夏休み明けの三連戦もこれで最後……ですが、気がつけばもう鈴鹿まであと1ヶ月ですね。フェルスタッペンのタイトルがどこで決まるのか、はてさて……というワケで今回はF1イタリアGP予選のお話。
- 予選結果: FORMULA 1 PIRELLI GRAN PREMIO D’ITALIA 2022 - QUALIFYING
- 予選ダイジェスト: 2022 Italian Grand Prix qualifying report and highlights: Leclerc takes pole position for the 2022 Italian Grand Prix with Russell to join him on the front row | Formula 1®
- 予選後各チームコメント: What the teams said – Qualifying at the 2022 Italian Grand Prix | Formula 1®
ペナルティパラダイス
今回はパワーユニット等の交換でグリッドダウンペナルティが相次いでおり、合計で9人がペナルティを受ける形になるようです。全体のほぼ半分のドライバーじゃないか。
9人の降格ペナルティで大変動の暫定グリッドが発表。フェルスタッペンは7番手、角田は最後尾/F1第16戦 | F1 | autosport web
正直、グリッドダウンペナルティがここまで乱発される状態だと、予選への興味がかなり削がれてしまうというのはありますね。特にシーズン後半になってくると、比較的オーバーテイクがしやすいと見なされるサーキットでは戦略的に規定数を超えるパワーユニット交換を行うのが常態化しているため、特定のレースでこうしたペナルティが集中しがち。なんかこれって、現在の規定ではどうしたってシーズン最後まで乗り切れない状態になっている、とも言えるワケで、こうしてペナルティ祭りになるくらいだったらもう少し規定数を緩めるなりしたほうが良いのでは……?という気もしてしまいます。
やっぱり、観ている側としては予選というのは決勝のスタート順を決める場なのであって、予選順位はこうだったけど明日のスタート順は全然違います、というのはなんか白けるんですよね。これにより思わぬドライバーが上位スタートを決めるという面白さもあるにはありますけど、それはチーム間の実力が拮抗している場合に言えることであって、今年みたいに上位チームが抜きん出て速い状態だと、結局すぐにオーバーテイクされておしまいですし。
今回の予選でいうと、暫定グリッドで確認する限りメルセデスのラッセルがフロントロウスタート、そして二列目にはマクラーレンの2台が並び、トップ10圏内にはウイリアムズの2台も居て、アルボンの代役としてステアリングを握ることになったニック・デ・フリーズがF1初出場にも関わらず8番手スタートという面白い並び順になってはいます。
ルクレールはティフォシの前で勝てるのか
特別カラーリングとレーシングスーツで地元モンツァのレースに臨んでいるフェラーリですが、2台ともマシン自体は好調に見えます。ただ、フェルスタッペンのがもっと好調に見えたので予選トップタイムはフェルスタッペンかな……と思っていたんですが、ルクレールが気合のアタックでトップタイムをもぎ取ってみせたのは正直びっくり。サインツも3番手タイムを叩き出して調子は悪くなさそうでしたが、彼はグリッドダウンペナルティによって暫定18番手スタートとなっているので優勝を争うのはさすがに厳しい。
ペナルティ無しでそのままポールスタートとなるルクレールにしてみれば、フェラーリの地元で勝利する絶好のチャンスといえますが、それを妨害する要素があるとすればフェルスタッペンの追い上げというコトになるんでしょう。メルセデスやマクラーレンは直接のライバルにはなり得ないでしょうから、ルクレールとしてはホントに後ろから来るフェルスタッペンのペースを見ながらのレースということになります。
ルクレールは決勝のレースペースにも自信がありそうな感じですが、それはフェルスタッペンも同じ。フリー走行で見ている感じでは、フェルスタッペンのロングランはかなり速そうな雰囲気でしたし、予選もロングラン向けにダウンフォースつけ気味のセッティングにしていたというコトなので、7番手スタートからどこまで追い上げてくるのか、という点が今回の最大の焦点になりますね。フェルスタッペン自身は、勝てるチャンスありと踏んでいるようで。
フェラーリにとってはタイヤマネジメントが一番気になるところじゃないんですかね。どうも今のフェラーリはタイヤの劣化がレッドブルより早いように見受けられるので、スティントの後半になっても上手くペースを維持してフェルスタッペンとのギャップを維持できるのか。
今回のタイヤ戦略は1ストップが基本、ソフトスタートが主流でミディアムもしくはハードに乗り換える、というシンプルな形になりそうというコトで、タイヤ戦略で大きな差がつくコトはおそらくないでしょう。特に最初のスティントで、フェルスタッペンがどこまで順位を上げてくるかが気になるところですね。まあフェルスタッペンも無理をする必要がないというのは良くわかっているでしょうから、あまり強引なオーバーテイクを仕掛けたりはしないでしょうけど。
あと、フェラーリの場合はいきなり自滅したりする場合もあるから、それも要注意かな……。
そのほか
お互いトラブルが無ければ、トップ2はルクレールとフェルスタッペンで決まりだとは思うんですが、3位が誰になるのかってなかなか興味深いところです。スタート位置的な意味で考えるとラッセルなのかなって気がするんですが、ペレスやサインツはどこまで追い上げてこられるのかっていうのもありますしね。ペレスは13番手スタートなので、スタートダッシュが上手く決まればそこそこの位置まで追い上げてこられるのかもしれない。サインツは18番手なのでさすがにどうなんだ、って気もしますが、これでもし表彰台圏内まで来れたらちょっとしたヒーローですね。
19番手スタートとなっているハミルトンは……まあ予選タイム的にはラッセルの前だったんですけど、さすがに今のメルセデスだと表彰台圏内まで追い上げるのは厳しいでしょうね。よほどの波乱があれば別だけど。
ペナルティがいろいろ重なっててよくわからない状態になっている角田は当然最後尾スタートなワケですが、マシンの仕上がり自体は良さそうですよね。ガスリーはQ3進出して、スタート位置はなんと5番手ですし。角田も後方からの追い上げを期待したいところですが、はたして入賞圏内まで上げてこられるのかどうか。
ハミルトンなんかがコメントしてますけど、レッドブルやフェラーリくらいの速さが無いと、中団のDRSトレインに捕まってそのままレースが終わっちゃう可能性もあるんですよね。決勝で順位を上げていくには、ストレートスピードが伸びて、かつコーナーでも前にクルマに食らいついていけるマシンである必要がありそうですが……。
しかし、昨年はリカルド、2020年はガスリーと、思わぬドライバーが優勝する展開が続いているモンツァだけに、今年もなにか予想外の出来事が起きるのでは……と期待したりもしてしまいます。
あ、そういやレッドブルとポルシェが組む話は破談になったようですが、そうなるとホンダが黒子のようにレッドブルをサポートし続ける可能性もあるんですかね……?クリスチャン・ホーナーは自分たちだけでもPUを作り上げることができる体制は整っていると主張しているみたいですが、額面通りに受け取るにはちょっと怪しいかな……。