大須は萌えているか?

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F1[18] 中国GP 予選

なんだろうこのフェラーリの力強さは……F1中国GP予選。

またしてもフロントロウ独占

金曜日のセッションは2回ともハミルトンがトップタイムを叩き出していたのに、そのハミルトンは予選を通して低調。まさかの4番手タイムに終わり、しかも最後のアタックはバックストレートエンドで若干オーバーシュートしてしまい、そのままアタックを止めてしまうという有様。

ボタスもフェラーリには太刀打ちできるレベルにはなく、結果としてフェラーリは前戦に続き2戦連続でのフロントロウ独占。これは2006年のアメリカGP・フランスGP以来のコトだそうな。しかもポールを獲得したベッテルのタイムはボタスをコンマ5秒以上離しているんだから、もう予選はフェラーリの圧勝と言っていいレベルですね。

ボタス曰くターン1からターン2のようなロングコーナーでフェラーリの速さが顕著だったとコメントしてますが、Q3のベストタイムを見てみるとボタスはセクター1で約0.3秒フェラーリに遅れを取っており、確かにボタスの言うとおりみたいです。なお、ハミルトンはセクター1でボタスよりさらに0.08秒くらい遅い。

So, I think they have a really strong car. We can see it, especially in long corners, Turn One-Two, they make some good gains to us and obviously not without any speed difference on the straights, they can keep the gains they make in the corners – so we definitely have work to do but yeah, tomorrow is a different day.

via: Valtteri Bottas : FIA post-qualifying press conference - China

こういう結果になった大きな要因としてタイヤの問題が挙げられており、わずかながら雨もパラつくような寒いコンディションがメルセデスには大きなマイナスとして働いた、というコトみたいですね。FP3のときからタイヤに熱が入るのに数周掛かる、という症状をドライバーが訴えており、それが結局予選でも直らず、ハミルトンはQ2でいたずらに周回を重ねる羽目になり、そしてQ3でもフェラーリには太刀打ちできなかったと。

Conditions today have been even cooler than yesterday and we really struggled to get the tyres to work well. We saw this more or less straight away in FP3: both drivers were reporting that the grip wasn't there and it was taking us multiple laps to get down to a time. Conversely it seemed to come easily for some other teams.

via: Andrew Shovlin : What the teams said - qualifying in China

昨年の「ディーヴァ」気質を改めるべく改善を施されたハズのメルセデスW09ですが、なんだかコンディション変化とタイヤコンパウンドの影響をモロに受けてしまう、余計に気難しいお姫様気質が露見しつつあるような……。結果として、得意としているハズ(2012年以降6年連続ポールだった)の中国でのポールを取り逃がしてしまった、というのはメルセデスにとってはショック大きいんじゃないでしょうか。ただ、トト・ウォルフに言わせると、「彼女がディーヴァだとは思わない」らしいですが。

“We had a bit of a diva again today. But I don’t think that she’s the diva, I think that she is – I need to find a different word – a capricious woman. I think that when we hit the sweet spot with the tyre temperature our car is great. But we haven’t hit the sweet spot today.

via: Mercedes pin hopes on warmer weather after tough qualifying

「a capricious woman(気まぐれな女性)」って「diva」と意味合いとしてどう違うのかようわからんですが、各コンディションにおけるタイヤの美味しいところ(sweet spot)さえ見つけられれば速いんだ、と。気まぐれ女のスイートスポットを探せ、ってなんかどこぞのナンパ野郎が言いそうなセリフですが大丈夫でしょうか。ていうか、こうしてレーシングカーの性能を女性に例えて話をするのはポリコレ棒に殴られる対象になりそうで若干怖いところではあります。まあ、自らのマシンに「Kinky Kylie(変態カイリー)」などといった名前を付けていたワールドチャンピオンも居ますが。

なお、フェラーリのここ上海でのポール獲得は、第一回目の開催だった2004年以来の14年ぶりっていう。

ただ、決勝日は晴れ間が覗いて気温も上がるようなので、予選での力関係がガラッと変わる可能性があります。発熱に苦しんだメルセデスにしてみれば、そこに希望を託したいところですよね。フェラーリメルセデスはソフトタイヤスタート、レッドブルはウルトラソフトスタート……CSの放送で川井ちゃんが指摘していましたが、スタートでレッドブルの先行を許してしまうとやっかいなコトになりそうですね。逆に、順当なスタートを切れれば、ピットストップ戦略でフェラーリを出し抜くチャンスはありそう。

ルノーPU勢悲喜こもごも

レッドブルメルセデスの後ろ3列目を固める格好となりましたが、リカルドがFP3でターボの破損が原因と思われる白煙んを吹いてマシンを止めてしまい、Q1ギリギリのタイミングでPUの載せ替えが完了してタイムを出すというドタバタぶり。今回の予選はなんとか乗り切ったリカルドですが、結果としてICE、ターボ、MGU-H、MGU-Kは載せ替えとなったみたいで、どうやらシーズン中盤くらいにはPU使用数制限に引っかかっちゃいそうな気配。

ホーナーは例によってルノーPUの品質を疑う発言をし、また険悪なムードがもこもこと現出しているような感じ。ここから初夏にかけてのレースの結果如何では、レッドブル・ホンダが現実のものになる可能性も否定できない……?

ルノーワークスはレッドブルには遅れを取ったものの、ヒュルケンベルグが7番手、サインツが9番手と2台揃ってシングルグリッドを獲得。てか、ヒュルケンベルグはこれで開幕から3戦連続7番手スタートですね。今年はチームメイトが実力派のサインツというコトもあって、かなり安定したポジションを築いている印象。ホーナーにしてみれば、自分のとこのマシンがトラブルに見舞われる一方で、ルノーワークスが段々ポジションを上げてきているから余計に面白くないっていうのはあるのかも。

ただ、ルノーワークスも今回の予選前にヒュルケンベルグサインツの2台とも、MGU-Hの交換を行ってますけどね。

一方マクラーレンは意外なほどに(?)トラブルで止まるシーンを見かけませんが、予選順位は相変わらずイマイチ。アロンソ13番手、バンドーン14番手ってコレ昨年とほぼ変わらないポジションですね。相変わらず、バックストレートで1台が風除けになってもう1台を引っ張るとかやってたし。ルノーPUは他にも使っているチームがある以上、ストレートの遅さをPUのせいにもできず、ブーリエもメディアのツッコミに対する応答が苦しくなってる印象が……。

McLaren fears it set targets too low for its 2018 Formula 1 car - F1 - Autosport

ドライバーはマシンのバランスは良いってコメントしてるんだ、ドラッグだけ減らせば良いってもんでもないんだ、ムキー!って感じでしょうか。ドラッグが多い分マシンは安定してナーバスな挙動は無く、そのおかげである意味安心してドライビングできるマシンではあるんでしょうし、決勝でもドライバーの力でポイント圏内まで勝ち残るコトはできるワケですね。ただ、それではコツコツポイントを重ねるコトはできても、優勝を目指すコトはできないっていう。

これでもしマクラーレンルノーPUにも信頼性の問題が発生し始めたら、ホーナー以上にルノーの攻撃したりして……。

そのほか

バーレーンではキレキレだったトロロッソですが、今回の予選ではイマイチ振るわず。ガスリーは金曜日のロングランではかなり好タイムを維持出来ていたようですが、土曜のコンディションは厳しかったみたいですね。ハートレイが「他のマシンより風の影響を受けやすいかも」とコメントしているのも気になるところです。

There’s a number of contributors; the temperature is very different and the wind is very high here. We saw it in Melbourne as well, we seemed to suffer more when the wind picked up compared to the other cars.

via: Brendon Hartley : What the teams said - qualifying in China

金曜日のタイムはそこまで悲観するようなモノでも無かったコトを考えると、トロロッソのこのマシンもなかなかにディーヴァ気質なのかもしれません。セカンドグループはタイムが接近しているので、なおさらそういう弱点がダイレクトに順位に反映されちゃいますねえ。こちらも、日曜日のコンディションによっては状況は大きく変わるのかも。

あと、今回はペレスが今季初のQ3進出。資金難が噂され、開発が思うように進んでないとも言われるフォースインディアですが、こういう難しいコンディションで踏ん張って見せているのはチームの力を感じます。シーズンが進むにつれ厳しい状況に追い込まれていくかもしれず、フォースインディアにしてみればここで獲れるだけのポイントは獲っておきたいところでしょうねえ。