テレビシリーズの『響け！ユーフォニアム』はシーズン1・2ともにBD揃えてしまった私ですが、昨年劇場公開された『リズと青い鳥』は山田尚子監督作品となりテレビシリーズとは作風が違う感じだったので、観に行こうかどうしようかと思っているうちにスルーしてしまい、結局まだ観ていないという有様です。ただ、先週末（この記事を書いてる2019年4月22日基準）封切りされた『劇場版 響け！ユーフォニアム～誓いのフィナーレ～』はテレビシリーズと同じ石原立也監督の完全新作、かつタイトル的にはこれが最後？と思わせるような感じだったので、今度こそは観ておくか、と劇場に足を運んだのでした。仕事帰りに。
……ネタバレを避けるため詳細は省きますが、期待していた通りの『響け！ユーフォニアム』でありました。予想外の展開みたいなものは全然無い、ほぼ思っていた通りのストーリーなんだけど、見終わると胸が熱くなる作品です。
私の場合、そもそも高校に進学していないというただれた10代を過ごしていたというのもありまして、どちらかと言えば世の中を斜に構えてみるタイプですし、こういう王道青春部活モノというのは本来興味の向かないジャンルなんですが、『響け！ユーフォニアム』はねー、なんかハマっちゃったんだよねー。
テレビシリーズもこの劇場版も、ストーリー的には奇をてらわないホントに真っ直ぐな作品なんだけど、ただその真っ直ぐが165kmくらいの剛速球でど真ん中に来る感じと言いましょうか。それを支えているのは、魅力的なキャラクターたちであり、緻密な心理描写であり、映像表現であり。この劇場版なんて、本来なら1クールのテレビシリーズで描いても良いんじゃないかくらいの内容を劇場版の尺に詰め込んでいるもんだから、内容がとにかく濃い。逆に言うと、やや駆け足な感じがしてしまうのも否めませんが、そこは2シーズンに渡るテレビシリーズという土台があるからこその詰め込み方ですね。
しかしあれですね、この劇場版って内容的にはきっと『リズと青い鳥』と合わせて、「ふたつでひとつ」になってる感じなんですよねきっと。『リズ』で主役だった希美とみぞれは、この作品ではほとんど出番が無いものの演奏シーンではバッチリ出てきており、これきっと『リズ』を観てからこのシーン観ると、また違った感慨が湧くんだろうなぁ……って、やはり『リズと青い鳥』も観なきゃいかんらしい。
この『誓いのフィナーレ』だけでも、久美子を中心とした多彩な人間関係が交錯しまくっていて、「ここが見所」というのも難しいんですが……個人的には、同性として秀一のことを見直しましたね。テレビシリーズではあんま頼りなさそうだったのに、先輩になったコトで立派になってきたなあと……ただ、久美子との関係は「ああーーーもーーー」って感じではあります。いや前進はしているんだけども……。この2人の関係も含めて、またテレビシリーズで続編やりません？
