大須は萌えているか?

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F1[19] ベルギーGP 予選

夏休み明け一発目のレース、F1ベルギーGP予選。

フェラーリ1-2ではありますが

フリー走行から強さを見せたフェラーリが、予選でもそのままフロントロウを独占。とはいえ、ルクレールベッテルに0.7秒以上の差を付ける一人勝ち状態、逆にベッテルはハミルトンとの差が0.015秒差というギリギリの2番手でした。これでルクレールは6戦連続でベッテルを予選で上回ったことになり、ベッテルのモチベーション低下が囁かれてしまうのも致し方ないところかな、という気もします。てか、レッドブルでリカルドと組んでいたときのコトを思い出しちゃうんですよね。

一方のメルセデスは、土曜のFP3でハミルトンが珍しく、自身のミスで大きなクラッシュを喫してしまうというシーンもあり、予選にはなんとか間に合わせたもののボタスと2人で二列目を固めるのが精一杯。テクニカルなセクター2ではメルセデスが速さを見せるものの、全開区間の長いセクター1と3でのフェラーリとの差を埋めるには至らず、ドライバーの力ではどうにもならないところですね。

ただ、決勝のレースペースではメルセデスの方が速いのでは、という分析もあり、決勝の展開は圧倒的フェラーリ有利とは言えない情勢のようです。FP2のレースシミュレーションではフェラーリのペースが悪かったコトはルクレールも認めており、決勝レースは簡単にはいかないだろう、とコメント。

“I don’t know. I think we have been quick since FP1 but once we did the race simulations in FP2 we weren’t as quick, so I think it’s not going to be easy tomorrow,” he explained. “We’ll try to give everything. The gap is quite big today but it doesn’t mean it will be like that tomorrow so we will be working hard to improve the race run on yesterday and we’ll see.”

via: Leclerc warns that Ferrari qualifying advantage could fade in race | Formula 1

一方、予選でこれだけの差を付けられたメルセデスのボタスは、決勝レースは楽観的に捉えているとコメントしてますね。フェラーリのストレートラインスピードも、決勝ではあれだけの速度を出してはこれないだろうと。

“I think in the long run, I’m hoping that we can at least give [Ferrari] a bit of a challenge tomorrow,” he said in the post-qualifying press conference. “I think a bit of their straight [line] speed, which is where generally all the speed is, it’s usually not there so much in the race, so hopefully we’ll be there or thereabouts with them tomorrow and can put in, maybe, some interesting strategies. We’ll see.”

via: Bottas: Mercedes ‘can definitely fight for the win’ in Belgium | Formula 1

タイヤ戦略的にはソフト⇒ミディアムの1ストップで走りきれるっぽい感じ(Q2でも皆素直にソフト使ってたし)なので、ピット戦略的にはあまり差別化を図れないような気がしますが、さてメルセデスの作戦はいかに。フェラーリがぶっちぎりで逃げちゃうと、それはそれで退屈なレースになっちゃうので、メルセデスにも奮闘していただきたいところ。

PU交換祭り

後半戦スタートの一発目ということもあってか、各メーカーとも一斉に新型PUを投入してきているようで。

F1ベルギーGP金曜時点で14台がパワーユニット交換、6台のペナルティが確定

ペナルティを伴う交換も結構発生しているみたいなので、予選の順位とスターティンググリッドが結構変化するコトになりそうですが、上位陣だと6・7番手に入ったルノーの2台がICE交換で揃って5グリッドダウン(ただし、ヒュルケンベルグの上にいるリカルドは実質4グリッドダウン)。マクラーレンサインツも同様ですが、こちらは元の予選順位が低かった(17番手)おかげで、スターティンググリッドはなぜか1つ上がって16番手スタートという珍妙なコトが起きています。

ルノーは新型ICEの効果もあったのか分かりませんが、予選好調でしたね。一方でマクラーレンは低調だったのが印象的ですが、ダウンフォース付けすぎたでしょうか。ルノーワークスは各セクターともバランス良くタイム出せてる印象ですね。リカルドはセクター2速かった。

ホンダもクビアトとアルボンに新型PUを投入していますが、今回の予選を見るだけだとなんとも言えない感じ。元々グリッドダウン受ける前提だったので、予選はタイムを重視していなかったみたいですしね。アルボンはいきなりレッドブルに乗るコトになったわりには奮闘している感じがしますが、決勝ではどこまで上がってこられるか。

フェルスタッペンのPUは今回アップグレードを見送っていますが、フリー走行・予選と、パワー出力に問題が発生していた様なのがちょっと気がかりではあります。エンジンモードの設定の問題のようで、ロングランで再発するかどうかが気がかりなところではあります。

メルセデスフェラーリは、カスタマーチームのPUが予選で1基ずつ壊れましたね。特にウィリアムズのクビサのPUはド派手に煙噴いてましたけど、これも同じ問題がワークスでも起きうるのかどうか……。

ドライバー移籍の話

ベルギーでは来季のシートにまつわる発表もいくつか出ており、メルセデスのコンビが来季も継続、そしてメルセデスのレギュラーシート候補に挙がっていたオコンのルノー入りが発表されましたね。オコンは昨年もルノーとの交渉がほぼ決まりかけていたところに、リカルドが割り込んできて無かったコトにされたという経緯があったので、ヒュルケンベルグの契約が切れるタイミングでようやくねじ込んだ、という格好でしょうか。

するとヒュルケンベルグがどうなるか、という話になりますが、表彰台の獲得経験は無いものの、十分な速さがありコンスタントにポイントを持って帰ってこれるドライバーなだけに、中堅チームからは引く手あまたでしょうきっと。グロージャンの代わりにハースに入るという噂が流れてますが、以前噂になったレッドブル入りの話が再燃したりするコトはないかな……?

F2事故の件

F1予選終了後に開催されたF2のレースにおいて、フランス人ドライバーのアントワーヌ・ユベールが死亡する事故が起きてしまいました。22歳、あまりにも若い……。

事故の現場はオールージュを駆け上った直後のラディオンで発生、なんらかの理由で右側へコースアウトしたユベールのマシンがウォールに激突してコース上に跳ね返り、そこに別のマシンが突っ込んでしまったようです。

オールージュは勾配のきつい登りなので、駆け上っているときは前方がほとんど見えない状態であり、その直後にクラッシュしたマシンが居た場合、避けるのは困難であることは想像に難くありません。

現在のF1ではオールージュをアクセル全開で抜けることができ、昔に比べて簡単なコーナーになったと言われるコトもありますが、前方の視界が無い急な斜面を一気に駆け上っていくリスクというのは何も変わっていません。

昔、セナの事故後にF1の安全性が厳しく問われ、このオールージュもシケインに改修されたコトがありましたが、これはファンのみならずドライバーからも不評で、結局元の形に戻されたりもしました。過去に何度か大きな事故が発生している場所でもありますが、そのリスクを負っていかに速く走れるか、という点がこのオールージュを名物コーナーたらしめているのも事実であり、モータースポーツが安全性を追求しつつも、「リスクに対するチャレンジ」を欲しているというジレンマを表しているコーナーであるとも言えます。

メルセデスF1チームのルイス・ハミルトンは、モータースポーツの安全性が高まっているとはいえ、危険が伴うスポーツであることを忘れてはならないと発言した。

「もしもこのスポーツを見て、楽しんでくれている人が、僕らがしていることは安全だと一瞬でも思うなら、それは大きな間違いだ。ドライバーは全員、コースに出る時には命を懸けている。そのことが十分理解されていないので、正しい認識を持ってほしい。ファンだけでなく、この世界で働く人々すべてに、そう言いたい」

via: "若きヒーロー" ユベールの死にショックを受けるモータースポーツ界。F1ボスやハミルトンらが悲しみのコメント

今のレーシングカーは安全だ、とか簡単だ、とか言われたりもしますが、今の時代から見ると毎週のように死亡事故が起きていた1950~60年代が異常とも言えるワケで、むしろ今のレーシングカーはあるべき姿に進化してきた、とも言えます。しかしそれでも、300kmのスピードでレースするのが安全なワケは無い。それでも、ギリギリのリスクを取ってでも勝ちたがるのがレーシングドライバーであり、そんな彼ら彼女らに対する敬意を忘れてはならないな、と思う次第です。

アントワーヌ・ユベール選手のご冥福をお祈りいたします。