大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

エレベーターにおける狛犬ポジション考

狛犬ポジション」を知っていますか? 電車の出入り口の両脇にある、人ひとりが立てるくらいのスペースで、満員電車でも比較的ゆったり立っていられる場所です。

via: News Up みんな大好き 狛犬ポジション | NHKニュース

この「狛犬ポジション」って言葉、聞いたコト無い人でもどういう意味かイメージしやすい秀逸なフレーズだなあと感心するワケなんですが、 何気に私もこの狛犬ポジションは好きだったりします。というのもですね、ここのドア側に背を預けて立つと、スマホを覗き見されにくくなるんですよ。隣に居る人や、前に居る人のスマホの画面って結構見えちゃうじゃないですか。あれ、なんかイヤなんですよね。

さすがに仕事の機密情報とかを駅のホームで閲覧したりはしませんけど、プライムビデオでアニメ観ながら二へ二へしているところを横目で見られるのなんかイヤじゃないですか。ええ。

ただ、この狛犬ポジションも万能ではなくて、停車駅ごとに開くドアが左右ころころ入れ替わるような路線だと、場合によっては乗り降りする他のお客さんの邪魔になっちゃったりして。なので、しばらくドアが開かないと分かっている側のポジションこそが至高、乗り慣れていない路線では迂闊に陣取ることもできないのが狛犬ポジションだったりします。

んで、この狛犬ポジションって探してみると電車以外にも存在するじゃないですか。自分が真っ先の思いつくのはエレベーターなんですけど、エレベーターの狛犬ポジションって、電車以上に高度な判断を求められる場だと思うんですよね。なぜかというと、エレベーターのタイプ、自分が降りる階、エレベーター内の混雑度合い、等々判断すべき材料が無数にあるからです。

なぜそんな無数の判断材料が存在するかというと、エレベーターの狛犬ポジションには、そう、開閉ボタンや降りる階を指定するボタンが密集しているパネルがあるからです。仮に自分が1階から10階まで上るエレベーターに乗って狛犬ポジションに陣取り、後から何人も人が乗ってきて、皆途中の階で降りていく場合、エレベーターが止まる度に乗り降りが済むまで「開」ボタンを押したままにして、済んだら「閉」ボタンを押すコトを繰り返さなくてはならなくなるワケです。

いや、ふつうエレベーターには安全用のセンサーが付いていて、人の乗降中はドアが勝手に閉まるコトは無いハズなんですけど、なんかあのポジションに居る人は「開」ボタンを押してないといけない、そして乗降が済んだら速やかに「閉」ボタンを押さねばならない、みたいな暗黙の了解事項がありません?あるよね?

オマケに、他の人が自分の降りる階を押すためににゅっと自分の眼前に指を伸ばしてきたり、「××階押してもらっていいですか?」と言われたりと、とにかく落ち着きません。自分の降りる階が乗った階からかなり離れている場合は、狛犬ポジションはできるだけ避けたい場所になるワケです。

ただしこれには例外があり、エレベーターの操作パネルが無い側のポジションであれば、そうした心配は一切無用となるワケです。もしエレベーターに乗ったときに操作パネルが無い側のポジションが空いていたならば、自分の降りる階のボタンをさっと押したあと、その場所にすっと収まるのは悪くない作戦でしょう。

しかしまた世の中面倒なコトに、左右両側ともに操作パネルが付いているエレベーターも存在します。このエレベーターの狛犬ポジションに収まってしまうと、反対側の人が開閉ボタン押すやろ、と考えて知らんふりするのも感じ悪いと思ってしまい、結局左右両方の人がエレベーターのドアが開く度に開閉ボタンを同じように操作する、という極めてアホらしい状況が生まれます。いや、お互いアホらしいのはわかっているものの、やらないで居るのもなんか……という極めて微妙な空気が生まれるワケです。これはもう、エレベーター狛犬ポジション最悪のパターンといっても良いでしょう。

そうなると、やはりエレベーターは狛犬ポジションを避けるが吉……と考えてしまいますが、自分が降りる階が比較的近い場合、エレベーターの一番奥まで行ってしまうのも考えもの。エレベーターが混雑している場合、降りるときに「ちょっとすみません……」と言いながら、前の人たちに一度降りて貰わねばならなくなりますし。狛犬ポジションならば、混雑している状況下でもすっと降りられるのはメリットと言えましょう。もちろん、エレベーターが空いているならばそこまで気にしなくても良いのかもしれませんが。

このような内容を踏まえ、エレベーターに乗ったその瞬間には状況を見定めてポジションを決めなくてはならないコトを考えると、まったくエレベーターに乗るという行為は極めて難易度の高いものだな、と思わざるを得ません。しかしまた、そういう判断を日々当たり前のように、ほぼ無意識レベルで行っている人間の脳というのはスゴイな、とも思うワケであります。