大須は萌えているか?

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F1[20] アイフェルGP 決勝

ドイツのニュルブルクリンクで、ミハエルの記録に並んだというのもなにかの縁でしょうか。F1アイフェルGP決勝。

91勝目

予選ではボタスが力強くポールポジションをもぎ取り、ハミルトンの91勝目をさらに先延ばしにできるか……という点が注目だったワケですが、PUが壊れてあえなくリタイヤに追い込まれてしまいました。なんかこういうとき、ハミルトンって「持ってる」んだよねえ……。にしても、ハミルトンが今シーズン全戦でポイントを獲得しているのに対し、ボタスはこれで2度目のノーポイントとなってしまったのは痛恨ですね。しかもボタスがノーポイントに終わったレースはいずれもハミルトンが勝ってるしね。

もしこのあとハミルトンが立て続けにリタイヤを喫して、ボタスが立て続けに勝てれば盛り上がってくるんですが、そんなコトは起こらないだろうしなあ……。リタイヤする前には、自らのミスでハミルトンにトップを明け渡してしまい、タイヤを痛めたコトもあって早々のピットインを余儀なくされたりもしてましたが、それでもまだ勝てるチャンスはあった、とはボタスの弁。しかしそれも、バーチャルセーフティーカーが無ければ、というコトでしょうけども。

そういう意味では、トップ3の面々は最初のピットインをVSCのタイミングで、2度目のピットインもセーフティーカー出動のタイミングでこなせたので、ピットストップロスを最小限に抑えられたというラッキーな人たちだったりもして。フェルスタッペンがいつもより食いついてみせたので、ハミルトンにしてみればクルージング……とまでは行かなかったでしょうが、ボタスが居なくなったおかげであまりプレッシャーを感じずに勝てたレースだったんじゃないでしょうか。ミハエルの記録に並ぶ勝利、という割りにはあっさり行っちゃった感じ。

ミハエルが91勝という記録を打ち立てたときには、これはもう今後何十年も破られない記録になるだろう、って思ってたんですけど、14年で並ばれちゃいましたね……。そしてハミルトンがここまでの勝利を積み上げるなんて、マクラーレンに乗ってた頃には思いもしませんでした。メルセデスとハミルトンのパッケージがここまで強力な存在になるなんて。ハミルトンがメルセデスに移籍した2013年当時は、まだメルセデスはタイトルを狙えるチームには見えませんでしたからね。2014年のターボハイブリッド導入によって状況が一変した感じ。

ちなみに、ウチが初めてメルセデス・ベンツのA180を購入したのが2013年の春先なんですが、それまではイモっぽかった(失礼)Aクラスをスポーティにフルモデルチェンジして、F1のイメージなんかともダブらせる作戦にまんまとしてやられたのでした。

あとメルセデスって、ここまでの常勝軍団になるまでに中々の苦難の道のりを歩んできているんですよね。1990年代にF1にエンジンサプライヤーとして復帰して、ミカ・ハッキネンの活躍もあって1998年にマクラーレンメルセデスとしてコンストラクターズタイトルに輝くも、その後はフェラーリミハエル・シューマッハの黄金時代の到来によりタイトルとは縁の無い状態に。その後2009年にホンダの撤退により成り行きでエンジン供給することになったブラウンGPで再びタイトル獲得を達成し、勢いづいてチームごと買収してコンストラクターとして参戦を開始するも今度はレッドブルセバスチャン・ベッテルの黄金時代到来により再びタイトルに縁の無い状態に。

それでもなお、腐らずハミルトンを招き入れるなどしてF1への熱心なコミットメントを続けているのを見て、その一貫性に好感を持ったというのもAクラスが欲しくなった理由のひとつですね。その後1年でここまでの常勝軍団になるとは思いもしませんでしたが。このメルセデスのF1に対する一貫したコミットメントと、モータースポーツのイメージを上手く市販車に反映している営業戦略を見るにつけ、なんでホンダは……と思っちゃったりもするワケですが。

えーと、なんの話でしたっけ。

ついにタトゥー実現(?)

ボタスの他にレッドブルのアルボンもトラブルで姿を消し、そうなると3位表彰台には誰が上るんだ……というのがレースの大きな見所のひとつでしたが、ついにリカルドがその座をつかみ取りましたねえ。ルノーではこれが初表彰台、実に長かった。もう移籍を決めちゃうくらいに長かった。……にしても、最近のルノーのパフォーマンスはマクラーレンを凌いでいるようにも見え、リカルド移籍しちゃって大丈夫?と思ったりもしますが。メルセデスPUに変わるコトで、マクラーレンのパフォーマンスがさらに向上すればまあ良いんでしょうが……。

リカルドが表彰台を獲得したらルノーのシリル・アビデブールがタトゥーを入れる約束をしていた、って話が話題になってたりもしましたが、フィニッシュ後のインタビューでも早速その話題に触れられており、これはもうアビデブール逃げられないですね。ビデオカンファレンスでは、記者から「ノルドシェライフェ(ニュルの北コース)のタトゥーはどう?」なんて質問されたりもしてますが、デザインについてはこれからじっくりと考えていく模様。

そしてなによりレッドブルクリスチャン・ホーナーがこのタトゥーの一件を楽しみにしているようで、レース後のコメントでも「ダニエルがシリルにどんなタトゥーを選ぶのか、皆興味津々だと思うよ!」なんて言ってたり。

Our congratulations also go to Renault, Daniel and Cyril for the podium today and now I think we are all intrigued to see what tattoo Daniel chooses for Cyril!

via: Christian Horner : What the teams said - Race day at the 2020 Eifel Grand Prix | Formula 1®

フィニッシュ後のフェルスタッペンとの無線でも、「シリルが尻にタトゥーを入れることになるみたいだぞ!」みたいなコト言って、フェルスタッペンが「見るのが待ちきれないよ」なんて応じたりもしてて……。

今まで散々舌戦を繰り広げてきた間柄だけに、ホーナー達にしてみたら面白くて仕方ないみたいですが……しかしホンダがF1を去った後、またルノーの頭下げる羽目になる可能性も考慮した方が良いのでは……?

ヒュルケンベルグの「代打の切り札」っぷりがスゴイ

そして今回のレース一番の驚きと言ってもいいのが、ヒュルケンベルグが8位入賞を果たしちゃったコトでしょう。予選の記事書いたときには、最後尾から入賞狙うのはさすがに無理やろ的なコトを言ってしまいました。慎んでお詫び申し上げます。いやだって、ここまで決勝でクルマ乗りこなしてみせるとは思わなかったし……。脱帽です。

もちろんペレスに比べればペースは遅いんですが、基本的にずっと中団で揉まれながらのレースでしたし、周りのクルマよりは良いペースで走り続けて着実に順位を上げていきましたからねえ。代役としては100点満点以上の走りでしょう。しかもフリー走行無しだったんだし。ここまで勝負強いドライバーなのに、なんでレギュラーシートが無いんですかねホントに……。

ペレスも4位に入賞したことでチームとしては合計16ポイント獲得、ルノーマクラーレンはそれぞれ1台ずつリタイヤを出してしまったので、この3チームの中では一番ポイントを稼いで見せたのだから驚き。この中団グループはホント何が起きるかわからないですねえ。そしてフェラーリはこのままだとコンストラクターズ6位のまま終わりそうな気配も漂ってきましたが……。今回の予選は良かったルクレールも、第1スティントのペースが悪すぎましたね。タイヤ換えてからは悪く無かったんだけど……。ベッテルはまあなんていうか、相変わらず中団でもがき苦しんで終わっちゃったというか……。

あ、あとグロージャンが今季初入賞してましたね。セーフティーカー出動時にタイヤ換えなかったのでどうなるかと思いましたが、ポジションを争っていたジョビナッツィやマグヌッセンも入らなかったので結果オーライというか。それでもタイヤ的にはグロージャンが一番不利だったんですが。ハードタイヤでセーフティーカーランの温度低下を良く耐えましたねえ。セーフティーカー前にグロージャンの前にいたライコネンは、ピットインしたコトで逆にポジションを失っちゃう結果になりましたし、残り周回とタイヤ温度等もろもろの要素を天秤に掛けると、接近戦を演じているグループにしてみれば極めて難しい判断だったでしょうね。