大須は萌えているか?

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F1[20] ポルトガルGP 決勝

スタートからしばらくは観ていたんですが、やっぱり途中で寝落ちしてました。F1ポルトガルGP決勝。

92勝目

1周目からハミルトンが順位落としたり、ペレスとフェルスタッペンが接触したり、ライコネンが脅威のジャンプアップを見せたりして「これは波乱のレースになるか……!?」と思ったりもしましたが、サインツがリーダーラップを記録したあたりまでがハイライトで、その後は落ち着くところに落ち着いていったという感じもする展開でしたね。ていうか、最終的にはハミルトンがボタスに25秒もの大差を付けての優勝ってなんなんですかこれは。

予選ではハミルトンの方がスタートタイヤの周回を余分に重ねていたってのもあって、ボタスがハミルトンの前に出たときには面白い展開になるかなーと思ったりしたんですけどねえ。15周目以降くらいはずっとハミルトンの方がレースペースで優位に立ち、それはハミルトンが「足がつった」と無線で訴えていたレース後半でも変わりませんでした。もうハミルトンの圧勝といっていいレースでしたね。ミハエルの記録を超える92勝目をこの上なく完璧な勝利で飾ったハミルトン、さすがとしか言いようがない。

WATCH: Every one of Lewis Hamilton’s 92 F1 wins, from Canada 2007 to Portugal 2020 | Formula 1®(動画)

ボタスにしてみれば、フリー走行からQ2あたりまではハミルトンをリードしていながら、決勝ではこれだけの大差を付けられたっていうのはショックでしょうね。上手くハマったときにはハミルトンを倒せる速さがあるんだけど、全体的に見るとやはりハミルトンに及ばない……「なんでかわからないけど今日はペースが無かった」というコメントからはなんとも言えない無力感も漂ってます。

“Of course I tried to defend [from Lewis] but the rate he was starting to close, there was nothing really to do. Just like I said, I don’t know why I didn’t have the pace today; I was pushing hard but I couldn’t go faster.”

via: ‘I had no pace’ – Bottas left mystified by lack of performance at Portimao | Formula 1®

状況に応じて臨機応変にスタイルを変えていけるハミルトンに対して、ボタスはスタイルの引き出しの数が少ないのかな……って気もします。それは勝利に対する貪欲さの違いでもあるような気がするんですが、まあその辺のマインドの強さについてはハミルトンがズバ抜けてるよねえ……ロズベルグが勝ち逃げ同然にアーリーリタイヤを決め込んだのも、ハミルトンとずっとやり合っていたら自分の精神をすりつぶしてしまう、っていう恐れがあったんじゃないかと想像するんですけど。

ハミルトンとフェルスタッペンを同じクルマで競わせたらどうなるか興味があるんですが、それはそれで恐ろしいコトになりそうな気がしないでもありません。

好対照なチームメイトたち

フェラーリルクレールが予選と同じ4位フィニッシュ。今回はレースペースも上々でしたねえ。フェラーリがいよいよ「3番目のチーム」として台頭してくるか……という感じもするんですが、一方でベッテルが低迷したまま。一応10位フィニッシュで1ポイント獲りましたけど。あまりに差があるもんだから、フェラーリベッテルのマシンだけアップデートを入れてないんじゃないかって気すらしてしまうんですが、ベッテル自身はそうした話を否定し、「シャルルは自分が感じ取ることができない領域でグリップを感じ取ることができるみたいだ」とルクレールのドライビングが自分より優れていると率直に認めるコメントしてるんですね。

“It’s about how much grip you feel and how much then you’re using. So in this regard I’ve said that maybe Charles seems to feel a different grip on a different area of the car that I’m not feeling. Clearly I’m not going as fast and not able to feel for whatever reason.”

via: Vettel trusts Ferrari gives him same car specification as Leclerc · RaceFans

4度のワールドチャンピオンにここまで言わしめるルクレールの才能って……と思ってしまいますが、ベッテルも環境を選ぶタイプなのかなーって気はしちゃいますね。それはマシンの性格もそうだし、チームの人間関係等も含めて。レッドブルで4年連続タイトルを獲れていたときが、ベッテルにとっては「良すぎる」環境だったのかもしれない。そういう意味では、来年環境は変わったベッテルがどうなるかは興味深いところですし、逆にサインツルクレールの差がどれくらいなのかも気になります。

そのサインツは序盤にリーダーラップを記録してビックリしましたが、ソフトタイヤで最初にプッシュしすぎたせいかその後伸び悩みましたね。ミディアムに履き替えてからは安定して6位フィニッシュは悪く無い結果……ですが、最初にトップに躍り出たインパクトを考えるとちょっと残念?

しかしサインツと同じようにスタートからポジションを上げていったノリスは、強引なオーバーテイクを仕掛けてきたストロール接触したコトで大幅なポジションダウンを余儀なくされる格好に。あれはストロールのライン取りがよろしくなかったですねえ。アウトサイドに並んでから、ノリスの前を横切るようなラインになっちゃってるし。

Norris says Stroll ‘doesn’t seem to learn’ after Portuguese GP collision | Formula 1®

マクラーレンとレーシングポイントはコンストラクターズ3位を争っている関係でもありますが、この接触で両者ともノーポイントになってしまったのだからなんともはや。

一方で、ペレスは1周目にフェルスタッペンと接触して最後尾に転落したにも関わらず、7位まで巻き返しちゃったのすごいですよね。ミディアムに履き替えてからのペースが抜群でした。終盤にソフトタイヤがもたなくて失速しちゃいましたけど、それでも抜群のレース運びでした。何気に、2ストッパーの中では最上位なんですよね、ペレス。レーシングポイントはほんとにペレスをお払い箱にしちゃって良いんでしょうか。

アルボンも結果的にはペレスと同じソフト⇒ミディアム⇒ソフトの2ストッパーでしたが、こちらは伸び悩みましたねー……アルボンはトラフィックに苦しんだとコメントしてますが、ペレスの驚異的なリカバリーという実例があるとちょっと辛いですよね。フェルスタッペンだって表彰台に上っているコトを考えると、12位ノーポイントは言い訳できないリザルトでしょう。チームからはイモラまでに結果を出せとプレッシャーを掛けられているようですが、このままだとペレスにシートを奪われる可能性もある……?

ライコネン脅威の10台抜き

このレース最大のハイライトと言ってもいい(?)のが、オープニングラップのライコネン。気がついたら6位までジャンプアップしていてぶったまげたんですが、車載映像を見ると「ドニントンのセナかよ」と言いたくなるくらいの怒濤のオーバーテイクっぷり。タイヤがうまく機能していない他車を面白いようにズバズバ抜いていく様は、なにか魔法のようでもあります。

MUST-SEE: Raikkonen makes up 10 positions on incredible opening lap in Portimao | Formula 1®(動画)

ライコネン自身は「スタートはそんなに良かったとは思わないが、その後正直言って『他の連中はなにをやってるんだ?』と思った」みたいなコメントしてますね。

“I don’t think the start itself was very good – I lost a place – but then after that honestly I thought at one point ‘what are the others doing?’” he said.

via: Raikkonen ‘wondered what the others were doing’ during mesmeric start in Portugal | Formula 1®

ソフトタイヤでスタートしたってのもあるのかも知れませんけど、同じくソフトスタートだったガスリーやリカルド、アルボンまで抜き去ってますからね……。タイヤに上手く熱が入らないシチュエーションでの混戦に強いってコトですかねえ。ラリー仕込みのテクニック?しかもその後は早々にペース落ちちゃって11周目にピットイン、巻き返しを図るも最後はベッテルに競り負けてポイントゲットできなかったっていう。

過ぎたるは及ばざるがごとしと言いますか、最初だけ良くてもトータルで速くなくては意味が無いって気もしますが、それでも最年長のライコネンがここまでキレた走りを見せてくれたのは良かったですね。フェルスタッペンもすぐ後ろにライコネンが居るコトに気がついてぶったまげたみたいですし。

Then I had Kimi behind me. I was shocked about that because I thought: “Am I really going to… like, what’s going on?” Kimi was flying, probably his rally driving helped him a bit in the first lap or something because that was pretty impressive.

via: FIA post-race press conference - Portugal | Formula 1®

トップ3記者会見でハミルトンの記録について尋ねられたフェルスタッペン、「彼(の記録)が40歳までF1を続けるよう僕をプッシュするんだ。それも良いモチベーションになるよ」とコメントしてますが、41歳になったライコネンがこんなスピードを見せつけたんだから、そりゃもう40歳過ぎても現役続けてもらうしかありますまい(?)。