大須は萌えているか?

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F1[21] アゼルバイジャンGP 決勝

トロールのクラッシュ以降はそこまで大きな波乱無く終わるレースかな、と思っていたら、最後にとんでもねえ展開が待ってましたねえ。F1アゼルバイジャンGP決勝。

タイトル争いの主役2人が立て続けに……

中盤以降はわりと粛々とレースが進んでいる感じに見え、これはレッドブルの1–2フィニッシュで決まりだな……と思っていたら、チェッカーまで残りわずかというところでフェルスタッペンの左リヤタイヤが突然壊れてマシンはクラッシュ。ストロールと同様にストレート区間で突然前触れもない状態でタイヤが壊れるもんだから、そりゃ驚きます。どちらもドライバーは無事だったから良かったですが、あんな風にタイヤ壊れたらいかにF1ドライバーといえども反応できるワケないですからね。

フェルスタッペンのクラッシュ後にセーフティカー出動⇒赤旗という流れとなり、実質残り2周の超スプリントレースとして再開されるコトに。この時点でハミルトンが2番手に着けており、これでハミルトンがスタートうまく決めて勝っちゃったらちょっと笑うな……なんて思ってたらホントにハミルトンが好スタートを決めてペレスをかわしそうになったもんだから「おお!」と思ったらその直後にフロントをロックアップさせてコースアウトしていってしまい、これはこれで衝撃的な光景だったので思わず笑ってしまいました。

1コーナーでのブレーキングミスだとか、トップのマシンがストレートでタイヤバーストだとか、なんだか2018年のレース展開を彷彿とさせるものがありますね。

ただ、タイヤについてはストロールとフェルスタッペンの2人が同じような形でバーストしており、思わずピレリに疑惑の眼差しを向けてしまうワケですが、マリオ・イゾラはデブリや縁石といった外的要因による可能性を疑っているようですね。なぜなら、このコースで一番ストレスの掛かるタイヤは右リヤであり、左ではないからだと。

“I don’t want to give any preliminary conclusions. But it seems that it is a cut due to debris, because as I said, it’s not the most stressed tyre… We had other cars with the same number of laps [on the] same tyres without any issue. So the preliminary investigation is that it is probably due to an external factor, or debris, or kerb or whatever.

via: Pirelli say debris likely cause of Stroll and Verstappen crashes, as they reveal cut found in Hamilton tyre | Formula 1®

また、フェルスタッペンのタイヤをダメにしたのはストロールのクラッシュでばら撒かれたデブリではないかと言うワケですが、じゃあストロールの方の原因はなんなのか、って話にはなりますね。また、ハミルトンの左リヤタイヤにもデブリが原因と思われる傷が見つかったとのコトで、そうなんだとするとレーシングライン上にそれなりの大きさのデブリが転がっていたってコトになりますが……。

一方でハミルトンのコースアウトは、赤旗リスタート直後、ペレスに並びかけたハミルトンが間違ってブレーキバランスを変えるスイッチ(「ブレーキマジック」と呼称されているらしい)をONにしてしまい、それでロックアップしちゃったみたいですね。極めて単純なミスではありますが、なんせあんだけステアリングにゴチャゴチャスイッチが付いてるんだから、なんかの拍子に間違って押してしまうのは避けられない気がします。フェルスタッペンの事故共々「こんなことってあるんだなあ……」という感じですが、それが立て続けに起きてしまうというのがね。これでハミルトンとメルセデスの連続ポイント獲得記録も途切れてしまったワケですが、何年にもわたって積み重ねてきた記録を途切れさせたのが「ボタンの押し間違い」というのもまたレースの面白さなのかもしれません。

しかし、最後に自爆するまではトップ争いに絡み続けたハミルトンよりも、後方で沈みっぱなしだったボタスの方が重症かもしれませんけどね。来年はチームから放出されるのが確定事項であるかのように報じられたりもしてましたけど、このまま終わるワケにもいかんでしょう。

モナコとは違う意味で面白い表彰台メンバー

モナコでは極めて若いメンバーが表彰台に並んだワケですが、今回は上位2人が30代、そして3人ともがチームを追い出されたり降格させられたりしたメンバーというコトで、これはこれで印象深い表彰台でありました。てか、2戦連続で表彰台にメルセデスが居ないって激レアなのでは。

3人ともがレースでは良い仕事してましたけど、中でもベッテルの仕事は印象的でしたねえ。スタートタイヤを上手くマネージメントしてペースを保ちながら周回数を引っ張って角田をオーバーカットしてみせたのはお見事でした。リバースストラテジーでハードスタートだったストロールも、あのバーストが無ければ入賞圏内まで行けそうな雰囲気だったんですけどね。モナコといい今回といい、アストンマーティンはタイヤをもたせながらオーバーカットを狙う戦略が上手くハマっていた感じ。

ベッテルモナコまでは全然調子が上がらない感じだったのに、この2戦であれよあれよと28ポイントも稼いでしまったのはスゴイですね。これをきっかけに、ポイントを重ねていけるか?

もちろん、優勝したペレスもそれに見合う仕事ぶりでした。終始ハミルトンのプレッシャーを受けながら、防波堤の役割を果たしていたのはまさにレッドブル首脳陣が期待していた役割でしょうしね。ペレスが上位に居ると、レッドブルもここまで強くなるんだなーと思い知らされるレースでした。ガスリーは最後のルクレールとのバトルがシビれましたね。

ただ、ペレスは油圧系に問題を抱えていたみたいでチェッカー後すぐにマシンを止める状態でしたし、ガスリーもパワーユニットに問題を抱えていたようで、どうもレッドブル(ホンダ)陣営の信頼性が心配になるレースでもありました。メルセデスに比べると、やっぱりなんかメカニカルトラブルの発生率が高いよねえ……。この辺も、タイトル争いに影響を及ぼしそうな気がしないでもありません。

ホンダ陣営といえば、角田も自己ベストとなる7位フィニッシュで開幕戦以来となるポイントゲット。ただ、赤旗からのリスタートで2つ順位を失ってしまったのが本人にとってはかなり悔しかったみたいですね。ていうかアレはノリスとアロンソが上手でした。特にアロンソは角田の隙をうまく付きましたよねえ。

2021 Azerbaijan Grand Prix: Alonso charges through field to P6 at race restart(動画)

ただ、波乱のレースを乗り切ってポイントを持ち帰ったというのが今は大事でしょう。ここから上手く上昇気流に乗れると良いですね。

悪い癖の治らないマゼピン

F1に昇格してもコース内での悪い振る舞いが治らず、他のドライバーからも度々苦言を呈されている(?)マゼピンですが、今回チェッカー直前にチームメイトに対しても危ない動きをしていたみたいで。

Steiner says Haas duo have ‘cleared the air’ after Schumacher left fuming by last lap Mazepin jink in Baku | Formula 1®

スリップに入ってマゼピンをオーバーテイクしようとしたミックに対して被せるような動きをしてしまい、これに対してミックは手を上げて抗議。ミックは無線で『アイツは俺達を殺す気か?』と言っていたみたいですが、元々あまり仲が良く無さそうな2人の関係が余計に冷え切ってしまいそうな感じですねえ。

マゼピンはポジションを奪われたことに動揺していた、とコメントしてますけど、本人は無意識にああいう動きをしちゃってるのかもしれないですね。ミックの親父さんも時として危ない行動を取るコトありましたけど、それと同じ……といったらミハエルに失礼か?

ともあれこのままだと、いつまでもダーティなイメージが付きまとってしまうので、なんとかするべきとは思いますが……。