大須は萌えているか?

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鈴鹿でスーパーフォーミュラを観てきた話(2022年版)

先週の話になりますが、スーパーフォーミュラを観戦しに鈴鹿サーキットに行ってました。F1日本GPに続いて10月中に2回目の鈴鹿サーキットでのレース観戦となりますが、しかし純粋にレースの観戦体験として考えると、スーパーフォーミュラってF1よりも良いんじゃないかっていう気がしたりもします。なんせ、F1と比べると(幸か不幸か)めっちゃ空いてます。

F1だと雨が降っている金曜日でも相当な混み方してましたけど、いいお天気の土曜日でこの余裕。それでいて、GPスクエアはまだ一部「F1仕様」のまま残されており、そこはかとなくF1気分にも浸れます。

それにチケットも安いです。私は今回、観戦券に加えてQ2スタンドの指定席券、それに日曜日のピットウォークパスも買いましたが、送料入れても7,370円。指定席とピットウォーク入れても、F1の最も安い西エリアチケットすら下回るリーズナブルさ。なお、スーパーフォーミュラの場合グランドスタンドとQ2スタンド以外は自由席(ラウンジ席とかGRAN VIEWとかR-BOXとかは別)になっているので、指定席取らなくてもあんまり困ることはありません。

オマケに今年のこのスーパーフォーミュラ最終戦となるJAFGPはダブルヘッダーレースとなっており、土曜と日曜それぞれで予選・決勝が行なわれるという有様なので、このコスパの良さは尋常ではありません。しかし、それでも同じ国内レースであるスーパーGTと比較してもお客さんが少ないというのはどうしたことか。……いやまあ私もスーパーフォーミュラってこうして現地観戦するとき以外はあんまり情報追いかけていないワケですが。

あと問題があるとすれば、土日とも朝から予選が開催されるので、2日とも早起きしてサーキットに行く必要があるくらいでしょうか。まあ予選をスルーしちゃえばもっのんびり行けるんですが、一度チケットを買ってしまうと見られるセッションは見ておきたくなるっていう……。

土曜日

そんなワケで、土曜日の朝はまずウォーキングがてらスプーンへ。すごい、数えるほどしか人が居ない。

ダブルヘッダーのレースだと金曜日に専有走行の時間が設けられてはいますが、土曜日は朝からいきなり予選本番なので、ドライバーもチームも大変だろなあと思うんですが、そこはやはり皆さすがの集中力。

スプーンって一個目の進入の奥のところにある金網に、カメラ用の穴が開けられていたりするんですよね。スーパーGTなんかだといつもカメラマンが密集しているので避けていたんですが、今回は空いていたので試しにそこからも撮ってみました……が、朝だとここド逆光ですね。

スプーンに飛び込んでくるクルマを低い目線で正面から撮れるので面白くはあるのですが、時間帯を考えないと辛いな……あとここからだと、APS-Cの400mm(換算640mm)でもちょっと物足りない感じがしました。500mmのレンズ欲しいな……。

予選の結果はタイトルに王手をかけていた無限の野尻がポールポジション、フロントロウにTOM’Sの宮田莉朋が並ぶ形に。数字上タイトルの可能性を残していたIMPULの平川亮は11番手、KONDOのサッシャ・フェネストラズはなんと17番手に沈んだというコトで、まあ決勝でタイトルが決まるのはほぼ確実だな……という情勢。もともと平川とフェネストラズが逆転タイトルを手にするにはかなり厳しい条件ではあったワケですが、それにしてもなあ……という感じではありました。

スプーンで予選を見た後は、シケインスタンドまで戻ってちょっと早めの昼飯を食べつつサポートレース見物。F1だと食料の確保も難儀する有様でしたが、スーパーフォーミュラなら余裕綽々です。サポートレースの合間にはスーパーフォーミュラの次世代開発車両のデモランなんかもやっていましたが、ぱっと見現行のシャシーをベースにエアロには手が入っている様子が見受けられ、エンジン音もちょっとカッコよくなってるなあ、という印象。ただ、スーパーフォーミュラの場合シャシーワンメイクであるがゆえの地味さはどうしてもあるので、デザイン的にはフォーミュラEを超えるくらい近未来的な尖ったデザインを目指したほうが注目度は上がるんじゃないかとも思います。

そのあと行なわれたTCRJ Saturdayシリーズの決勝レースでは、女性ドライバーの猪爪杏奈がぶっちぎりの優勝。かなり強い勝ち方だったりしたのでビックリ。

スーパーフォーミュラの決勝は、2コーナースタンドから観戦するコトに。結果的に鈴鹿サーキットの西から東まで歩き通している感じになっていますが、しかもカメラバッグ担ぎながらなのでまあまあ疲れます。

予選でポールポジションを獲ったのは野尻、スタートもうまく決めてトップを堅持。

野尻が逃げ切る展開になるのかと思いきや、同じ無限の笹原が追い上げていきトップ交代、そのまま無限が1–2体制でチェッカー。これにて日曜日の最終レースを残した状態で野尻のドライバーズタイトルと無限のチームタイトルが確定とのことで、まだ日曜日が残っているもののめっちゃ「シーズン終わった」感がありましたね。

シャシーワンメイク、エンジンも2メーカーのみという形であることを考えると、マシンの差っていうのはそこまで大きくないハズ……とは思うものの、こうして無限の強さを見せられると歴然としたチーム力の差みたいなものを感じたりもしますね。

日曜日

日曜日も朝からサーキットに行ったんですが、この日はまずヘアピンに行ってみました。目指すはヘアピン常設席の最前列エリア、F1のときにはカメラマンエリアの「ヘアピンプラス」として1日限定50枚ずつだけ販売されているところですね。ここ、国内レースでも人気がある場所なので今まで行ったコト無かったんですが、スーパーフォーミュラのときならイケるかなと思った次第。

私がヘアピンに到着したのはちょうど86/BRZワンメイクレースがスタートする直前くらいだったんですが、その時点でもボチボチ人は居ましたね。スーパーフォーミュラの予選が始まるころにはほぼ人で埋まってしまったので、やはり人気ある場所なんですねえここ。確かにここ、コースまでの距離が極めて近く、マシンに近い目線で写真を撮れるので人気があるのも頷けます。

で、86のレース見てたらいきなり目の前で一台がヘアピンを立ち上がったところで芝生にはみ出てしまい、そのままスピン状態となりタイヤバリアにクラッシュ。

フロント部分を結構派手にやってしまっていたので、これ修理費用がかさみそう。こういう市販車のワンメイクレースなら、頑張ってお金貯めれば参加できるかも……と思ったりもしますが、こういうクラッシュとかしたときのコトを考えるとやっぱり相応の出費を覚悟しないと参加できないよなあ。

しかしやはりスーパーフォーミュラに参戦している国内トップレベルの選手達は、ヘアピンの立ち上がりで回ってしまうようなミスはしない……いやなんかレッドブルカラーのマシンが回っている……。

レッドブルカラーのマシンはTEAM GOHの佐藤蓮。土曜日のレースでは怒涛の追い上げを見せて表彰台に登っていましたが、早朝一発目の走行でタイヤが冷えていましたかね。

そういや、TEAM GOHとレッドブルの提携は今季限りでおしまいというコトみたいですが、来年別のチームでレッドブルカラーのマシンが登場したりはするんですかね?……ていうか、元ホンダの山本さんがTEAM GOHのカントクに就任していたかと思うんですが、そのへん含めて来年の体制はどうなるんでしょうか。

TEAM GOH、レッドブル・ジュニアプログラムとしての活動終了を発表。「来季以降の活動は白紙」も継続を目指す | スーパーフォーミュラ | autosport web

日曜日の予選でポールを獲ったのはまたしても野尻。この場所からだと、ドライバーが手を降っている様子も間近に撮れますね。

フロントロウに並んだのは、これまた2戦連続で宮田。スーパーフォーミュラ2年目でこれだけの速さを見せているのは面白い存在ですね。オマケに、本人はF1を目指すことも公言しているようで、どこまで行けるのかちょっと楽しみでもあります。今F1目指すならヨーロッパ行ったほうが良い気はしますけども。

にしても、野尻ってこれで10戦中6回ポールポジションを獲得しているんですねえ。スーパーフォーミュラでこのポール獲得率ってちょっと異常なくらいのレベルじゃないかって気がしますが、歴代最高ってどんなもんなんでしょうか。それにスーパーフォーミュラの場合予選トップ3にもポイントが与えられるので、これだけポールを穫れるっていうのはそれだけでチャンピオンシップの大きなアドバンテージになりますよね。この最終戦より前の段階では優勝こそ1回しかないものの、土曜日のレースでタイトルを決めてしまうコトができたのは予選でポイントを荒稼ぎできたのと、決勝レースでも大崩れすることなく確実に上位でポイントを積み上げたのが大きかったのでしょう。レースの中継は全然見てないから想像だけど。

予選のあとはまたシケインスタンドで昼飯を食べて、その後はピットウォークの行列に並びに行きました。チケットを買っていたので。コロナ禍以降、ピットでチームのグッズが配布されたりドライバーのサイン会が行なわれるコトが無くなっていたんですが、今回はそれが解禁されたというコトで、ピットウォーク開始30分前に並びにいったものの、すでにかなりの大行列となっておりました。先頭にいた人たちは、どれくらい前から並んでいたんだろうか。

ピットウォーク中に行なわれる各チームのサイン会は、早いもの勝ちで一定人数に達すると締め切ってしまうので、どうしてもサインが欲しい場合はかなり早めに並んでおくしか無いワケです。個人的にはそこまでしてドライバーのサイン欲しいっていうのも無いのですが、しかし各ガレージ前にサイン待ちの行列が形成されて人でごった返すので、ピット内の写真を撮るのがなかなか大変。

あと、8月にスーパーGTのピットウォークに参加した際は、ホームストレートを開放してレースクイーンの皆さんはそちらに居たので、ガレージを見たい人とレースクイーンに会いたい人の動線がきれいに分かれていてこりゃ良いアイディアだな、と感心したんですが、今回はレースクイーンもガレージの方に居たので余計に混雑しておりました。まあホームストレートはデモ走行に使われていたので、仕方ないっちゃ仕方ないんですが……。

しかし、今後まだコロナとは長い付き合いになりそうなコトを考えると、ピットウォークの混雑緩和というのもちょっと考えたほうが良いのでは……という気がしないでもありません。まあ屋外だし、そこまで感染リスクがあるとも思いませんけど。

ピットロード出口には、デモランを行っていた開発車両(ホンダエンジンを搭載した通称「白寅」)が展示されていました。

エアロ、燃料、排気音、ボディワークの素材などトライしている項目は多岐にわたるようですが、観客目線からわかりやすいポイントはエキゾーストとエアロってコトになるでしょうか。ただ、そこまで目を引くかっていうとそうでもないような。SDGsの取り組みはもちろん進めていくべきなんでしょうけど、ファンへの訴求力になるかっていうと疑問。

ピットウォークのあとはS字のほうへ向かい、これまた自分の中では定番の観戦スポットとなっているD5スタンドからTCRJを見物。土曜日にぶっちぎりの優勝を飾った猪爪杏奈が今日もやってくれるのか、と思ったらなんか目の前で(別の意味で)やってしまった……。

S字の進入で一度前に出た猪爪(カーナンバー98)に対し、争っていた塩谷(カーナンバー62)が次の右コーナーでインを差し返そうとしたところ、猪爪がドアを閉じようとして接触……という流れに見えました。これは猪爪の動きが楽観的だったんじゃないかなあ。これにより猪爪はコースアウトして順位を落とす格好になりましたが、そしたら次の周に今度は猪爪の近くを走っていたMOTOTINO(カーナンバー55)が膨らんでコースアウト、

そのまま猪爪に衝突してコース外に押し出してしまうという……。

立て続けに目の前でこんなドタバタが繰り広げられたので、ある意味スーパーフォーミュラのレースよりも印象に残っていたりして……。ただ、さすがにこれは猪爪が気の毒でしたね。

スーパーフォーミュラの決勝レースもそのままD5スタンドでスタートからしばらく見ていたんですが、こちらもスタート直後に福住仁嶺が1コーナーでコースアウト、クラッシュするという波乱。

開始早々にセーフティカーが入る展開になりましたが、リスタート後はタイトル争いの重圧から開放された野尻が溜まっていたものを吐き出すかのような快走ぶり。2度目のセーフティカーが入ったあたりで、逆バンクのほうへ移動してみましたが、激しくやりあっている中段勢に対してトップ集団は平和な感じでした。

結局レースは野尻がそのまま優勝、ほんとにめちゃくちゃ強い勝ち方でしたね。土曜日に優勝した笹原はなんやかんやあって下位に沈んでいましたが、野尻は土曜が2位、そして日曜が優勝。この安定感ですよねえ、タイトルに必要なのは。ガッツポーズしながらウイニングランをする野尻を見ると、本当に会心のレースだったんだなっていうのが伝わってきますね。

F1、それにスーパーGTと比べても地味な印象が拭えないスーパーフォーミュラですが、観戦に来てみると結構楽しめたりします。なによりあまり混んでないのが快適で良い(主催者にしてみれば嬉しくないでしょうけども)。ただ、やっぱり今のスーパーフォーミュラは海外勢がほとんど居ないのが寂しい感じはしますよね。シャシーワンメイクで差別化できない以上、やはりドライバーのラインナップをいかに充実させるかっていうのは重要でしょう。

スーパーフォーミュラがとてもレベルの高いレースだというのは理解できるものの、海外との比較でそれを証明し続ける必要はあると思うんですよね。そのためには、海外で実績のあるドライバーの参戦、あるいは逆にスーパーフォーミュラで活躍したドライバーが海外でも活躍する、といった海外レースとのパイプをいかに太くしていくがっていうのは大事なのではないかと思います。コロナ前はピエール・ガスリーもそうですし、フェリックス・ローゼンクヴィストやアレックス・パロウといったドライバーがスーパーフォーミュラで活躍後インディに参戦して優れた成績を残していたりするのはいい流れ……だったんですが、この流れが断ち切られてしまったのは痛い。来年以降はどうなのかなあ……。

カメラの話

今回のレースで、試しに電子シャッターをメインで使ってみました。理由として、まず単純にメカシャッターの倍の速度で連射ができる(秒間30コマ)ので「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」戦法が使いやすくなるということ、それに私が使っているEOS R7ってメカシャッターのシャッターショックで「微ブレ」が生じる、という指摘をあちこちで見かけるので、試しに電子シャッターだとどうなるのかな、というのを試してみた次第。

結果、たしかに電子シャッターとメカシャッターをそれぞれ使ってみると、メカシャッターのシャッターショックって結構気になるなと。今までメカシャッターばっか使っていたのでこんなもんか、と思っていたんですが、電子シャッターを使ってみるとなんか明らかにこっちのが使いやすい。これってどうなんですかね、RF100–400っていうとても軽い望遠レンズを使っている影響もあったりするんでしょうか。三脚座が付いているもうちょっと重いレンズだと、シャッターショックのインパクトも軽減するのか?っていうのがちょっと気になっています。RF100–500を試してみたくなる……うむむ。

ただ、電子シャッターの場合高速で移動するものを撮影するとローリングシャッター歪みが発生してしまうワケですが、レーシングカーを流し撮りする状態だと、カメラを振る動きとマシンの速さが上手く合えば、マシンそのものは歪まないワケですね。代わりに(?)背景が歪む。以下の写真では、マシンそのものは特に歪んでいるように見えませんが、画面上部の駐車場にあるクルマとかが歪んでますね。

以下はヘアピン立ち上がりでスロー走行しているマシンを撮影したものですが、背景のスポンジバリアを見ると笑っちゃうほど歪んでいます。

まあ趣味の写真ですし、これはこれで……と割り切ってしまうのもアリですが、まあ背景の写し方次第で電子シャッターとメカシャッターを使い分けるのが吉ですかねえ。背景に芝生や縁石しか無いような場所なら気にならないし。スプーンとか。

 電子シャッターにしたほうがヒット率は上がっているので、できれば電子シャッターメインにしたいなあという気もしてきました。あと、そういえば電子先幕ってのも試したコトがないので、これも試してみたほうが良いのかもしれないけど。電子先幕の場合、連射速度はメカシャッターの変わらないですが、シャッターショックが軽減されるようなら試してみる価値はあるかもしれない。

R7でフォーミュラカーを撮ると、ドライバーのヘルメットをバシッと検知してくれて「コイツすげえ」と思ったりもするんですけど、しかしちゃんと使いこなすにはなんかいろいろコツが必要そうな……あとは自分自身の腕前を向上させねば……(永遠の課題ですが)。

それにしても、ジュリアーノはコーナーでの首の傾け方がお父さんを彷彿とさせますね(そういや後藤久美子もグリッドに姿を見せてましたね)。