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F1[21] トルコGP 予選

本来だったら日本GPが開催されていたはずの週末、レッドブル鈴鹿用のスペシャルカラーをここでお披露目していたりしますが、どうやら情勢的にはメルセデス有利のようで……F1トルコGP予選。

ハミルトンがどこまで追い上げられるのか

予選で1–2のタイムを叩き出したのはメルセデス。アタックラップのペースではレッドブルは精彩を欠き、フェルスタッペンがなんとか三番手に入るという状況。ちょい濡れの状態から徐々に乾いていくという難しいコンディションでもありましたが、メルセデスの速さは頭一つ抜けている印象があります。ただ、トップタイムを叩き出したハミルトンはグリッドペナルティで11番手スタートになるんですよね。なぜなら規定数を超える形でICEを交換してしまったので。

ロシアGPでフェルスタッペンがパワーユニット周りをごっそり入れ替えて、ICE・MGU-H・MGU-K・ターボチャージャー等々のエレメントが規定数を超えていたため最後尾スタートとなったわけですが、今回ハミルトン車が規定数を超えて交換したのはICEのみとのこと。信頼性不安による予防的措置ってことみたいですが、交換したのがICEだけってことは他のエレメントは大丈夫ってコトなんでしょうか。実のところボタスなんかはすでに5基目のICEを投入しているわ、MGU-HやMGU-Kも規定数超えの数入れてしまっているんですけど、ハミルトンについてはタイトル争いに身をおいているコトもあって最後尾転落は避けたいっていうことではあるんでしょう。

しかし、グリッドペナルティを最小限に抑えられたとしてもレース中にトラブルが起きることは絶対に避けたいわけで、メルセデス陣営としてはICE以外のエレメントの信頼性には問題がないと判断している……ってコトだと思いますが、だとしたらボタスのエレメントをじゃかすか交換してるのはなんなんだよ、という気がしないでもありません。このメルセデスのエレメント投入戦略がタイトル争いの鍵になるのかどうか、ちょっと興味深いところではあります。

今週末のハミルトンの好調さを見ると、11番手からであればトップ争いができるポジションまで挽回できるのではないかって気もしますが、鍵になるのはタイヤでしょうか。昨年のヌルヌル路面から一転してハイグリップな路面になり、タイムが大幅に上昇した一方で、ピレリが持ち込んでいるタイヤは昨年より一段柔らかいアロケーションなんですよね。昨年は一番硬いアロケーションを持ち込んだもののあんな路面だったもんだから考えを改めたようなんですが、そしたら今度は路面の状況が全然変わちゃったっていうんだからまあなんというか。

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なのでタイヤを巡る状況としては厳しいコトになるとも考えられ、追い上げるハミルトンとしてはタイヤを守りながらオーバーテイクを重ねる必要があるという、少々難しいミッションとなりそう。フェルスタッペンにしてみればハミルトンが追い上げてくる前に差を広げておきたいところでしょうが、前にボタスがいる上に自分はダーティサイドからのスタートとなるのがネックになりそう。スタートで上手くボタスの前に出られれば最高でしょうが、そううまく行くかどうか。

ホンダ勢皆トップ10スタート

レッドブルは少々不利な状況にも見えますが、ホンダ勢全体としては4台ともがトップ10に食い込むというポジティブな予選となりましたね。ガスリーは5番手タイムと相変わらずの安定感だし、今回は角田が久しぶりのQ3進出。FP3でも8番手タイムを出せてましたし、このサーキットとは相性がいいんでしょうか。ただ、角田はQ2でソフトタイヤでタイムを出しているため、決勝をトップ10内では唯一ソフトでスタートしなきゃいけないっていうのは少々辛いかもしれませんね。チームとしては角田のQ3進出を確実にしたいからソフトで行かせたみたいですけど、ソフトスタートの9番手よりミディアムスタートの11〜13番手くらいのほうが良い気がしないでもありません。

おそらく角田は早い段階でのタイヤ交換を強いられて2ストップ、という流れになるんじゃないかと思いますが、なんとかポイント圏内でフィニッシュしてくれることを期待。ていうか、角田の真後ろからハミルトンがスタートするコトになるので、ソフトを履いている角田としてはハミルトンを序盤に抑え込む役割を期待されているのかもだけど……。

にしても、あのレッドブルの「ありがとう」カラーリングを見ていると、ホンダF1終了までのカウントダウンが始まっているのを実感しますね。まーやっぱりこのカラーリングは鈴鹿で見たかったなあ、というのが偽らざる心情ですが、来年以降もホンダはテクニカルパートナーという形ではレッドブルに関わり続けるとのことなので、来年の鈴鹿では改めてホンダにちなんだサプライズみたいなものがあると良いなあ、なんて思ったりはしています。

そういや、今年もチェッカーフラッグに名前を入れて販売する企画が行われており、私はついつい日本GPの分を注文していたんですけど、中止になっちゃったもんだから返金されるのかな……と思っていたところにメールで連絡がきて「返金か、あるいは今年の残りのレースで枠が余っているところに振り替えるか、来年の日本GPに振り替えるか選んでくれ」っていうもんだから、来年の日本GPまで待ってみようかなと思っております。ていうか来年もチェッカーフラッグに名前入れる企画は続けるんだな……最初2020年だけとかって話じゃなかったっけ?

そのほか

今回の予選で妙に速さを見せているのがルクレール。金曜日のセッションでも絶好調な感じでしたが、予選ではあのコンディションでもダウンフォース少なめのセッティングで挑んでいたようで、それでよく4番手タイムまで持ってこられたな……。Q2ではペナルティで最後尾スタートが決まっているサインツが、ルクレールを引っ張る役目を担ってたりもしてましたね。サインツは自身のパフォーマンスも悪くない上にチームプレーヤーとしても優秀だから、ワールドチャンピオンにはなれないかもしれないけどF1で長く生き残りそうなイメージ。

もうひとり、アロンソもこういう難しいコンディションで光ってましたねえ。ソチでも速かったし、ここ最近すごく乗れている雰囲気。ロングランでのタイヤデグラデーションが未知数だとして決勝に対しては慎重な姿勢を見せていますが、ハミルトンにとってはこのアロンソルクレールをいかにオーバーテイクしていくかっていうのが課題になるのかも。