大須は萌えているか?

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F1[18] ドイツGP 決勝

いやまさかここまで天国と地獄がひっくり返るとは……F1ドイツGP決勝。

ハミルトンとベッテルのどんでん返し

予選で油圧を失うトラブルに見舞われて14番手スタートという状況に追い込まれたハミルトン、状況的には「どこまで挽回できるか」っていうダメージリミテーションのレースになると思うじゃないですかふつう。一方のベッテル、ポールからスタートしてライコネンへのチームオーダーもあったりしてトップを堅持する様を見ればもう優勝は確実だと思うじゃないですかふつう。

しかし、結果としてベッテルはまさかのリタイヤ、そしてハミルトン優勝っていう。さすがにこれは予想できませんて。

ベッテルは本人曰く小さなミスを犯した結果のロックアップ、そしてコースオフという結果になってしまったようですが、若かりし日にあの雨のモンツァで初優勝を飾ったベッテルが、こんなつまらないミスでレースをフイにしてしまうとは。リタイヤ直後は感情を爆発させていたベッテルですが、レース後のコメントは前向きさも感じさせる内容で、まあ次のハンガリーには引きずるようなコトは無いと思われます。

“We have a strong car, so I think we can be as confident as, [or more confident], than anybody else,” said Vettel. “It was a very positive weekend.”

via: Vettel 'won't lose sleep' over Germany error

……が、優勝を手にするハズだったレースでまさかのノーポイント、一方のハミルトンは大逆転の優勝……これは、今シーズンのチャンピオンシップで大きな意味を持つ一戦になるような気も。

一方、大逆転を果たしたハミルトンも、セーフティカーが入ったあとチームの指示でピットインしようとするも、ピット入り口手前で「やっぱ無し」と言われ、慌ててホワイトラインと芝生をカットしてコースに戻るなんていうシーンがありました。

BREAKING: Hamilton reprimanded for pit incident, keeps win(動画有)

これは国際モータースポーツ競技規則で禁止されている行為であり、過去これでタイムペナルティを受けているドライバーも居るので、ハミルトンもてっきりなんらかのペナルティが下るのでは……と思いきや、結果は戒告のみでタイムペナルティは無し。

このような決断に至った理由を、スチュワードは以下のように説明している。ハミルトンとチームがミスを素直に認めていること、ステイアウトかピットインするかに関してチーム内で混乱が生じており、それが違反につながったこと、違反はセーフティカー出動時に起き、その時点で他のドライバーに危険がおよぶ可能性がなかったこと、方向転換が安全なやり方で行われたことをスチュワードは考慮に入れ、戒告が適切なペナルティであるとの結論に達したということだ。

via: ハミルトン、規則違反でペナルティも、優勝剥奪は免れる。チーム司令塔の混乱が原因 - Part 2

「方向転換が安全なやり方で行われた」というのは、グリーンをカットしてコースに戻ったあのシーンを観るとやや首をかしげたくなりますが……。何らかの意図に基づく裁定ではないか、と穿ちたくもなりますが、しかし今回のハミルトンの走りが見事だったのも事実ですしね、まぁ。引っ張りに引っ張ったソフトから、雨の降る直前にウルトラソフトに履き替えて以降、部分的に雨の降っているコンディションではぶっちぎりに速かったですし。

セーフティカー明け、ハミルトンよりフレッシュなタイヤを履いたボタスが仕掛けるシーンもありましたが、これはチームオーダーで封印。しかし、その後「チームオーダーで勝った」と言わせないためか、雨がまた降ってくるのを警戒してか、ファステスト連発でプッシュしまくるのもまー見事でした。

レース中、ライコネンにもベッテルを先に行かせるようチームオーダーが出てましたが、こちらは随分とライコネンに気を遣うというか、下手に出た感じの無線でしたねえ。「Fernando, is, faster, than, you.」とはエライ違いで。どうも、チームとドライバー間の取り決めも絡んでいる問題のようですね。

ライコネンは後に、フェラーリがドライバー間に調整している協定を考えれば、フェラーリのオーダーが明白でなかったと説明している。

「うん、僕らには特定のルールがあるんだけど、あんまりはっきりしなかったから。僕はスピードがあったし、レース中にはストップするには理想的じゃないところでちょっとヒヤッとすることがあった。結局、それほど大きく変わらなかったけど」

via: フェラーリに明言するよう求めたライコネン | Formula 1 | F1ニュース | ESPN F1

ライコネンとボタスへのチームオーダー、ハミルトンへの戒告処分、いくつかの大人の事情を絡めながらも、レースとしてはドラマチックな展開を見せ、技量と技術と政治が絡み合う、これぞF1!というレースだったと言えるのではないでしょうか(?)。

そのほか

トップの展開に目を奪われていたのでアレなんですが、こういう展開になるときっちり5位フィニッシュを果たしているヒュルケンベルグが光りますね。しかも彼、一度インターミディエイトに履き替えるという失敗を犯しているんですけども。ただ、セーフティカーのタイミングで上手いこと順位を失わずにウルトラに戻してます。5位はヒュルケンベルグルノーに来てからの最上位。

そして、トロロッソのハートレイがいつの間にか10位フィニッシュしてたのも驚き。ウェットタイヤ交換というギャンブルで爆死したガスリーに対して、彼はセーフティカーランの間にミディアムからウルトラソフトにスイッチ。その時点で12番手だったのが、前を行くハース2台がインターからウルトラに履き直すためピットに入ったスキにポイント圏内に浮上した格好。その後11番手まで落ちるも、サインツのタイムペナルティにより再浮上という運の良さも味方しましたね。

トロロッソにしてみれば待望のポイントゲットという感じですが、苦しいレースだったのは間違いなく、あまり手放しで喜べる状況でもないでしょう。次のハンガリーはホンダも結果を残しているテクニカルコースなので、より高いパフォーマンスが期待できるかな?

……にしても、チェッカー後の怒濤の雷雨はビビリましたねえ。あれチェッカー前に来てたら赤旗レース終了だっただろうなあ。