大須は萌えているか?

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F1[18] ハンガリーGP 予選

予選から、ドイツ以上に雨に引っ掻き回される展開に。F1ハンガリーGP予選。

フェラーリに暗雲垂れ込める(雷雨だけに)

ハンガリーGP開始前の25日に、フェラーリ会長・CEOを務めていたセルジオ・マルキオンネが死去したコトが報じられてましたね。

フェラーリ元会長マルキオンネが死去。F1界から哀悼の声相次ぐ

健康面に問題があり、フィアット・クライスラーグループ及びフェラーリでの役職を辞して第一線を退く、という話が出てから1週間も経たないタイミングでの訃報だっただけに、かなりの驚きではあります。低迷したフェラーリを再びここまで押し上げ、F1の世界でもかなりの存在感を持っていた人物だけに、今後のフェラーリの体制にどういう影響が出てくるのか、気になるところ。

ルクレールフェラーリ登用の動きに熱心だったのはマルキオンネだった、という話もありますし、ひょっとすると来季のドライバー人事にもなんらかの影響があるのかもしれません。ライコネン残留とか。

フェラーリの両ドライバーも喪章を腕に巻いてのレースとなりますが、予選はまさかの2列目。FP3までの走りを見ている限り、メルセデスは例によって高い路面温度とウルトラソフトの組み合わせに手を焼き、フェラーリのフロントロウ独占いけるんちゃうか、と思っていたのに……まさか、予選開始直前になって雨が降るとは。

Q1はインターミディエイトが最適なコンディションで始まったものの、じわじわ路面が乾いて最終的にウルトラソフトが最速に。このまま乾くのか、と思ったら、Q2開始時には最終セクター辺りで雨が降り始めて、唯一インターミディエイトで走り始めたベッテルが大正解。他のウルトラソフトでスタートしたドライバーたちはすぐさまインターに交換。

しかしそのまま路面コンディションは悪化していき、Q2後半からQ3はエクストリームウェットのコンディションに。ここでフェラーリは思うようにタイムを伸ばせず、逆に高温で苦しんでいたメルセデスはまさに「水を得た魚」状態でフロントロウを独占。ポールのハミルトンと4番手ベッテルの差は0.6秒近くになりました。またしてもベッテル、雨で足下を掬われましたねえ。

インターのコンディションならまだしも、フルウェットとなるとフェラーリメルセデスに対して分が悪い感じありますね。この辺も、2チームのキャラクターの違いが垣間見えて面白いところではあります。ただ、あとはハミルトンのウェットでのドライビングが素晴らしかった。余計なホイールスピンを起こさせないアクセルワーク、焦らず落ち着いたブレーキング、マシンと自分自身の感情も上手くコントロールできてるなーと。

ONBOARD: Lewis Hamilton's Hungary pole lap(動画)

バックマーカーが全然居ないクリアラップを取れたのも幸いでしたね。

決勝はドライらしいですが、こうなるとあとはスタートでフェラーリが先行できるのかどうか、が鍵になるでしょうか。1ストップ作戦が主流になる感じなので、ベッテルにしてみれば優勝を狙うならタイヤ戦略だけでなく、コース上でのオーバーテイクを狙って行くしかありません。

予選がウェットだったので、決勝各チームのスタートタイヤのチョイスも気になるところですが、メルセデスはウルトラでスタートしてポジションキープ、ダメになったらソフトに交換という感じになるんでしょうか。フェラーリは予選Q2みたく、2台で作戦分けたりするかな?

フォースインディアに暗雲垂れ込める(雷雨だけに)

今まで散々資金難の話が出ていたフォースインディア、とうとう破産申請を行ったという報道が。

関係者によると、ドライバーのセルヒオ・ペレス(メキシコ)が持ち込んだスポンサー契約に絡む400万ドル(約4億4400万円)の未払い金が発端。パワーユニットを供給するメルセデスに対しては1300万ユーロ(約16億8千万円)の負債を抱えているという。

背景には共同オーナーの金銭トラブルがあるとしている。

via: Fインディアが破産手続き | ロイター

トリガーになったのは、ペレスが未払いのギャラの支払いを申し立てたコトだったみたいですが、ペレス曰くいろんな関係者に背中を押されるコトになって、そういう立場になってしまった、というコトだそうで。

「チームメンバーの数人から、行動を起こしてチームを救ってくれないかと頼まれたんだ。ここで働く400人を守ってほしいってね。僕にはつらいことだったよ。感情的にも精神的にもつらすぎる――最近はレーシングドライバーとして自分のドライビングに集中することもできなくなっていた」

via: 「胸は痛む」と苦渋の決断を語るペレス | Force India | F1ニュース | ESPN F1

とりあえずハンガリーGPは通常通り参戦していますが、夏休み明けまでにチームの状況がどうなっているか、なんとも不透明な状況。なんとかチームの体制を維持しながら、負債を肩代わりできる新しいオーナーを探すコトになるんでしょうけど、こうなると先日から出てきているストロールのフォースインディア移籍説と絡めて、ストロールパパが中心となってチームごと買収するんじゃねーの、なんて話も出てきますわな。

エンジンを供給しているメルセデスや、メインスポンサーのBWTもペレスの行動を支援しているというコトなので、チームの空中分解という最悪のシナリオは避けられるんでないかな、という気はしますけどね。メルセデスにしたって、そんなシナリオは損にしかならないでしょうから。

日本人エンジニアも複数在籍しているチームであり、財政的な窮状もありながらパフォーマンスは悪くないワケで、このまま消えてしまうにはもったいなさ過ぎるチームです。なんとか復活を。

……といいながら、このハンガリー予選ではQ1でダブルノックアウトという、まさに踏んだり蹴ったりな状況ではあるんですが……。

マクラーレンに暗雲垂れ込める(雷雨だけに)

もう一つ、レース外で起きているゴタゴタといえば、急遽勃発したトロロッソのテクニカルディレクター、ジェームズ・キー移籍問題。

トロロッソ・ホンダからTDジェームズ・キーが離脱か。マクラーレンに移籍との報道

これ、マクラーレンの広報からポロッと発表があったようですが、トロロッソ側にとっては寝耳に水、そしてフランツ・トストは「長期間の契約があるんじゃボケが」と怒りのコメントを発表、全面戦争の様相を呈しているようです。

で、問題はマクラーレン側がキーの加入を当然の前提として組織の再編を進めてしまっている感じがするところなワケですね。

問題はそれだけではない。じつは、マクラーレンはキーの加入とともに、チーフエンジニアを努めたマット・モリスの退任も発表していた。モリスは、すでに辞任したエリック・ブーリエら、『アンタッチャブルズ』と呼ばれた1人で、ドイツGPには久しぶりに現場に姿を見せていたが、その表情はかなり険しかった。

via: F1 Topic:ジェームズ・キー加入が未確定のマクラーレン。チーフエンジニアの退任も発表していた

もしキーの移籍が白紙になったり、係争になったりしてしまう場合、組織の再編どころか、技術部門の要職にぽっかり穴が空きかねないという事態にもなりかねないワケでして、これはかなり面白い……いやさ、危惧すべき事態と言えそう。

マクラーレンはイギリス・ドイツでバンドーンがマシンの不調を訴えており、チームが原因をいろいろ調べても結局わからず、このハンガリーシャシーを古いものに戻したら調子が戻った……なんていう状況で、エンジニアリングチームの質は大丈夫なのかと心配になるような状況。人の質というよりは、組織の質の問題な気もしますけどね。

アロンソがこの状況にいつまで付き合いきれるかという問題もあり、これでもしアロンソが来季マクラーレン離脱というコトにでもなったら、ザク・ブラウンも辞めざるを得ないでしょう。どうなることやら。

しかし、調子が戻ったハズのバンドーンも、アタックのタイミングが悪くQ1ノックアウトに終わったというのがまたなんとも。アロンソ11番手はさすがですが、相変わらず無線では間抜けなエンジニアに対して吠えてましたねえ。