あのヘビーウェットのFP3から、よくドライになったもんだ。F1ドイツGP予選。
- 予選結果: FORMULA 1 EMIRATES GROSSER PREIS VON DEUTSCHLAND 2018 - QUALIFYING
- 予選ダイジェスト: QUALIFYING: Vettel on pole, heartbreak for Hamilton in Germany(動画有)
- 予選後各チームコメント: What the teams said - qualifying in Germany
- 予選後記者会見: FIA post-qualifying press conference - Germany
ハミルトンにトラブル
オーストリアでメルセデスがメカニカルトラブルによる全滅を喫したのはまだ記憶に新しいところですが、今回の予選でもハミルトンにトラブル発生。当初、ハミルトンのドライビングミスによりコースアウト、それによりマシンが跳ねてトラブルを引き起こしたのではないか、と言われていましたが、チーム側もハミルトンもドライビングミスを否定、1コーナーの出口で油圧を失ってパワステが効かなくなり、結果としてコースアウトしたとのこと。
Hamilton not to blame for qualifying woe – Wolff(動画有)
ハミルトンが手押しでマシンをピットまで戻そうとしたシーンもありましたが、もちろん押して戻せる距離でもありません。結果としてハミルトンは14番手スタートという形になり、そうでなくとも不運が重なってベッテルにリードを許しているドライバーズチャンピオンシップで、さらなるハンデを背負うのが確実な情勢となって参りました。
……とはいえ、2014年にもハミルトンってこのホッケンハイムで20番手スタートから3位表彰台フィニッシュという芸当を成し遂げていますので、今回もどこまで追い上げてくるのかは見所のひとつでしょう。なお、F1公式サイトによると
In fact, in the last seven Grands Prix at Hockenheim, there have been three podium finishers who’ve started 17th or lower on the grid – including Hamilton in 2014.
via: QUALIFYING: Vettel on pole, heartbreak for Hamilton in Germany
とのコトで、調べて見ると2005年モントーヤ(20番手スタート⇒2位)、2008年ピケJr(17番手スタート⇒2位)、2014年ハミルトン(20番手スタート⇒3位)という感じで、マシンのパフォーマンスがあれば割と大逆転はできるサーキットでもあるワケですね。ただ、メルセデスとはいえ、最近好調のフェラーリPU勢を相手にばんばかオーバーテイク仕掛けていくのは少々骨が折れそうな……。
あとは、この油圧のトラブルでPUとかギヤボックスに問題が起きてないか?というのは気になるところでしょうね。
一方でトップ争い
ベッテルは危なげなくポールポジションを獲得……とはいえ、フェラーリがフロントロウ独占するかと思っていたところに、ボタスが割り込んで見せたのは驚きでした。Q3最後のアタック、セクター3だけベッテルよりも0.25秒くらい速かったんですよね。トト・ウォルフもボタスのタイムを見て、めっちゃ意表を突かれた感じだったのが面白かったですが。
スタートでボタスに前に出られるとフェラーリとしてはやっかいなところかも知れませんが、逆にベッテルとライコネンで奇数列を占めているのが功を奏するかどうか。スタートの駆け引きは面白そう。また接触するのは勘弁してね。今回ベッテル勝てば、地元で2回目の勝利となります。先行き不透明なドイツGPだけに、勝っておきたいところでしょうねえ。メルセデスにとっても勝ちたいでしょうけども。
レッドブルはかなり苦しそうな展開で、フェルスタッペンはライコネンに0.3秒近く離されての4番手が精一杯。リカルドは元々苦しいこのサーキットで戦略的PU交換を行い最後尾スタート。ただ、リカルドは自分とハミルトンが揃って後方のスタートとなる状況を「どっちがいち早く先頭集団に追いつけるか見ててよね!」みたいなコメントしてますね。
“It looks like Lewis and myself will start at the back so it will be fun,” said Ricciardo. “See who gets through to the front quickest!”
他チームへの移籍を画策していたものの、結局シートに空きが無くレッドブル残留に落ち着く模様のリカルド、良くも悪くも肩の力が抜けた感じでしょうか。
そういや、メルセデスは両ドライバーの残留を発表したようですね。まあ、ボタスもセカンドドライバーとしては最高の人材だしなあ。
その他
トロロッソはここでも伸び悩み。ホンダがイマイチというか、フェラーリPUの進化のスピードがかなりのモノ、という言い方の方が良いのかもしれません。ザウバーがここまで伸びてるくらいなので。とはいえ、ホンダとしてはそれを上回るペースで進化しないコトにはいつまで経っても差は埋まらないワケで、やっぱりそういう意味ではずっとF1を続けているメーカーと、参加したり参加しなかったりのメーカーの力の差が出ているという言い方もできちゃうのかも知れません。
ただ、運営側としては新規メーカーの参入も呼び込みたいワケで、新参が古参にどう頑張っても追いつけないようでも困る。なので、もうMGU-H止めちまおうぜ、みたいな議論も出ているワケですが、そうするとそこに多額の開発コストを投じてきた古参メーカーは反発するワケで、まあホントどこでバランスを取るかというのは難しい問題です。
あと中団で目に付くクルマといえば、シロトキンが12番手につけてますね。現在参戦しているドライバーの中で唯一のノーポイントドライバーとなっているシロトキン、ここでポイントゲットできるのかどうなのか。