大須は萌えているか?

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F1[19] ベルギーGP 決勝

ひょっとしたら、この先永く記憶に残るレースになったのかもしれない、という気がしたF1ベルギーGP決勝。

新世代の花開く

ルクレールが初優勝……ではあるんですが、もう彼の速さは疑いようもないし、今年すでにバーレーンオーストリアで「あと一歩」というところまで迫っていたので、正直そこまでの驚きは無い感じではありました。ただ、スパでF1初優勝を達成したドライバーってミハエル・シューマッハ以来なんですね。かのジム・クラークも初優勝はスパだったそうで、これはルクレール、早くもレジェンドドライバーのフラグが立った……?

しかし、レース後に読んだ以下の記事には、心揺さぶられるものがありました。

「絶対勝て」とルクレールを鼓舞したガスリー | Toro Rosso | F1ニュース | ESPN F1

ガスリー、ルクレール、そしてF2の事故で他界したユベールは同年代ということもあり、共にレースキャリアを歩んできた親友同士だったんですね。このレースからトロロッソに「降格」となってしまったガスリーはルクレールにユベールに捧げる勝利を託し、ルクレールは見事それに応えた。そしてガスリー自身も可能な限りのプッシュをしてポイントフィニッシュを達成。

ガスリーもルクレールもトップチームに抜擢されたF1ドライバーとはいえ、まだ22とか23歳の若者。今まで仲良くしてきた友人がサーキットで命を落とし、その翌日には同じ場所でレースをしなくてはならない、という状況は、心理的に相当キツかったでしょうね。それでも、プロレーサーとしてやり遂げなくてはならない。記者会見でルクレールはそんな心境をコメントしており、いやこれは本当にすごいというか、この若さでこのプロ意識、世界一をかけて戦うF1ドライバーとはこういうものかと。

CL: Yeah, I guess for everyone but for me it was definitely the first situation like that where we lose someone on track – a track that you need to race the day after. So it’s obviously quite challenge to then close the visor and go through this exact same corner at the exact same speed you do the day before – but that’s what you need to do at the end. So yeah, that’s what I tried to do at best today.

via: FIA post-race press conference - Belgium | Formula 1

ガスリーと入れ替わりでレッドブルに加入した、これまた同年代のアルボンも最後までアグレッシブな走りを見せて5位入賞。ガスリーらよりさらに年下、まだ19歳のノリスもファイナルラップで止まってしまうまでは5位をキープする走りを見せてDRIVER OF THE DAYを獲得。死亡事故の動揺が残るレースで、新しい世代のドライバーたちがプロとして見事な走りを見せていたのが印象的でした。

一人の若きドライバーがサーキットに散り、その意志を受け継いだかのように他の若きドライバーたちがF1で躍進する……なにか、新しい時代を印象づけるかのようなレースでした。

そしてまた、ユベールの死が更なる安全対策のための教訓となることも切に願います。

精彩を欠くベッテル

レースペースではメルセデス有利とも言われていた決勝ですが、しかしソフトタイヤのペースはほぼ拮抗、あるいはややフェラーリ優勢。ただ、ベッテルのタイヤデグラデーションが思いの外早く、15周目にはトップ集団で一番早いピットイン。ミディアムタイヤに履き替えて、21周目にピットに入ったルクレールを一度は逆転するものの、そのあとやっぱりペースが伸び悩んでルクレールにトップを譲り、メルセデスのフタ役をやらされる羽目に。

ルクレールも最後はタイヤに苦しんでハミルトンの接近を許しましたが、それにしてもベッテルの苦しみ方は「なんで?」と思えるようなレベルでした。ルクレールを勝たせるためのアシスト役、という意味ではある意味良い仕事をしたとは言えますが、本来ルクレールとトップを争ってなきゃダメなワケで……。週末のフェラーリの速さを考えたら、表彰台にルクレール1人しか登れなかったのはどうなの?という気が。

モンツァでもフェラーリ有利な展開にはなるんでしょうけど、ここでもベッテルルクレールに遅れをとる展開になると、かなり色々言われそうな予感がしますねえ。てか、フェラーリって2010年のアロンソ以来モンツァでの優勝無いんでしたっけ?去年も勝てるはずだったレースを、ベッテルのポカミスとかもありながら落としちゃってるワケだし、今年の地元レースはフェラーリに取っては負けられない戦いでしょうし、負けたら特に地元メディアがヒドいこと書きそう。

そのほか

フェルスタッペンとライコネンのクラッシュはまあ……レーシングインシデントですねえ。予選上位だったライコネンが早々に姿を消したのはアルファロメオにとって大誤算だったでしょうけど、トドメにファイナルラップまでポイント圏内を走っていたジョビナッツィがコースを飛び出してポイントを失ってしまったというのはちょっとね。ジョビナッツィ、まだ1ポイントしか獲得してないんですけど、来年のシート大丈夫?

グリッドダウンペナルティがあったものの、予選では好パフォーマンスを発揮していたルノーも冴えない結果。リカルドはスタート後の1コーナーで追突されてピットイン、履き替えたミディアムタイヤでひたすら引っ張るという「ダメ元」な感じの作戦に打って出るも、やはりタイヤが持たずに後退。ヒュルケンベルグファイナルラップのドタバタもあり8位入賞となりましたが、チームとしてどうもパットしないレースでしたねえ。コンストラクターズでは、いつの間にかトロロッソにも8ポイント負けての6位となっており、メーカーワークスとしてはかなり厳しい状況。てか、パフォーマンスにムラがありすぎるんだよなあ……。