大須は萌えているか?

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F1[18] シンガポールGP 予選

メルセデスが苦手気味なこのコース、フェラーリにしてみれば当然のように勝つべきグランプリですが……F1シンガポールGP予選。

ハミルトンの一閃

でもまあアレなんですよね、メルセデスがこのコース苦手っていうイメージが付いたのは2015年にハミルトンとロズベルグが揃って失速してしまったのがキッカケではあるんですが、2014年はハミルトンがポールから優勝してますし、2016年はロズベルグがポールから優勝、そして昨年はハミルトンが優勝を飾ってます。実のところ、なんやかんやで結果は出している。

ただ、ハミルトンに関して言うと、昨年の優勝はフェラーリまさかの同士討ちに助けられたものでもあって予選は5番手止まりでしたし、2016年はロズベルグが優勝したのに対して3位がやっと、といった感じでハミルトンとしてはどうも普段通りの強さを発揮できないコースでもあります。今年もFP3ではフェラーリが1-2のタイムを記録しており、その流れで行くのかなーと思っていたんですが……。

Hamilton overwhelmed by 'magic' Singapore pole lap(動画有)

このQ3最初の圧倒的なアタックラップですよ。

「魔法のような感じだった」とハミルトンはコメントしてますが、これセナだったら「神が降りてきたラップ」とか言ってたかもしれませんね。コーナー数の多い市街地サーキットを、1周まったくミスなくまとめきるのは一流ドライバーでも至難の業であるハズなんですが、それがピタッとできちゃった、という感じでしょうか。

ただ、ハミルトンのこのアタックはマグレの一言で片付けられるもんでもありません。金曜FP2では2番手タイムを記録しており、その際のハミルトンはこんなコメントしてます。

いくつか実験的なことをして、いい結果を得ることができた。そうしてマシンに変更を施してFP2に臨んだところ、驚くほどフェラーリに近づくことができた。この差が現実的なものなのかそうでないのかは分からないが、マシンの感触が良くなっているのは確かだよ。

via: ハミルトン「"実験"が成功。フェラーリに驚くほど近づくことができた。明日のポール争いが楽しみ」:F1シンガポールGP金曜

金曜の段階で、今までとは異なるセットアップの方向性で手応えを掴んでいたみたいですね。それと、Q2で2周余分にハイパーソフトで走れたコトでタイヤの理解が深まったとも言ってますね。この週末積み上げてきたものがあってこそのスーパーラップだったんでしょう。

トト・ウォルフは、このコースにおけるメルセデスのマシンが持つ弱点を改善してくれたファクトリーのスタッフに対する謝意をコメントしており、まーまさにメルセデスのチーム力とハミルトンのドライバー力がガッチリ噛み合ってたってコトですね。

I just have to say a big thank you to all the team back at base in Brackley and Brixworth, who have worked so hard to understand our problems at this circuit and to improve on our weaknesses.

via: Toto Wolff : What the teams said - Qualifying in Singapore

まだレースは始まっていませんが、このハミルトンの叩き出したタイムがフェラーリに与えた衝撃は大きいんじゃないですかねえ。さすがにベッテルも、当然のようにポール獲るつもりで居たでしょう。まあ、去年はフェルスタッペンを挟んでまさかのスタート同士討ちを演じてしまっているので、3番手スタートくらいがちょうど良いのかも知れませんが……。

1.6リッターPU時代になって以来、フェラーリが一番メルセデスに肉薄しているシーズンであるのは間違いないんですが、チャンピオンシップの正念場になってチーム力の差を見せつけられているような、そんな感じがしますなあ……。

そのほか

このコースはレッドブルが得意とするコースでもありますが、フェルスタッペンが2番手に滑り込む一方で、リカルドが6番手とやや低迷してしまったのは意外でした。トラブルがあったというワケでも無いようで、FP3から予選までにセットアップを少し変更して、上手くいったように見えたんだけどセッションが進むに連れダメになっていった、というコトのようで。

ライコネンのコメントがちょっと示唆的でもあります。

「こういう場所では(予選セットアップを)正確に自分の思い通りにしておくことが基本なんだ。すごく長いコースだからね」とライコネンは述べた。「1カ所で0.05秒失って、それがいくつかのコーナーで起これば、いつの間にか0.3、0.4秒の違いになっているんだ。ここがトリッキーなのはそういうところだよ」

via: シンガポールは小さな弱点が誇張される場所とライコネン | Formula 1 | F1ニュース | ESPN F1

自信をもって踏めているときと、そうで無いときのギャップが大きい。コーナー数が多く、かつ少しマシンが揺さぶられるとすぐウォールに当たってしまうコースだからこその話ですね。しかし、リカルドはQ1ではトップタイムまで叩き出しているのにねえ……。

ついでに言うと、Q1ではシロトキンとストロールのウィリアムズコンビが、リカルドより3秒以上遅い(18番手のバンドーンよりも1.4秒くらい遅い)ぶっちぎりの逆フロントロウを獲得していたのを見ると涙を禁じ得ません。

一方でフォースインディアは2台揃ってシングルグリッドを獲得しており、チームオーナー交替移行の好調を維持。こりゃストロールパパもなんとかして息子をフォースインディアのシートにねじ込もうとするわな、と思うワケですが、シーズン中の移籍は結局達成されるのかどうかのか。行き場を無くしつつあるオコンについて、ウォルフが記者会見で怒りのコメントをしたなんていう話も見かけましたが、まあこれだけ実力を示しているドライバーのシートが何故か無い、というのはF1界のグロテスクな側面でもありますね。ストロールじゃ、絶対オコンほどのポイント獲得できないでしょ……。

そういや、メルセデスはウェーレインとの契約も今期いっぱいで解除する、と発表してましたね。やっぱり20台だとF1の椅子の数が足りないよなーせめて24台無いと。ライコネンがまさかのザウバー入りを果たしたコトについても、「若手のチャンスを潰さんでくれ」って批判が出たりもしてましたけど、まあそう言いたくなる気持ちもわからんでもない。

iOSアプリの件

あと、予選観るときに、iPadでF1のライブタイミングをアプリで見ようとしたら、文字が「お年寄り向けかな?」ってレベルで巨大表示されて唖然としました。

iPadの場合横向きにすると多少は一覧性が改善するんですが、それでも旧UIに比べると格段に劣化しています。ていうか、ライブタイミングの表示は一覧性が命なのに、無駄にヘッダー領域が場所取り過ぎなんだよ。ドライバーのアクセル開度やブレーキ操作をライブで見られる「Driver Tracker」って機能が売りみたいなんですが、タイム一覧と同時に見るコトができないわ、トラッカー表示はカクカクしててぎこちないわ、こいつのせいでトップナビゲーションを一段余分に使っているわで、どんだけの犠牲を払ってこの機能を追加しとんねんと。ひとつの機能を足すために他の部分を台無しにする、ホントお手本のような改悪。

タイミングアプリや公式サイトで使われているフォントも気に入らなくてモヤモヤしていたんですが、さらにこのUI改悪はさすがにもう我慢の限界を超えております。ロゴもフォントもアプリのUIも、ことごとく悪い方悪い方へ向かっていってるのはなんなんですか。さすがにデザイン酷すぎませんか。誰に文句言えばいいのコレ!