大須は萌えているか?

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F1[22] マイアミGP 決勝

なんかまあ最後までアメリカらしい演出のオンパレードである意味面白かったです。しかし、レコードライン以外のグリップの低さはホントなんとかしたほうが良いですねアレ。F1マイアミGP決勝のお話。

フェルスタッペンがうまくひっくり返しましたが

予選では3番手に甘んじたフェルスタッペンが、決勝ではこれをひっくり返してのトップチェッカー。ファステストラップもマークしたので結果的には完璧なレースになりましたね。金曜日にトラブルでロクに周回をこなせなかったコトを考えると、改めてフェルスタッペンの凄みを感じます。セーフティカー明けからルクレールにプレッシャーを掛けられ続けても、ミスを犯さずレースをまとめ上げましたしね。

フェルスタッペンとルクレールがともにレースの鍵として挙げていたのがミディアムタイヤで、このミディアムを上手く持たせることができたフェルスタッペンと、持たせられなかったルクレールの差がそのまま勝敗につながった感じになりました。ハードタイヤに履き替えて以降はフェルスタッペンとルクレールのペースにほぼ差はありませんでしたしね。

もちろん、コース上でのオーバーテイクが難しいとされていたコースだけに、2台のフェラーリを如何にさばいていくかがフェルスタッペンの課題だったワケですが、まずスタートでサインツオーバーテイクすることができたのも大きかったですね。これによって序盤しっかりルクレールの背後に食いついていくコトができましたし。

あと、レッドブルが直線番長仕様だったのも味方しましたね。後半、ルクレールに追いすがられたときディフェンスにも直線の速さが多少のアドバンテージになったでしょうし。それと、レッドブルのマシンって直線だけでなく低速コーナーも結構速かったんですよね。これがターン16の立ち上がりからのストレートラインスピードを稼ぐ一助になっていたと。ルクレールは低速コーナーでレッドブルより苦しんだとコメントしてますね。

Red Bull are quite quick in a straight; we are quite quick in the medium and high speed – but today I have to say that I was quite surprised that we were struggling quite a bit more than them in the slow speed corners. So, that was also a weakness on the Medium tyres, and we need to look at that.

via: Charles LECLERC : FIA post-race press conference - Miami | Formula 1®

中高速コーナーが得意なフェラーリ、直線と低速コーナーが得意なレッドブル、という感じでマシンのキャラクターが分かれている、という感じでしょうか。タイヤの面では、柔らかめのコンパウンドで一発のタイムを出すのはフェラーリのが優れているけど、それらのタイヤをロングスティントで走らせるとレッドブルの方に分があると。

まあ、あとレッドブルには信頼性の面でフェラーリに大きく劣っているという問題はありますけどね。今回も、金曜日のフェルスタッペンのトラブルに続いて決勝ではペレスのPUセンサーが故障して30馬力ほど失っていたというコトだったので、次から次へとあちこちにトラブルが出ている現状はなんとかしないと。ペレスもトラブルが無ければサインツの前でフィニッシュできていた気がしますしね。

ちょっと不思議に見えるのは、セーフティカーが入ったタイミングでなんでフェラーリルクレールをピットに呼ばなかったのか?という点。タイミングを見てみると、ガスリーとノリスの接触を受けて41周目にVSCが出されて、そしてラップリーダーのフェルスタッペンが42周目に入った直後くらいにSCに切り替わっているんですよね。どのみちフェルスタッペンは身動きが取れないタイミングでしたが、フェルスタッペンの10秒後ろに居たルクレールはピットに飛び込むことができるタイミングでしたし、サインツは20秒以上後方だったのでフリーストップでタイヤを換えるコトができたように見えます。

クリスチャン・ホーナーフェラーリが動かなかったコトに対して「ラッキーだった」とコメントしているようで。

レッドブル代表「フェラーリがステイアウトしてくれて本当にラッキーだった」/F1第5戦決勝 | F1 | autosport web

まあ、ルクレールの後ろにいたサインツは、その7秒後方にペレスが居たので、トラックポジションを失わないためにステイアウトした、というのはまだ理解できるんですが。記者会見でSCの際にタイヤ交換を考えなかったのか?と質問されたサインツは、トラックポジションを失うコトに加えて、自分らのタイヤの選択肢がソフトか新品ハードの二択になり、残り周回数(15周)を考えるとどちらも良い選択肢では無かった、みたいなコメントしてますね。

Our alternative was I use of soft or a new hard which for me, both of them were not good enough for 10/12 laps to go like it was the case.

via: Carlos SAINZ : FIA post-race press conference - Miami | Formula 1®

中古ソフトで走るにはちょっと長い、ただ新品のハードに履き替えるのもちょっと微妙、という感じでしょうか。サインツルクレールのラップタイムを見てみると、ハードに履き替えた直後のラップよりもSC導入前のがタイムが上がってきており、卸したてのハードではむしろアドバンテージにならない、と判断されたっていう感じですかね。ここの路面はラバーグリップによるタイム向上の幅もでかいように見えたので、その影響もあるかとは思いますが。ただ、思いの外ハードタイヤのデグラデーションが少なかったので履き替えるメリットがない、と判断したってコトなんでしょうきっと。

そういう意味では、フェラーリレッドブル同様にミディアムを2セット残していた場合は結果が変わっていたのだろうか……?と想像してしまいますが、そうはいっても後の祭り。ていうか、2回のタイヤ交換がメインになるという予測だったのに、入賞したドライバー見てみると1ストップが主流だったっていう。なんにせよ、フェラーリにしてみればちょっと悔いの残るレースだったんじゃないかと思います。

レコードラインしかグリップしない難しさ

今回のレースは複数回のSCが出てもおかしくないと思っていたので、SCの出動が1回だけだったというのはむしろ意外なくらいだったんですが、接触事故は結構起きてましたね。レコードライン外すとグリップしないという路面ゆえの難しさでしょうか。特にツイてなかったのはガスリーで、アロンソに1コーナーでぶつけられ、そのダメージを抱えて走った結果次の周にノリスと接触してしまい、入賞圏内を走っていたのが水の泡。ぶつけたアロンソも9位でチェッカーを受けたものの、5秒ペナルティを課されてノーポイントで終わるという誰も得しない事故になってしまいました。

11位フィニッシュしたリカルドも5秒ペナルティを食らったので、12位フィニッシュだったストロールが繰り上がり入賞……という意味では、ストロールが唯一漁夫の利を得た格好でしょうか。

入賞圏内を争っていたのに、アロンソ同様1コーナーでベッテルに突っ込んでしまったミックも惜しいことをしましたねえ。インサイドがグリップしないというのがわかっているから、仕掛けるときに思い切っていけない感じがしますね。結果として中途半端にノーズを入れる格好になって接触しちゃうっていう。そういう意味では、ルクレールをパスするときのフェルスタッペンのライン取りは絶妙でした。ミックはどうもポイントを意識しすぎている気がするけど、さて彼の初ポイントはいつになるのか……。

クラッシュはしなかったものの、ボタスもラインをわずかに外してウォールに当たりそうになってしまい、その間にメルセデスに先行されてしまったのは残念でしたね。もっとメルセデスとやり合うシーンが見たかったのですが。

来年に向けてこの路面がどうなるのか気になるところですが、ただ全面的に舗装をやり直すっていうのもさすがに無い気がするしなあ……。あと、セクター2最後の低速シケインもドライバーからは不評だったみたいですけど、これもなんらか手が入るのかどうなのか。ただ、ルクレールはこのシケインを気に入っているみたいですね(自分はこのシケインを気に入っている唯一のドライバーだと思う、とコメントしてますが)。

CL: I think I’m the only driver on the grid that actually liked this chicane.

MV: And you liked the kerb?

CL: Yeah, I enjoyed it. But on the other hand, I agree that for racing action, I think we can do something better because following wasn’t easy on that part, also for visibility it’s quite difficult once you have a car in front because you need to be so precise on the kerbs, as mentioned already. That it makes it even more difficult to follow. But apart from that I actually quite enjoyed it.

via: FIA post-race press conference - Miami | Formula 1®

このへん、来年に向けてなんらかの対策が取られるのか、ちょっと気になるところ。あ、あとターン14の外側のウォールにテックプロを設置してくれ問題もありますね。