大須は萌えているか?

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F1[19] 中国GP 決勝

通算1000回目となるグランプリというコトで、トリビュート映像なんかも流されていましたが、個人的には特にコレといった感慨も湧きませんでした。まあそもそも自分がF1見始めたの92年頃からだし……でも、500回目のグランプリが90年のオーストラリアGPだったってコトは、もうちょっとで自分が見たグランプリの数も500回を超えるってコトか。歳はとりたくないですね。……てなワケで、F1中国GP決勝。

ボタス不発

今回ポールポジションからスタートしたボタス、開幕戦でも力強いレースを見せていたコトから、今回も期待が掛かるレースではあったんですが、なんというかやや昨年のボタスに戻ってしまったかな、という感じがしなくもない。スタートで順位を落としてしまったのは仕方ないにしても、その後ハミルトンを脅かすほどのペースを築けませんでしたからねえ。「大差をつけられた」という程ではないにしても、ハミルトンに対してそれなりの余裕を与えてしまったレースだったな、と。

にしてもハミルトン、金曜日のフリー走行から土曜日の予選にかけての不調を悟るや、予選の最後あたりで自分のいつものドライビングスタイルを修正し、レースをリードしてポジションを維持する段になって少しいつものドライビングスタイルに戻した……みたいなコメントしてたりするんですけど、

“I really had to be quite dynamic to change my natural driving style, shift it to a different way. I only really got there at the end of qualifying, and then in the race, it was a little bit back to what my normal driving style would be, so once I got into the lead I was able to maintain position and do what I do.”

via: Chinese Grand Prix 2019: Lewis Hamilton says driving style change key to China win | Formula 1

「調子悪いからドライビングスタイル変え」て、決勝ではきっちりボタスを寄せ付けない走りをしちゃうあたりが5度のワールドチャンピオンの所以と言いますか、現役最強ドライバーだなと思わされるところでありますね。日頃「タイムが出ないのはマシンが自分のスタイルに合ってないから……」とコメントしているドライバーにとっては、なにも言い返せなくなる一言。

ボタス自身はスタートでの出遅れが敗因であってペースは似たようなもんだった、とコメントしていますが、いやーこれハミルトンの域に達するにはまだ超えなきゃいけない壁がたくさんあるような気がしますぜ。

そういや、予選終了後にF1公式サイトにアップされていた決勝に向けての見所をまとめた記事で、『BOTTAS 1.0 or 2.0?』なんて書かれてたりしたんですが……つまり、メルボルンで生まれ変わったような速さを見せたボタス=ボタス2.0が再び見られるのか、あるいはバーレーンのときみたく去年と変わり映えのしないボタス=ボタス1.0なのか、ってコトなんですが、まあ今回はボタス1.0でしたね。

What To Watch For in the 2019 Chinese Grand Prix | Formula 1

メルセデスのライバルにもなれないフェラーリ

フェラーリはなんとかベッテルが今季初の3位表彰台に上っては見せましたが、メルセデスにはまったく太刀打ちできないレースとなってしまいました。案の定というか、1周目からメルセデス勢に追いすがるコトもできず、DRSを使っての勝負にも持ち込ませて貰えませんでした。それどころか、ピットストップのタイミングをベッテルルクレールでずらした結果、ルクレールはフェルスタッペンにアンダーカットされる格好となってしまい、5位フィニッシュになってしまう有様。

途中、チームオーダールクレールベッテルのポジションを入れ替えたりしてましたが、入れ替えたら入れ替えたで今度はルクレールベッテルのペースに文句言ったりと、2台が似たり寄ったりなパフォーマンスで、かつそれがメルセデスには到底及ばないものでしかなかった、というのがなんとももの悲しい感じではありました。2ストップ作戦もレッドブルに先に動かれてしまった結果、ベッテルは対応できたもののルクレールはタイミングを失ってしまう格好となり、相変わらずレース戦略もイマイチなところを晒してしまいましたし……。

レッドブルの目線から見ると、フェルスタッペンが4位フィニッシュできたものの、真っ向勝負でフェラーリに勝てるレベルかと言われるとまだ厳しい、という感じではありますね。フェラーリよりレース戦略は優れていますが。総合的なパフォーマンスによる現段階でのトップ3チームの格差は「メルセデスフェラーリレッドブル」という図式なのは確か。コースレイアウトによってこの差が縮まったりするコトはありそうですが、完全に入れ替わるにはまだ時間が掛かりそうかなー。レッドブルは、ガスリーがもっとフェルスタッペンに近づいてくると面白くなるんですが……。

ただそのガスリー、レース終盤にソフトタイヤ履いてファステストラップチャレンジを敢行、1:34.742の最速ラップを記録して1ポイントゲットしてみせたのはお見事でした。今の彼に必要なのは自信を持つコトでしょうからね、ここから徐々に巻き返しできるかが気になるところ。

そのほか

ピットレーンスタートとなったトロロッソのアルボンは、粘りの走りで10位フィニッシュ。クビアトが早々にマクラーレンの2台を屠るというナイスアシスト(?)をしたコトもありますが、よくぞここまで追い上げました。終盤、グロージャンに追いかけ回されてポイント圏外に落ちそうなところを防ぎきっての入賞というのもナイスでした。Driver Of The Dayに選出されたのも納得の内容でしたが、裏を返せば上位陣に印象的なシーンが見られなかった、というコトでもあるかもね?(投票2位は9位入賞のライコネンだったし)

クビアトがマクラーレンの2台に立て続けに接触した事故については、結局クビアトにペナルティが科せられる形で決着しましたが、クビアト自身はこれに納得いかない様子。

“I think it was definitely not fair,” said the Russian of the reprimand. “There was no penalty at all, not even close to drive-through, so I disagree with that.

via: Chinese Grand Prix: Carlos Sainz says Kvyat lack of patience cause lap one crash

まあ正直レーシングインシデントなんじゃねーの、という気もしますが、コーナーの立ち上がりでクビアトのマシンがスライドしたコトによりサインツの行き場が無くなり衝突、そのままクビアトが今度はノリスと衝突、という流れなので、キッカケを作ったのがクビアトだというのは確かにそう。ただ、クビアトのライン取りが無茶かというとそうでも無いし、立ち上がりのマシンスライドも故意にやったものでも無いしなあ……っていう。

あと気になったのは、またしても決勝のレースペースがけちょんけちょんだったハースですかね。予選では毎回力強いパフォーマンス見せているのに、決勝だとどうしてこうなるんだ、っていう。要は一発のタイムを出すコトには長けているけど、コンスタントに速いペースを維持できないクルマになっちゃってる、ってコトで……。今回、ピットストップのタイミングもハースは早かったですからねー。

ルノーはリカルドが7位入賞を果たしたものの、ヒュルケンベルグはマシントラブルでリタイヤ。しかもまたMGU-K絡みのトラブルらしいのコトで、ルノーPUの信頼性はかなりヤバイ。

完走した中では相変わらずの最下位だったウィリアムズですが、ドライバーのコメントを見ているとなんだか好対照なのが興味深いというかなんというか。ラッセルは「思ってたより少しペースは良かったし、最初の数周はバトルすることもできた」と前向きな発言。

The pace was slightly better than expected, we were battling in the opening couple of laps and we managed to stay with the pack.

via: George Russell : What the teams said - Race day in China | Formula 1

対してクビサは、「正直あまり言うべきことは無い。レースで一番エキサイティングだった瞬間は、フォーメーションラップでスピンしたとき」とめちゃやさぐれ気味なコメントを……。

There was not a lot to say today to be honest. The most exciting moment of the race for me was when I spun on the formation lap.

via: Robert Kubica : What the teams said - Race day in China | Formula 1

クビサは、予選でも「それまでアンダーステアだったかと思ったら予選最初のランはひどいオーバーステアでビックリだ」みたいなコメントしてましたし、マシンに対するフラストレーションが相当溜まっていそう。F1にデビューしたばかりで、たとえマシンがクソミソでも経験が積めていると捉えられるラッセルと、過去に自身が示したパフォーマンスに少しでも近づかんと意気込むクビサの違いというか。クビサは、このままじゃテールエンドを走るだけで今年は終わり、来年のシートはもう無いっていう危機感もあるでしょうし。3戦連続でラッセルに負けちゃってるのも辛いよなあ……。