大須は萌えているか?

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F1[20] アブダビGP 決勝

2020年の締めくくり……なんだけど、ちょっと盛り上がりに欠けたかな?F1アブダビGP決勝。

強いぞレッドブル

フェルスタッペンが力強いレース運びを見せてのポールトゥウィン。ファステストラップは最後の最後にリカルドに持って行かれましたが、レースを完全に制圧しての勝利でしたね。2位のボタスにも16秒差を付けているし。そしてなにより、アルボンが最後ハミルトンに肉薄しながらの4位フィニッシュだったのも特筆すべき点でしょう。レッドブルのレースペースがいかに強力だったかを示す指標たり得ますからね。

メルセデスの側から見ると、ハミルトンの調子がまだ完全では無かったり、MGU-Kの謎問題によりパワーユニットの出力が微妙に絞られてたり、レース序盤のVSC・セーフティカーによりピットタイミングが強制的に均されてしまい、戦略による揺さぶりがかけられなかったりと不運な点はあるにはあったんですけど、じゃあこれらの点が無かったとしてレッドブルに勝ててたかというと、勝てなかった気がしますね。それくらいレッドブルとの差は大きかった。

MGU-Kの問題については、メルセデスのアンドリュー・ショブリンも勝負を左右する要素では無かったとコメントしてますね。ラップタイムに与える影響はごくごくわずか(0.1秒にも満たない)だったと。

“[It was] not an amount that’s going to determine the race result,” Shovlin said.

“You’re talking significantly less than a tenth of a second, so not the difference between first and second.”

via: Mercedes: Power unit deficit in Abu Dhabi GP worth less than 0.1s per lap | F1 News | Autosport

オマケに、メルセデスの2人のドライバーは、レース後の記者会見で初めてMGU-Kの話を聞いたみたいだったし。「週末を通してメルセデスとのギャップを築けたことは驚きだったか」という質問にフェルスタッペンが答える中で、「正直、レースに勝ったりポールを獲るなんてちょっと予想してなかった。彼らはエンジンの出力を少し絞らなきゃいけなかったのも足かせになったと理解してるけどね」みたいなコメントをしたところ、ハミルトンとボタスは「それ本当?そんなことはないと思うけど」「そうなのかも知れないけど、僕らにはわからない」みたいなリアクションしてるし。走っている当人らが気付かないレベルだったというワケです。

LH: What’s that about the engine?

MV: The MGU-UK.

LH: Us?

MV: Yeah that’s what they said?

LH: Is that right? I don’t think that’s the case.

VB: Maybe it is, but we don’t know.

MV: Maybe they just don’t want to tell you!

via: FIA post-race press conference - Abu Dhabi | Formula 1®

相変わらずハミルトンが制圧した1年ではありましたが、最後の最後にレッドブルがここまで強力なパフォーマンスを見せたのは、来季に向けてはポジティブな要素でしょうね。特に、来季も基本的に同じシャシーを使うというコトを考えるとね。アブダビって、2014年から6年連続でメルセデスが勝ってきたサーキットでもありますし。今回のレースのような強さを、来季の開幕からレッドブルが発揮できるのであれば、タイトル争いにもさらに面白みが出てくるってモノでしょう。

んで、レッドブルの空いてるシートには結局誰が座るんだろうね……?アルボンも最後の最後に良いパフォーマンスを見せたは見せたけど……?

チームを去るドライバーたち

在籍しているチームを今季で離れるコトが確定しているドライバーも多いですが、6位のサインツや7位のリカルドは満足のいくラストレースだったでしょう。リカルドはファステストラップももぎ取ったしね。サインツはノリスとダブル入賞したコトでコンストラクターズランキングでレーシングポイントを逆転したのはお見事でした。マクラーレンはここまでチームを立て直してくるとは、お見事。PUをメルセデスにスイッチしてリカルドも加入する来季は、さらに強いチームになるのか?逆に、リカルドが抜けるルノーは復帰するアロンソの出来次第でしょうねえ。

逆に、レース序盤でマシンを止めるハメになったペレスは残念でしたね。チームにとっても痛恨でしょうが。マクラーレンに7ポイント差で負けたので、あのブレーキダクト問題によるコンストラクターズポイント剥奪(15ポイント)が無ければ、ランキング3位だったのにねえ。ペレスはレッドブルのシートに座るコトができるのか気になるところですが、フェルスタッペンのチームメイトっていうのもなかなか大変そうではあります。

それからペレスの後釜となるコトが決まっているベッテルは、フェラーリのラストレースでもそこまでパッとするコトはなく……一頃はメルセデスを脅かすところまで躍進してみせたドライバーのフェラーリラストレースは、やはり寂しいモノになってしまいました。今回のレース戦略でも、ルクレールを優先するような感じでベッテルは冷や飯食わされてる感がありましたし……アストンマーチンでどこまで蘇るコトができるのか、期待したいところ。

にしても、ルクレールはチームを去るベッテルに最大級の敬意を表しており、こういうところ良く出来た若者だなあと感心してしまうのです。そのわりに、無線でブチ切れやすい短気なところもあるんだけど。ベッテルルクレールに対しエールを送っており、こういうシーンはちょっと良いですね。

Vettel describes Leclerc as ‘most talented driver I came across in 15 years of F1’ in farewell note to Ferrari team mate | Formula 1®

おそらくF1自体から身を退くことになるマグヌッセンは18位フィニッシュとこれまた寂しい成績ではありますが、47周目に2度目のピットインしてF1のスピードを最後の最後まで楽しめた感じでしょうか。マクラーレンからデビューした当時はデビューレースでいきなり表彰台フィニッシュを飾り驚いたもんでしたが、正直そこがF1キャリアのピークだったような……(それ以降、表彰台獲得無し)。彼はまだ28歳と若いので、これからどういうキャリアを歩むのかも気になるところではあります。

あと、確定では無いんだけどおそらくチームを離れるコトになるであろうアルファタウリのクビアトはポイント圏外の11位フィニッシュ。予選が良かっただけにこの順位は本人もガッカリした様子ですが、本人がコメントしているように第一スティントがカギでしたかね。力が入りすぎていたのかなんなのかわかりませんが、早々にフロントタイヤのデグラデーションを招いてしまったようで、タイヤ交換前後で順位をかなり失ってしまっていたし。今後のためにも決勝でアピールしておきたかったところでしょうが、さてクビアトの今後はどうなるのか……。

そんなこんなで

レース数自体は近年のF1としては少なめではあったものの、なんだかシーズンが結構長くも感じたのは日程が過密だったコトと、珍しいコースでの開催もあったりして目新しさがあったからかもしれません。加えて2人のF1初優勝もあったし、そしてグロージャンの衝撃的なクラッシュもあったし。BBCの記事で今年を象徴する12枚の写真がピックアップされてますけど、ホント忘れられないシーズンになりましたね。

Formula 1 2020: 12 pictures of a season like no other - BBC Sport

個人的には、名前入りチェッカーフラッグを購入したのも良い記念になりました。

F1ロシアGPで使われたチェッカーフラッグが届いた

日本GPが無かったという点では極めて残念なシーズンでしたが、ホンダPU最後の年であり、恐らく久しぶりの日本人レギュラードライバーが生まれるであろう2021年シーズンは、鈴鹿でF1を観戦したいものです。その頃には、COVID-19の脅威がある程度遠のいていることを祈りつつ。