大須は萌えているか?

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F1[20] バーレーンGP 予選

コンストラクターズ・ドライバーズ共にタイトルが決定して、消化試合となった残り3レースではありますが……それでもメルセデス容赦無い。F1バーレーンGP予選。

98回目のポール

FP3でフェルスタッペンがトップタイムをマークして、予選も面白いコトになるか……と思いきやメルセデスが盤石のフロントロウ独占。容赦無いですな。ハミルトンはこれで通算98回目のポール獲得、今シーズン中の通算100ポールの可能性を残しています。7度目のタイトルを獲得したあとも特にお祝いをしたりはせず、トレーニングをして準備していたとかってコメントしてましたけど、記録を重ねていくたびにむしろストイックさが増して行っているなハミルトン。このレースに対して衰えることの無いモチベーションってなんなんだろう……それだけ、すべてが上手く噛み合っている環境に居るってコトでもあるんでしょうね。

この様子だと決勝もメルセデスがぶっちぎってしまうのでは……なんて思ってしまいますが、ただメルセデスはロングランのデータが不足しているっていうんですよね。金曜日のフリー走行が来年用のタイヤテストを兼ねており、テスト用のタイヤで一定以上の周回数を走るコトを義務づけられていたようですが、すでにタイトルを決めているメルセデスはこの来年用タイヤの評価にかなり時間を割いたため、レース用タイヤでのロングランが十分では無いというワケです。

あと、今回は持ち込まれたタイヤアロケーションが昨年より1段柔らかくなっているとのコトで、結果としてソフトタイヤが決勝用としては使えないくらい持ちが悪いって話になっているのが興味深いところ。決勝をミディアム・ハードのみでつないでいくとしても1ストップでは厳しそうな雰囲気でもあり、そうなるとタイヤのマネージメントやピット戦略といったファクターも勝利を左右する大きな要因になると。レッドブルはロングランペースもかなり良いようなので、そこら辺で付け入る隙が出てくる可能性があるワケですね。

それにバーレーンはストレートとDRSゾーンも多いためオーバーテイクがしやすいので、押さえ込まれてなかなか抜けない……という状況も起きにくいサーキット。そういう意味では、面白いトップ争いがみられるかもしれません。

コンストラクターズ3位争い

終戦まで決着が付かなそうなコンストラクターズ3位争いですが、現在3位のレーシングポイントに18ポイント差を付けられて5位のルノーが、予選6番手と7番手に食い込んで来たのは面白いところ。レーシングポイントはストロールがまさかのQ2ノックアウトになったのが痛恨でした。それいったら、サインツがトラブルで同じくQ2ノックアウトしてしまったマクラーレンもしんどいところですが。オーバーテイクがしやすいというコトで、ストロールサインツがどこまで挽回してくるかも見所でしょうね。もちろん、中段で揉まれながらタイヤマネージメントもしなきゃいけないので、言うほど簡単でも無さそうですが。

それから下馬評では評価の高かったフェラーリが2台揃ってQ2ノックアウトを喰らってしまったのは意外。フリー走行からずっと苦しんでいた感じではありました。ここんとこ調子が上向いてきて、来季に向けてポジティブなムードも漂っていたフェラーリですが、このシーズン締めくくりの中東3連戦で水を差されてしまうのかどうなのか。フェラーリルノーに6ポイント差を付けられてのコンストラクターズ6位なので、この3連戦の成績次第で順位が大きく変わる可能性はあるんですが……。

来季のタイヤとか、再来年のパワーユニットとか

金曜日にテストされていた来年用のタイヤ、ドライバーの評判はすこぶる悪いようですね。タイヤ自体が重くなったし、グリップも落ちたと。なにせワンメイクなので、タイヤの速さよりも耐久性を重視したのかなあって気はしますけど。ピレリとしても、複数台のマシンが次々とバーストするような映像を世界に配信したくないってコトなんでしょう。

レース後記者会見で「プロトタイプタイヤの評価をするためにフリー走行で多少の妥協をすることになった」みたいなコメントをしたハミルトンに対し、フェルスタッペンが「少なくとも、プロトタイプタイヤのドライビングは楽しめたんでしょ?」と言うとハミルトンが「そっちはどうだったの?(笑)」と返し、フェルスタッペンは「難しいと思ったんだけど、後ろからあなたのドライビングを見ていたら『んー、俺は大丈夫だ』って思った」と。ハミルトンは「そうだね……ドリフトしてた」と言い、フェルスタッペンは「来年はドリフト選手権にするべきかもね」なんていう冗談まじりにタイヤのグリップの無さを嘆いていたりするのが面白いです。

MV: At least you enjoyed driving the prototype tyres, right?
LH: [laughs] How did you like it?
MV: I thought I was having difficulties – and then I was behind you, and then I saw you driving and thought ‘mmmm… I think I’m good’.
LH: Yeah… drifting.
MV: Maybe they should make it a drift championship next year…

via: FIA post-qualifying press conference – 2020 Bahrain Grand Prix | Formula 1®

こうした話を受けてピレリがどう判断するのかわかりませんが、このまま行くと来年は今年より結構タイムが落ちる可能性が高いんですかねえ?

あと、2022年以降のPU開発凍結問題も相変わらずすったもんだが続いているようで。

そもそもがレッドブルがホンダPUを継続使用したいから2022年以降から開発凍結しようぜ、と言い出したのが発端ですが、メルセデスのトト・ウォルフはこの話に理解を示したものの、フェラーリルノーは反対。しかし、ここに来て急にフェラーリのビノットが賛成するような発言をしたと報じられてたんですよね。

フェラーリが態度一転、2022年以降のPU開発凍結に賛同「未来を見据えて行動しなければ」

ただ、これは条件付きの賛成で、ひとつは2026年から導入予定とされている次世代PUの導入も1年前倒しして2025年からにすること、そしてどうも開発凍結をするかわりに、PUのパフォーマンス差を埋めるための性能調整をさせろ、って話みたいで。さすがにメルセデスとしては性能調整案は受け入れがたく、再び先行きが不透明になっている……という話が。

F1 Topic:2022年パワーユニット問題に新たな火種。『ある条件』を巡って対立するふたりの代表 | F1 | autosport web

まあ確かにPUの性能調整なんて話になると「スーパーGTかよ!」と思っちゃいますし、世界最高のドライバーを決める場でもあると同時に世界最高峰の技術開発の場でもあるというF1のアイデンティティを損なう話になりかねません。もちろん、高騰するF1のコストを抑えようという議論も大事ではあるんですが、あくまで各メーカー・コンストラクターが独自に磨いた技術をぶつけ合う場であって欲しいとも思うワケです。そこのバランスをどう考えるか、難しい話ではあるんですけども。ただ、レッドブルとしてはタイミリミットのある話なので、あまりグズグズしてられないっていうのが悩ましいところですね。

F1の未来も混沌として参りました。