今回つまらないミスでレースをフイにしてしまったハートレイが、今後どこまで安定した結果を残せるようになるかもカギになりそうですね。

セカンドグループの序列がまだ混沌としているので、トップ争いよりもこっちの方が楽しめそうなくらいですが……ただ、今回ザウバーエリクソンがちゃっかり(?)9位入賞で2ポイントゲットしたのに対し、ウイリアムズは今回も鳴かず飛ばずで最後尾チームの座を固めつつあるようです。今頃マッサはどんな顔してこのチームのコトを見ているんだろうなあ……。