大須は萌えているか?

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F1[22] メキシコGP 決勝

メルセデス、かなりパフォーマンスを上げてきていて面白い存在にはなっているんだけど、しかしマックスの壁は厚い……という感じだった、F1メキシコGP決勝のお話。

タイヤ戦略が鍵だった

高地にあるサーキットだけに空気抵抗の影響が少なく、それ即ちDRSの恩恵もあまり大きくないというコトもあって、タイヤ戦略の重要性がよりクローズアップされた展開だったようにも思います。ていうか、ピレリのタイヤ戦略予測だと、ソフト→ミディアム→ミディアムの2ストップが最速、あるいはミディアム→ハードの1ストップという見立てだったワケで、メルセデスはこれと同じような判断をしてミディアム→ハードという作戦を採用したワケですよね。

しかしレッドブルは、スタート前からソフト→ミディアムの1ストップ作戦を考えていたんですね。

レッドブル&HRC密着:フェルスタッペンのマネージメント能力を信頼しソフトを選択。代表はメルセデスの戦略に驚き | F1 | autosport web

もちろん、実際に走ってみて思いの外ミディアムが持たないようなら2ストップにする、というオプションは考えていたんでしょうけども。ただ、ピレリの予測よりもタイヤをもたせられる、という感触は最初から掴んでいたコトになります。もちろんそれはドライバーのマネージメント能力を信用してのコトだったとも言えますが、メルセデスだってドライバーの腕前は折り紙つきですしねえ。せめて2台の間で作戦を分けるとか考えれば良かったのでは……と思うんですが、まあそれは後知恵ということになってしまうでしょうか。ただ、ハミルトンも「1台はソフトスタートをさせるべきだった」みたいなコメントしてますね。

ハミルトンは最初のスティントでミディアムの状態は良いと無線で伝えていたのだから、それならミディアムで引っ張ってソフトに繋げば良かったのでは……とも思いますが、メルセデスとしてはミディアム→ソフトの1ストップでレースを乗り切れるとはその段階でも信じていなかったのでしょう。あと、そこで判断を遅らせてミディアムを引っ張った場合、先にピットに入っていたペレスに対してポジションを失うコトも警戒していたんでしょうね。

今回もQ2がピレリのタイヤテストに使われていたコトを考えると、限られた時間でロングランのタイヤを評価するプロセスにおいてレッドブルメルセデスの差が出てしまったのかな、という感じはしますね。

……とはいえ、じゃあメルセデスがハードタイヤを避けるタイヤチョイスをしていればフェルスタッペンに勝てていたかというと、それもちょっと怪しくはありますが。フェルスタッペンはまだ余裕ありそうでしたしね。ただ、シーズン終盤にきてメルセデスがかなり立て直しつつあるのは間違いなさそうですし、「どこを改善すれば良いのかはわかっている」というハミルトンのコメントは、来シーズンに対して期待をもたせてくれるものではあります。来季はまたレッドブルとガチンコ勝負できると良いですねえ。

‘We know where we need to improve’ says Hamilton after P2 in Mexico | Formula 1®

まったく目立てなかったフェラーリ

メルセデスが明るい兆しを見せてきた一方で、フェラーリは本当に泣かず飛ばすというか、ホントに存在が目立ちませんでしたね。しかも、フェラーリは2台ともレッドブルと同じようなタイヤ戦略を採っていたのに。ていうか、単純にペース遅かったですね。両ドライバーともコメント少なめで何が問題だったのかあまりうかがい知ることはできないんですが、とにかく週末を通して競争力が無かった感じ。シーズンが終わりに近づくにつれどんどん目立たなくなっている気がしますが、来年は大丈夫なんでしょうか。レッドブルフェラーリメルセデスがそれなりに拮抗してくれると、見ている方としても大変面白くなるのですが。このサーキットの特殊要因なら良いんですが。

フェラーリPU勢の中では今回期待値が高かったアルファロメオのボタスは、予選のパフォーマンスに比べると苦戦してなんとか10位フィニッシュでポイントゲット。彼もタイヤ戦略としてはミディアム→ハードと繋いでおり、このハードのパフォーマンスで大いに苦しんだみたいですね。周冠宇はスタートタイヤのミディアムを45周目まで引っ張ってソフトに繋いでいるんですが、こちらは13位フィニッシュでポイントならず。面白いのは周とほぼ同じ作戦だったマクラーレンのリカルドはソフトにスイッチしたあと無双状態のような速さを見せたんですが、周のほうはなかなか順位を上げていくことができなかったというところ。予選グリッドではリカルドと周は隣同士だったんですが、レースペース自体アルファロメオはそこまで良くなかった感じでしょうか。

そのほか

その無双状態を見せたリカルド、角田との接触についてはちょっと恨めしい。なんであんな中途半端にノーズ突っ込んで接触するかなあ……。

Ricciardo explains move on Tsunoda and feels penalty was ‘more than enough’ | Formula 1®

あそこで突っ込むつもりはなかった、というリカルドですが、タイヤが良いからさっさと抜き去ってしまいたいけど、ラインがタイトだからどうしよう……とか思っている間にクラッシュしてしまった感じもします。リカルドらしからぬ接触だったようにも見えますが、展開的にはあのクラッシュが無ければ角田にも入賞のチャンスがありそうだったコトを考えるとホントに残念ですね。

アルファタウリにしてみたら、残るガスリーもあと一歩のところで入賞を逃してしまったので、かなり残念なレースになってしまいました。コンストラクターズポイントではマクラーレンとアルピーヌ、アルファロメオアストンマーチンが変わらず競り合っておりますが、アルファタウリも1ポイント差でハースの後ろにいるという状態なので、せめてなんとかハースの上に行きたいよねえ、という感じ。

アルピーヌはアメリカGPでのアロンソのペナルティが結局無かったコトになり、ポイント的には助かった感じでしょうけど、今回アロンソのマシンにまたトラブルが発生してポイントを失う結果に。もう少し信頼性が高いマシンだったなら、マクラーレンに対してもっと余裕をもってリードできていただろうに……。