決勝はドライになったものの、やはりオーバーテイクが難しいコースだけに……。F1ハンガリーGP決勝。
- 決勝結果: FORMULA 1 ROLEX MAGYAR NAGYDÍJ 2018 - RACE RESULT
- 決勝ダイジェスト: RACE: Hamilton leads Vettel home for Hungarian victory(動画有)
- 決勝後各チームコメント: What the teams said – race day in Hungary
- 決勝後記者会見: FIA post-race press conference - Hungary
追いつけなかったベッテル
フリー走行のペースなんかを見ると、ドライでの競争力に分があるのはフェラーリの方と思われてましたが、フェラーリ勢は自分達のペースで走らせてもらえなかった時点で勝負ありでしたね。ハミルトンも、ボタスが上手いことベッテルを封じ込めてくれたから勝てたとコメントしてますし。
“Fortunately I did enough work early on while I had the opportunity, while he was behind Valtteri.”
フロントロウを独占してスタートでフェラーリを前に出さなかった時点でメルセデスのペースでレースは運びましたし、結果的にはそのメルセデスのフロントロウ独占をもたらした予選の雨がフェラーリの敗因だったとも言えそう。
ドイツ、そしてこのハンガリーと2戦続けて雨にしてやられたフェラーリですが、だからといってレインコンディションのパフォーマンスをテコ入れすべきか、というと微妙なとこなのかもしれません。メルセデスとフェラーリの力関係を見ていると、ドライでの速さとウェットでの速さは表裏一体というか、ドライの高温状態で十分なポテンシャルが発揮できない代わりにウェットで速いメルセデス、そしてウェットで一歩劣る代わりにドライで速いフェラーリ、という図式になってますからね。
ドライとウェットの速さを両立できればもちろん一番良いんでしょうけど、その最適なバランスを見つけるのは容易な話ではないでしょうきっと。むしろ、状況を混乱させるような雨が2戦続けて降ったという状況がイレギュラーとも言えるワケで、そういう意味ではフェラーリとしたら今のマシンの方向性にさらに磨きを掛けた方が正解なのかも。
ベッテルもマシンにパフォーマンスがあるから心配はしていない、みたいなコメントを繰り替えしており、まあこれはこれで間違ってはいないんじゃないかな、と思ったりはします。
I am happy to see that the car is fast, it has worked well on every track so far, so I think this is the most important thing. Our car has a big potential, so I feel relaxed, going on holiday, for the races to come.
via: Sebastian Vettel: What the teams said – race day in Hungary
しかし、完全にハミルトンの盾役を任されていたボタスですが、トト・ウォルフに「Wingman」と言われてちょっとイラついた模様。
ボッタス、メルセデス代表からの「最高のサポート役」との褒め言葉に傷つく
ネタ元はこれかな?
He also took initial umbrage at comments from his team boss Toto Wolff who, in praise of the Finn's drive, described him as having been a "sensational wingman" behind race-winning team-mate Lewis Hamilton.
When told of the remark, Bottas said: "'Wingman' hurts".
via: Hungarian GP: Valtteri Bottas penalised for Daniel Ricciardo clash | F1 News
ウィングマンってサポート役って意味なんですね、知らんかった。元々は空軍の用語なんですか。
その後誤解は解けた、というコトのようですが、ここのところツキに恵まれているハミルトンに対して、損な役回りを一手に引き受けさせられている感はありますし、本人にしてみたら釈然としない思いが燻っていそう。そうこうしている間に、ドライバーズポイントはハミルトンと81ポイントも開いてしまったので、シーズン後半戦は否が応でもサポート役を命じられるコトが増えちゃいそうですしねえ……。
持ってる人と持って無い人
予選で好結果を残したトロロッソ、決勝でもガスリーが「Best of the rest」の最上位となる6位フィニッシュ。バーレーンでの4位に次ぐ好成績。やっぱりホンダはハンガリーと相性が良い……というか、やっぱりパワーが不足しているコトの裏返しなのかなコレ……。ただ、エネルギーマネージメントに注力しているみたいな田辺さんのコメントもありましたし、ツイスティなサーキットのドライバビリティには優れているってコトなんですかね。
一方で、ダブル入賞の期待もあったハートレーは11位フィニッシュ。予選でガスリーに勝てなかったコトを悔やむコメントもしてましたが、さらに悔しさの残る決勝になっちゃいましたねえ。自分はミスを犯してないし良いスタートも決めたのに、スタートで固めのタイヤ(ソフト)履いてるサインツの後ろでつっかえたり、ヒュルケンベルグの早すぎるピットインに対応するためにミディアムタイヤを履く羽目になって(以下略)と恨み節全開。
ハミルトンとボタスもそうなんですけど、なんか「持ってる」ドライバーと「持って無い」ドライバーの格差ってあるよね……。
そういう意味で言うと、首尾良く8位フィニッシュに持ち込んだアロンソと、入賞が見えていたハズなのにメカニカルトラブルでリタイヤに追い込まれたバンドーンもそうなんですけど。バンドーンの歯車の狂いっぷりもなかなかスゴイよねえ……相当な実力者ではあるハズなのに……。