大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

F1[19] アゼルバイジャンGP 決勝

なんで決勝では波乱が全然無かったのか……F1アゼルバイジャンGP決勝。

4戦連続の

メルセデスが予選順位をがっちりキープしての1-2フィニッシュ、これでなんと開幕戦から4戦連続でのメルセデス1-2フィニッシュとなりました。開幕戦からの1-2フィニッシュ連続達成記録としては、1992年のウィリアムズ・ルノーの3戦連続を上回る新記録だそうな。92年のウィリアムズといえば、アクティブサスを搭載したFW14Bが圧勝した年でもあるワケでして、それを思うと今年のコンストラクターズタイトルは最早決してしまったのではないか、という気すらしてくるのであります。

しかし、今回はボタスが力強いレース運びを見せ、ハミルトンを振り切って優勝してくれたおかげで、それなりに盛り上がる展開でもありました。ハミルトンが悠々逃げ切ってしまう展開だと、やはり面白みに欠けますからねえ。最後の数ラップに余力を残していたハミルトンが、ボタスに一気にチャージをかけたところが一番の見所だったでしょうか。

しかし、スタートではややハミルトンの方が出足が良いな、と思ったりもしましたが、お互い相手のスペースをきっちり残すクリーンなバトルをして、結果的にボタスは助かりましたね。レース後のハミルトン、やっぱり勝てなかったのもあって笑顔は控えめな感じ。レース後のコメントでハミルトンは「1コーナーをフレンドリーに行きすぎた」、要はボタスを追い落とすコトは可能だったと取れるコトを言っているんですが、自分だけのためではなく、チーム全体の利益を考えて走ったんだ、と。

「バルテリとは、お互いを常にリスペクトしているし、レースの前にも話し合った。僕らは真のジェントルマンなんだ」みたいなコメントも。

“Valtteri [and I], we’ve always had respect for each other. We discussed it before race. We’re real gentlemen.”

via: Azerbaijan Grand Prix 2019: Lewis Hamilton: ‘I was too friendly in Turn 1’ | Formula 1

「べ、べつに俺がバルテリより遅いってワケじゃないんだからねっ」とも取れる発言ですが、ただハミルトンがここまで融和的な態度を見せられるのも、今まで自分が勝ち続けてきた実績があるのと、ボタスが常にチームプレイヤーであるからでしょう。これロズベルグが相手だったら、1コーナーでもっと遠慮無くワイドなライン取ってたよねハミルトン(邪推)。

もうちょっと意地悪な想像をするならば、これがもしドライバーズタイトルの掛かった局面でも同じコトできた?という話でもあるんですけど。今のハミルトンだったらできるかな……?なお、このレースを終わった段階で再びボタスがハミルトンを1ポイントリードする形でポイントリーダーになってますね。

決勝でもイマイチだったフェラーリ

予選では完全にアテが外れたフェラーリでしたが、ここはそこそこオーバーテイクできるコースなだけに、決勝で挽回できるか……というところが注目点でもあったワケですが、まー結局パッとしませんでしたねえ。ミディアムタイヤでのスタートとなったルクレールが、レース前半で目の覚めるような追い上げをみせていたときは「これは展開次第ではルクレールの大逆転もあるか?」と感じさせるものがありましたが、結局セーフティカーが入るような局面は発生せず、むしろベッテルメルセデスの2台がミディアムに履き替えて以降はペースが逆転⇒追いつかれてしまい、表彰台を狙うのも難しい状況に。

想定よりも路面温度が高かった影響で、ソフトタイヤはサーマルデグラデーションが起きやすく扱いにくいタイヤとなってしまった一方で、ミディアムタイヤは非常に持ちがよく、かつラップタイムも速いというドンピシャなコンパウンドになっていたワケですが、それを考えるとレース前半のルクレールのペースは、アレでも不十分だったというコトなんでしょうね。ルクレールはだいたいコンスタントに1分47秒台で走り、その後46秒台くらいまでは上げていますが、メルセデスの2台はミディアムに交換して早々に45秒台で走ってますしねえ。

ベッテルはソフトで走っていた第1スティントではあきらかにメルセデスに対して劣勢、ミディアム交換後はまずまずのペースでメルセデスに食いついては見せましたが、それでもメルセデスを上回るようなペースにはならず。ソフトタイヤでのパフォーマンスが劣っていたのは、ベッテルが「タイヤの温度を上げようとしてダメージを与えてしまった」とコメントしていますが、こういうコメントからもフェラーリのマシンって「タイヤの温度を上げて、作動温度領域をキープする」というのが他のマシンに比べて難しいのか……?という気もしてしまうんですが。

シーズン前のバルセロナテストでの速さが印象的だったために、今年のフェラーリはひと味違うぞという期待も強かったワケですが、どうも開幕4戦の流れを見ると、ひと味違う「ときもあります」というのが正確なようです。しかし、このままだと昨年よりさらに悲惨なシーズンになりかねない流れなんですが、まだシーズンも長いワケですし、もうちょっとなんとか盛り上げてもらえないものでしょうか。

そのほか

ライコネンが知らんうちにピットレーンスタートとなっていたようですが、そこから10位入賞を果たしているっていうのがまたスゴイ。これで開幕戦から4戦連続での入賞、トップ3チーム以外のドライバーで開幕からの全戦入賞を果たしているのはライコネンが唯一とのコト。なんかライコネンって安定しているときはめちゃくちゃ安定してポイントを持ち帰ってくるイメージありますね。WRCから復帰したロータス時代とか。しかし、あのときからもう7年経っているのに、ここまでのパフォーマンス発揮できるのがスゴイ。6周でソフトからミディアムに切り替え、その後44周に渡りタイヤをマネージメントしてみせたのも、ライコネンの本領発揮という感じでありました。

今回のレースで、絵面的な意味で一番面白かった(?)のはリカルドがバックでクビアトにぶつけたシーン。

MUST-SEE: Ricciardo accidentally reverses into Kvyat | Formula 1

クビアトをオーバーテイクしようとしたリカルドが止まりきれずにオーバーラン、行き場を無くしたクビアトもそのままコースオフする格好となり、焦ったリカルドは後ろにクビアトがいるコトに気付かずにバックで下がり、当ててしまったという流れ。人間、焦ると操作ミスが多くなるとは言いますが、F1ドライバーがこういうミスやっちゃうシーンはなかなか珍しい気がします。リカルドはクビアトに謝罪をし、クビアトもそれを受け入れ一件落着してはおりますが、「次のレースのために、彼にバックミラーを買ってあげるよ」というちょっぴりスパイスの効いたジョークも言っております。

And Kvyat's next move? "I'll buy him a rear view mirror for the next race!"

via: Azerbaijan Grand Prix: Ricciardo handed 3-place grid drop for Spain for reversing into Kvyat | Formula 1

しかしまー、焦ってミラーの確認を怠ったのが接触の原因なので、ミラーを買ってあげてもこの事故は防げないでしょうけどね(マジレス)。リカルドはペナルティポイントに加えて次戦で3グリッド降格ペナルティというコトで、良くない流れにハマってしまっている感じもしますね。ルノーのポテンシャルが、リカルドの期待していた水準に達していないのは明らかで、このまま腐っちゃわないかちょっと心配ですが……。

今回はマクラーレンとレーシングポイントがそれぞれダブル入賞。マクラーレンは昨年のアゼルバイジャン以来のダブル入賞というコトで、何気にこのレースではツキに恵まれているようです。サインツはソフト⇒ミディアムの1ストップというオースドックスな作戦だったのに対し、ノリスはソフト⇒ミディアム⇒ソフトという2ストップ作戦を取っていたのが特徴的ではありました。サインツより第1スティントが短かったこと、後方のストロールとの間隔が開いていてVSCが入ったことが2ストップ目を決断させる要因だったようで、これはマグヌッセンなんかも同じような感じですかね。

レーシングポイントの2人もバクーとは相性が良いイメージがあり、ダブル入賞もなんか納得できる感じではあるんですが、ストロールはそろそろ予選のパフォーマンスを改善しないとダメじゃね?

ホンダ勢では、4台中2台がリタイヤ、そのうちガスリーはパワーを失ってのリタイヤというコトで、ホンダPUのトラブルかと思われたものの、ドライブシャフトのトラブルだったというコトで一安心(?)。いやだって、スペック2では信頼性に重きを置いているっていう話もあったので、1戦目から壊れてたのではシャレにならんな、と……。