大須は萌えているか?

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仮にサマータイムに対応できるとしても対応したくない理由

オリンピックの暑さ対策のため、というお題目をトリガーに、ニワカに持ち上がっているサマータイム導入の話ですが。

安倍晋三首相、自民党にサマータイム導入検討を指示 - 産経ニュース

「暑くてヤバイっていうなら、日本中の時計を2時間早くして早朝から活動すれば良いじゃない」なんていう余りにイージーな考え方にはビックリを通り越して「あれ?安倍ちゃん暑さで脳みそやられちゃった?」と心配になるレベルなんですが、当然ながらIT業界からは大ブーイングが巻き起こっております。

これ、IT屋さんだけの問題じゃないですからね?会社で仕事するためのシステムはおろか、生活インフラを支えるシステムがバグる危険性だってあるワケで、誰にとっても他人事の話では無いワケです。もちろん、事前にシステムへの影響を調査・必要あらば改修を行うにしても、その費用を全額国が持ってくれるハズもなく、その金銭的コストと改修漏れによるシステムエラーのリスクは民間企業と国民が背負うコトになるワケです。

しかしまた、こういうときに「でもさー、君らブーブー言うけど、改修が可能か不可能かって言ったら可能でしょ?改修が不可能なシステムなんて有り得ないわけだし」みたいなコトを言い出すエライ人が出てきたりするワケですよ。もちろん、システムによっては軽微な改修で済むモノもあるでしょうし、大規模システムであっても今から湯水の如く人的リソースを注ぎ込めばオリンピックまでにある程度の目処付けはできるかもしれません(それでも、上原教授のスライドにあるように、社会的な混乱無く改修を完了させることは「不可能」でしょうけど)。

たださー、正直この件に関して、そこまで必死こいてサマータイムに対応させる正当性が見いだせないんですよね。

いやだってさ、サマータイムを導入するコトによるデメリットって、ITシステムの対応以外にも健康被害が増える可能性とか指摘されてるワケじゃないですか。一方で、省エネとか民間の消費が増えるとかっていうメリットも疑問視されてるし。そりゃ、今の時刻で言う16時に仕事が定時になったとして、まだめっちゃ明るいウチにホントにスパッと帰れるのか(職場の空気的な意味で)というのは疑問だし、外もクソ暑いから暗くなるまで残業しよ、となるのがオチだろうという気がしてなりません。結局省エネも個人消費の増加も果たせず、増えるのは残業時間だけっていう。

それになにより、「オリンピックの競技開始時間だけ2時間早めりゃ良いじゃん」という疑問に対する回答がなにも無いんですよね。なぜ、わざわざ日本中を巻き込もうとするのか。

なんか、「オリンピックとは国民的行事である、その成功のためには全国民が足並みを揃えて協力すべきだ」みたいな、国家総動員的な思考が見え隠れしているように思えてならないんですよねえ。そして、誰とは言いませんが某オリパラ組織委員会会長とか、某総理大臣が「そんな国民的イベントをまとめ上げて成功させた俺」みたいな名誉欲に酔いしれたがってるだけなんじゃねえの、っていう。

2年後までにシステムを改修しないと巨大隕石が落ちてきて地球は滅ぶ、とか言われたら、そりゃあ全力を持って対策に当たるでしょうけど、改修をしなきゃいけない理由がしょーもないジジイ共のくだらない名誉欲のため、なんていったら馬鹿馬鹿しさも極まれりですわ。批判の声が上がったのを見て、「サマータイムはオリンピック限定ではなくて恒久運用にする」みたいなコトもぶっこいてるみたいですけど、それなら尚更議論を尽くしてから考えてくださいと。

今まで、そこまで安倍政権を肯定も否定もしようとは思いませんでしたけど、この件はもう論外だと思いますし、なんかもう長期政権のデメリットが目立つようになっちゃったなぁと。じゃあ代わりに誰が総理やんの?って言ったら……石破さん?石破さんかあ……。