大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

F1[22] オーストラリアGP 決勝

レッドブルフェラーリで明暗がくっきり。ここまでの差になるとは……という感じでもありました。F1オーストラリアGP決勝。

ルクレールのワンマンショー

予選の段階では、フェラーリレッドブルの差はほぼ互角なのかな、と思っていたんですが、決勝が始まってみるとルクレールのブッチギリでしたね。複数回のセーフティカー出動によってギャップがリセットされたにも関わらず、結果的に2位のペレスに20秒の差をつけ、オマケにファイナルラップにファステストを更新するという余裕まで見せられてしまっては、もう脱帽するしかありません。完勝でした。

レッドブルはフェルスタッペンをマシントラブルで失うという不運はありましたが、フェルスタッペンが仮にノートラブルで走れていたとしても今日のルクレールには到底勝てませんでしたね。それくらいレースペースに違いがあった。にしても、過去2戦よりもフェラーリレッドブルの戦闘力のギャップが広がっちゃいましたねえ……。

それにしても、レッドブルはまたしてもマシントラブルでリタイヤを余儀なくされるというのはちょっと心配ですね。これでフェルスタッペンは開幕から3戦中2戦をリタイヤという形になってしまったわけで、まだ序盤とはいえチャンピオンシップを争う上では大きな痛手となりました。ルクレールは極めて高い安定感を誇っているのでなおさら。さすがにこの状況にフェルスタッペンも苛立ちを隠せない様子。ルクレールと戦うことはおろか、完走すらおぼつかない状況は受け入れられない、というワケです。

“I knew I could not fight Charles and there was no point to try and put pressure on him. But we didn’t even finish the race, so it’s pretty frustrating and unacceptable.”

via: ‘If you want to fight for the title these things can’t happen’ – Verstappen frustrated by ‘unacceptable’ Melbourne retirement | Formula 1®

フェルスタッペンのトラブルの原因は燃料システムという話が出ていますが、開幕戦で発生したトラブルとはまた別のものらしいですね。

フェルスタッペンのリタイアは燃料システムが原因。しかし開幕戦で起きた問題とは完全に別?

さすがに同じ箇所がまた壊れるという事態では無かったようですが、この短期間で違う要因のトラブルが相次ぐというのはそれはそれで大問題。対策をしても、次のレースではまた別の箇所が壊れたでは勝負になりません。

オマケに、今回レースペースでも完敗を喫したというのも頭が痛いところでしょうね。信頼性の回復と、競争力の底上げを同時にやっていかないといけないのだから大変。ルクレールはまだ開幕3戦が終わっただけだとしてチャンピオンシップ争いの展望については慎重な見方をしていますが、これ本当に独走状態になってもおかしくない雰囲気になってまいりました。今回のような勝ち方ができたのはルクレールにとっても大きな自信になったでしょうしね。

‘It was the first race where we could control the gap’ says Leclerc after extending championship lead Down Under | Formula 1®

フェラーリドライバーがグランドスラムポールポジション、優勝、ファステストラップ、全周回リードラップ)を記録したのは2010年のアロンソ以来になるそうで、またドライバーズチャンピオンシップで1レース分の最大ポイント以上のリードを記録したのは2012年のアロンソ以来だそう。そう考えるとやっぱりアロンソってスゴイドライバーだなあと思うんですが、しかし考えてみたらアロンソはとうとうフェラーリでタイトルを獲得できなかったコトを考えると、ルクレールが今年タイトルを穫れるかどうかを考えるのはまだ早すぎるのかもしれません。

メルセデス勢、ちょっと調子上がってきた?

今回も苦戦が予想されたメルセデスですが、レース展開にも助けられてラッセルが3位に入りチームとしても今季初表彰台。ハミルトンは4位フィニッシュという形になり、ドライバーズランキングではラッセルが2位となってハミルトンをリードする格好になっていますね。

ラッセルはセーフティカーのタイミングでタイヤ交換をすることができたのでラッキーな部分もありましたが、しかし全体的なレースペースも素晴らしかったですね。ハミルトンが後ろから迫ってくるシチュエーションでも、ハミルトンと同等のタイムを並べてDRS圏内には寄せ付けずにポジションを守り切りましたし。あれ、ボタスだったら多分やられてたんじゃないかな(失礼)。

ハミルトンはラッセルに先行されたあと、付かず離れずで追走し続けていたものの、PUがオーバーヒート気味になったというコトでペースダウン。ラッセルに先行されたコトで心中穏やかではないのでは……なんて思ったりもしましたが、レース後のコメントではラッセルを称えていたりしますね。そもそも今のクルマではタイトルを争える位置に居ないので、あんまり気にしてないのかもしれませんが。

ハミルトン、無線でのチーム批判を否定「オーバーヒート発生で“君たちのせい”って言ったんだ」

週末を通してのハミルトンのコメントとかを聞いている限りでは、メルセデスのマシン自体はあんまり進化してはいないようですが、走らせていくにつれてドライバーがそれなりなレベルで走らせるコツを掴んできたっていう感じでしょうか。正直、今回の3-4フィニッシュはドライバー力の賜物、という気はしちゃいますね。

予選から好調だったマクラーレンメルセデスの後ろ、5-6位でフィニッシュ。レースペースは悪くないように見えましたが、ハードタイヤでスタートしていたマグヌッセンなんかに蓋をされたりしてなかなかペースを上げられなかったり、ちょっと不運な感じはしました。ただ、失望感が強かった開幕戦以降尻上がりに調子を上げてきているので、これからが楽しみな存在ではありますね。次戦のイモラでどこまでいけるかが気になるところ。

ハードタイヤスタート勢の悲喜こもごも

決勝でハードタイヤを履いてスタートしたドライバーは6人いましたが、レースの前半で2度セーフティカーが入るという展開だったため、あんまり旨味のない作戦になってしまっていた感じですね。タイヤ交換のタイミングをレース後半に持っていく必要があるもんだから、セーフティカーに乗じてピットに飛び込むワケにもいかないし、2度のセーフティカーによって集団があまりバラけずに固まってしまうもんだから自分たちのピットタイミングを測るのも難しいっていう。マグヌッセンとアロンソは結局ピットストップによって大きく順位を失ってポイント獲得はなりませんでしたし。

ただ、ハードスタート勢の中でアルボンはタイヤ交換を引っ張りまくってファイナルラップ直前の57周目でようやくピットイン、結果的に10位入賞。ピットに入る前の順位が7番手で、このとき11番手を走っていた周冠宇との差は約20秒。通常時のピットストップデルタが約19秒という表示だったので、ギリギリのところで入賞を呼び込んだ格好でした。ホントに最後の最後で、ギリギリピットストップ分のギャップを稼ぎ出した感じですね。ていうか、レース終盤で50周以上走っているタイヤなのに、アルボンのペースがかなりよかったんですよねえ。マネジメントの勝利か。

逆に、3周目の最初のセーフティカーランで早々にピットに飛び込んだのがストロール。ここでミディアムに履き替え、そして次の周には再びハードに戻してタイヤ交換義務を完了させるという作戦で、これはこれで面白い……と思ったものの、一度は入賞圏内に上がっておきながら、走行中の蛇行で5秒ペナルティを科され、その後ペースを失って相次いで後続にオーバーテイクされてしまい入賞圏外に。アストンマーチンはやはりマシンの力がなあ……。にしても、アルボンの入賞でウィリアムズに1ポイントが入ったので、これでアストンマーチンが唯一入賞をしていないチームという格好に。ストロールパパの心中やいかに。

ハードスタートで一番悲惨だったのは、スタートで順位を大きく失って、その後なんとかポジションを挽回しようと焦った結果コースアウトしてレースを終えてしまったサインツでしょうか。ルクレールを見てもわかるように、フェラーリの競争力の高さは文句なしだっただけに残念な展開。Q3でタイムを出せずに終わってしまったところから、一気に歯車が狂ってしまった感じですね。チームメイトが絶好調だっただけに、追いつこうとして余計に焦っちゃった感じもします。一回勝てれば、精神的にも落ち着くのかなあ……。

悲惨といえばベッテルも週末を通してなかなか悲惨な感じですが、マシンにまだ全然習熟できていないっていう感じですかね。コロナに感染して開幕から2戦欠場したコトがかなり響いているようにも見えますが、感染中はやや症状も重かったようですし少々心配。