ディフェンディングチャンピオンがようやく覚醒してきたような。F1スペインGP決勝。
- 決勝結果: FORMULA 1 GRAN PREMIO DE ESPAÑA EMIRATES 2018 - RACE RESULT
- 決勝ダイジェスト: RACE: Hamilton heads Mercedes 1-2, as Verstappen edges Vettel(動画有)
- 決勝後各チームコメント: What the teams said - race day in Spain
- 決勝後記者会見: FIA post-race press conference - Spain
やっぱりメルセデスつよい
決勝でもメルセデスの2台が1-2フィニッシュ。特にハミルトンの走りは圧倒的なモノでしたね。最初から1ストップ狙いでピットインを遅らせていたレッドブル(33~34周目にピットイン)に対して、ボタスは19周目、ハミルトンは25周目にピットに入りミディアムタイヤにスイッチ。ここからもう一度ピットに入るのかな、と思いきや、そのままフィニッシュまで走り切ってしまいました。
それだけ後半のスティントを長く取ってもハミルトンのペースは衰えず、完璧といって良いレベルでレースをコントロールしてましたね。前回のアゼルバイジャンでは運に恵まれた勝利でしたが、今回はついにチャンピオンドライバーとしてのハミルトンが帰ってきた感じ。まあ、クリーンエアで走れるアドバンテージも大きかったかな、このサーキットでは。
一方で、ハミルトンより6周早くピットインしていたボタスも良く1ストップでもたせましたよねえ。最後はかなりタイヤがヤバイ状態だったようですが、今回は雨が降りそで降らない天候がメルセデスに味方したでしょうか。
今回の強いレースを見て、こっからメルセデスが一気に勢いづいていくか……と思いきや、次はモナコなんですねえ。昨年のモナコはベッテルが制してますし、レッドブルもかなり自信ありげ。ウルトラソフトで苦戦しがちなメルセデスは、今年もちょっと苦戦しそうな気配。
今年のタイヤはワーキングレンジがかなりシビアなのかなんなのか、天候とコンパウンドの組み合わせ次第でトップ3チームの戦力バランスが結構大きく変化してますし、まだ各レース毎でどうなっていくか分かんない感じはします。ただ、フェラーリは今回ライコネンがメカニカルトラブルで姿を消したり、ベッテルはタイヤが到底もたないとみて最初から1ストップの可能性を微塵も考慮しないなど、タイトルを狙うにはちょっとアレな部分が目立つんですよねえ。
ベッテルはフェラーリの作戦は誤りでは無かったとしつつも、スピードが無い、タイヤとのマッチングが悪い、信頼性が無いという3点をなんとかせにゃならん、と指摘してますね。つまり、このままじゃどうにもならんってコトですな。
“I don’t know what happened. Overall, there are three things we must be able to see. If we don’t see those, there are no excuses.
“I’ve said many times this team is strong and we have a lot of potential, but we also need to make sure we address the problems that we have and work together in the same direction.
レッドブルはフェルスタッペンがフロントウイングを壊しながらも3位表彰台、リカルドもしぶとく5位入賞は果たしましたが、リカルドなんかを見てるとタイヤによってパフォーマンスが大きく左右されている感じはありますね。ヴァーチャルセーフティカー入ったときにスピンまでしちゃてるしね、リカルド。
トップ3チーム、いずれも盤石の状態とは言い難いものの、やっぱり総合力ではメルセデスが一歩前を行っている……というのが見えた感じがする、決勝レースでした。
ダメじゃんグロージャン
あと、今回の決勝レースで印象に残ったというか唖然としてしまったのはやはりグロージャンのスピンでしょう。
RACE: Grosjean spin takes out Hulkenberg & Gasly at start(動画)
体制を崩してリヤが流れてしまったのは仕方無いとして、グロージャン何を思ったか、そこからアクセル開けっぱなしにしてカウンターを当て、なんとかコースにマシンを引き戻そうとしたんですよね。後ろからマシンがたくさん来ている状況で。結局マシンはくるんと周りながら白煙をまき散らしつつコース中央へ向かってしまい、後続のヒュルケンベルグとガスリーがグロージャンのマシンに追突してリタイヤに追い込まれてしまったという。
あの動きは正しかったか、問われたグロージャン、「自然なことだと思う。2016年マレーシアのベッテルとロズベルグ、それから2010年アブダビのシューマッハを見てればね。クルマを正しい向きに戻す最も速い方法だ」みたいなコト仰っております。
When asked if it was the correct move to keep his foot on the power, he replied: “I think it's the natural thing to do. If you look at [Nico] Rosberg with [Sebastian] Vettel in Malaysia in 2016 that's what he did, and [Michael] Schumacher in 2010 Abu Dhabi. It's just the fastest way of bringing the car back in the right direction, you don't want to face the others.
2016年のロズベルグとベッテルの衝突時は、そもそもロズベルグはコースの真ん中でスピンして完全に反対方向向いちゃったんですよ。ハーフスピンして、コースから飛び出しそうになったところを無理矢理立て直そうとして他車を巻き添えにしにいった今回のケースとは全然違うでしょう。
2016 Malaysian Grand Prix: Race Highlights - YouTube
正直今回のグロージャンのやらかしたコトは弁解の余地は無いと思いますし、挙げ句「これが一番正しい方法だった」とか「マグヌッセンが目の前でふらつくから」みたいなコメントしてるの見るとお前何年F1乗ってるんだこのスットコが、と思わざるを得ません。前回のアゼルバイジャンでつまらないミスからクラッシュしたりして、なんやかんやでポイントを積み上げてるマグヌッセンに対して未だノーポイント、焦りもあるんでしょうけど、ちょっと今のグロージャンは見るに堪えないですね。
ツボにハマればスゴイパフォーマンス見せるのに、一度メンタル崩れるとダメダメですねグロージャン。いつ立ち直れるんだコレ。