大須は萌えているか?

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F1[20] アブダビGP 予選

この奇妙なシーズンも最終戦。いつもより短いシーズンではあったんですが、密度は濃かったなあ(3連戦多かったし……)。そんな感じのF1アブダビGP予選。

メルセデスPUのポールポジションを止めた

今年はずーっとメルセデスがポールシッターの座を独占しており、混乱のトルコでようやくその状況が崩れたと思いきや、メルセデスPUのマシンがポールを獲るという状況は継続したまま。このままメルセデスが予選を完全制覇する形で2020年シーズンが終わるか……と思いきや、最後の最後に来ましたねフェルスタッペン。ていうか、流れ的にポールには来ないかなーと思っていたので、Q3最後にトップに飛び込んで来たのは驚きでした。

トップ3は0.1秒以内に3台が入るという僅差も僅差で、ここまでトップ3が肉薄した予選って今季は無かったんじゃないでしょうか(1周53秒の前戦サクヒールは例外として)。そしてその超接戦だったのもあって、フェルスタッペンはセクタータイムで見ると全体ベストを記録していないにも関わらずポールを獲るという、珍しい展開でもありました。セクター1・2でタイムを伸ばしながらもテクニカルなセクター3までタイヤを温存し、全体を上手くまとめる力が求められるサーキットなだけに、フェルスタッペンの上手さを見せつけられた予選でもありましたね。

ハミルトンはQ1最初のアタックでもトラックリミットを飛び出してフロアを破損したりもしてましたし、欠場明けというコトもあって万全では無かったのかなー、という印象もありますね。特にこうした一発の研ぎ澄ませた速さを見せなければいけないシチュエーションでは、少々精彩を欠いていたようにも見えます。開幕戦が行われるハズだったオーストラリアで、COVID–19の脅威とF1の危機感の無さを批判してみせたハミルトンですが、その彼が実際感染してこうしてなんとか最終戦に出場している、というのは2020年を象徴するシーンなのかもしれません。ハミルトン自身は、「100%ではないかもしれないけど、全力は尽くした」とコメントしてますね。

“I’m just grateful to be back, and while probably not 100%, I still gave it my all,” said Hamilton.

“Naturally I don’t want to go into too much detail of it all, but like I said in Australia [at the beginning of the season], just how serious the virus is. I really feel for those that have suffered from it, those that have lost loved ones from it, and can understand how as it’s a nasty virus.

via: Hamilton admits he’s ‘not 100%’ and expecting a tough race ‘physically’ after P3 in qualifying on race return | Formula 1®

ただ、ハミルトンがわずかにタイムを失い、レッドブル・ホンダがポールを獲得したコトで、決勝の面白みが増したコトも確かです。フェルスタッペンもメルセデスの2台もミディアムスタートですが、決勝が1ストップであろうというコトを考えるとタイヤマネージメント勝負になりそうですね。そうなるとハミルトン有利な気はしますが、ポールスタートのフェルスタッペンがレース序盤でうまくマージンを作れるかどうか。

2015年から5年連続でポールシッターがそのまま優勝を飾っているアブダビGPですが、さて今回は……。

まだわからないコンストラクターズ3位争い

前回のレースでレーシングポイントが一気に3位に躍り出たコンストラクターズ3位争いですが、4位のマクラーレンとのポイント差は10点。さらにそのマクラーレンの12ポイント後ろにルノーがいる格好。ルノーはさすがに苦しい立場ですね。レーシングポイントにしてみればこのまま3位でシーズンを終えたいところですが、このチームでの最後のレースとなるペレスがPU交換ペナルティでまさかの最後列スタート。頼みの綱のストロールは8番手スタートという微妙な位置。

対するマクラーレンはノリスが4番手という好位置、サインツも6番手。仮にこのままの順位でフィニッシュとなると、マクラーレンがレーシングポイントを逆転します。レーシングポイントのオットマー・サフナウアーは気が気じゃないでしょうねえ。マクラーレンの片方がリタイヤするようなコトが無い限り、レーシングポイントは苦しそう。ペレスのPU交換は思いの外高い代償になりそうな……。

コンストラクターズ逆転の望みは薄そうなルノーは、予選も苦しみましたねえ。FP3ではメルセデスがタイムを伸ばしてこなかったコトもあって3−4番手タイムという好位置に付けていたのに、予選では2台ともQ2突破ならず(決勝は前戦の接触によるペナルティで9番手ルクレールが3グリッドダウンになるため、オコン10番手、リカルド11番手スタート)。ただ、そうなるとタイヤ選択の自由があるので、そこのアドバンテージをどこまで活かせるか。とはいえ、マクラーレンサインツとノリスでQ2のタイヤを分けており、ノリスはソフトで通過した一方、サインツはミディアムで通過しているので、そういう意味ではルノーのアドバンテージは限定的かもしれませんが……。

前戦で怒濤のオーバーテイクショーの結果優勝をもぎ取ったペレスがどこまで追い上げてくるかも見物ですけどね、ただアブダビは前戦ほど追い抜き楽じゃ無さそうだけど。

そのほか

グロージャンは最終戦での復帰もならず、あのクラッシュがF1最後の姿になってしまったというのは少々残念ですねえ。インディカー行きの噂も出てましたが、あのクラッシュで本人にも思うところがあるみたいなので、今後どういうキャリアを歩んでいくのかというのも気になるところです。速さはあるドライバーなので、レーシングドライバーで有り続けて欲しいなとは思いますけどね。

フェラーリ最後のレースになるベッテルは13番手。最終戦でもQ2突破はならなかった……。ペナルティでグリッドダウンになったルクレールがすぐ横なので、決勝ではルクレールとのバトルも期待したいところですが。来シーズン移籍して、フェラーリとの序列がどう変化するのかも楽しみですけどね。フェラーリ自身も来季に向けてはある程度ポジティブな感触を得ているようなので、それも含めてね。

あと、アルファタウリでクビアトがガスリーを上回る予選7番手と気を吐いてますよねえ。前戦もシングルグリッドだったし、この終盤で怒濤のアピールをしている感が。あるいは、来季のシート喪失が見えてしまったところで、良い意味で吹っ切れた感じでしょうか。来季はおそらく角田の起用が確定的だとは思いますので、クビアトも2022年のF1シートを狙う格好になるのかな。彼も実力のあるドライバーだしねえ……(ただムラがあるけど)。

中団グループも、コンストラクターズ争いやら来年、再来年のシートをかけてのアピール合戦やらで熾烈な争いになりそうで楽しみですね。