昨日はラリージャパンの見物に行っておりまして、夜家に帰ってからスプリント予選の感想を書こうかなと思っていたんですが、疲れが溜まっておりまんまと寝落ちしました。そんなワケで決勝だけになりますが、F1サンパウロGPのお話。
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ついにメルセデスが勝った
シーズン前半は鳴かず飛ばずだったメルセデスがついに、というかやっと、というか、今季初勝利。しかも1−2フィニッシュのオマケ付き。そして勝ったのはハミルトンではなくラッセルで、スプリント予選でもトップ、決勝でファステストラップもマークするというフルポイント獲得。完勝でしたねえ。後半戦次第に調子を上げてきて、これはどこかで勝てるか……?という期待はあったものの、ここまで強い勝ち方をするとは思いませんでした。まーフェルスタッペンがハミルトンとの接触により後方にさがったりしたのもあるんでしょうけど、ただもしフェルスタッペンと真っ向勝負する展開になっていたとしても勝てていたんじゃないか、という気はしますね。
レース終盤にはハミルトンがラッセルにじわじわ接近していく感じでもあったので、ハミルトンがラッセルに仕掛けるような展開になるのか……?と思ったりもしましたが、ラッセルはハミルトンをDRS圏内までは寄せ付けませんでしたね。ハミルトンも何が何でも勝ちに行く、というよりは、ラッセルに華を持たせるかのような雰囲気がありました。チームメイト同士で不穏なムードが漂いまくっているアルピーヌやレッドブルとは対象的でしたね。まあハミルトンもシチュエーション次第ではチームメイト相手でもガチで追い込みかけるでしょうけども。あと、メルセデスはハミルトンがスケベ心を出さないようにピットの順序を調整していたのではないか、という記事がありちょっと面白いですね。
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メルセデスは確かにタイヤのデグラデーションに関してはよそのチームよりも優れてましたよね。フェラーリは仕方ないにしても(?)、レッドブルもタイヤにはちょっと苦戦している状況だったのに。今回のコンディションがメルセデスにマッチしていたというのもあるのかもしれませんが、これ最終戦アブダビではどれくらいのレースペースが発揮できるのかというのも気になるポイントです。実のところ、チーム側もなんでここまでパフォーマンスが良かったのか完全には理解できていないようですが。
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しかしまあ、ポーパシング問題に対処できてからのメルセデスのパフォーマンス向上ぶりは本当に見事なものなので、来年は開幕から再び優勝争いに加わってくれると期待できそうですし、そうなればレッドブルとメルセデスでタイトル争いを展開する流れが帰ってきてくれるのではないかな、と期待しております。フェラーリがどうなるかはわかりませんが。まあ、できればフェラーリも競争に加わってもらったほうが盛り上がるのは間違いないんですが、しかし今年も開幕時点であれだけ速いクルマを持っていたのにこの有様だからなあ……。
チームオーダーを巡るごたごた
今回のレースはチームとドライバー間で順位入れ替えに関するやりとりでの揉め事が多かったのも特徴的でしたが、中でもフェルスタッペンがペレスに対してポジションを譲ることを拒否したシーンはちょっとびっくりしましたね。タイトルを確定させており、しかも特に勝利が見えているシチュエーションでも無かったのに譲らないっていうのは。
チームオーダーに背きペレスへの協力を拒んだフェルスタッペン「理由は過去に起きたことと関係」レッドブル/F1第21戦 | F1 | autosport web
フェルスタッペンにしてみると、チームオーダーを拒んだのには明確な理由があり、それはチームに対しても伝えてあるというコトなんですが、それがなんなのかはちょっと気になるところです。しかしそれがなんであれ、今まで散々サポートしてくれたペレスに対してやることか?とは思っちゃいますね。少しでも上の順位を目指すのがレーサーの気質だとは思いますが、この状況でそこまでチームオーダーを拒むというのはちょっと理解できませんでした。最終戦では必要があれば協力するとフェルスタッペンは言っているようですが、さてどうなるか……。
そのペレスとランキング2位を争っているルクレールは、ドライバーの方からチームにポジション入れ替えを申し入れるもチーム側がNoを突きつけた格好。ただ、こっちのほうがまだ状況的には理解できるものでした。サインツとルクレールの間隔が中途半端に離れており、ルクレールの後ろには近いところにアロンソらが居たので、ちょっと間違えると余計にポジションを失ってしまうリスクがありましたし。あと、サインツに対してタイムペナルティが出る可能性があったことを考慮していたみたいですね。
ルクレールがサインツとの順位入れ替えを懇願も、フェラーリは応じず「ふたつの点でリスクがあった」と代表/F1第21戦 | F1 | autosport web
あとはアルピーヌのオコンですが、なんかもうチームを出ていくアロンソにどんだけ嫌われても別にいいやろ、と言わんばかりの態度ですね彼。スプリントでも同士討ちを演じていた上でのアレですしね。ていうか本当にガスリーと上手くやれるんでしょうか。アロンソもチームとチームメイトに対する失望を隠そうとしていませんし、なんだかなあという感じ。結果的にアロンソがオコンを上手く交わして前に出たので結果オーライですが、もしまたなにかあったらエライことになってましたね。
そのほか
マクラーレンは2台ともリタイヤで終わってしまい、アルピーヌとのコンストラクターズ争いでは決定的に不利な状況に。好調だったノリスまでマシンを止めてしまったのは痛恨でしたね。それからリカルドはマグヌッセンに追突していましたが、メキシコでの角田との接触といい、こう立て続けにつまらないミスをしているのはなんなんでしょうか。冴えない結果のままシーズンが終わってしまうという焦りからくるものなのかなんなのか。こんなことをやっていては、余計に評価を落とすだけだと思うんですけどねえ。
レース後半のセーフティカーで、角田だけアンラップすることが許されなかったのが不思議だったんですが、どうもシステム上の問題だったみたいですね。
角田裕毅「セーフティカー時にアンラップを許されず最下位フィニッシュに」FIAのシステム上の問題が影響/F1第21戦 | F1 | autosport web
セーフティカー時にタイヤ交換のためピットに入った際、おそらくピットロードの進入で一瞬速度を上げて、コースに留まっている車両の前に出たことでアンラップした、と判断されたというコトなんでしょうけど、これシステムの判断をレースコントロールも正しいものとして処理した、というのがちょっと解せないところではあります。アンラップしたというのはピットレーンに入る直前の一瞬の話であって、それをもってコレ以上のアンラップは許可されないというのはなんとも理解できない話。
まあ、どのみちアルファタウリに入賞のチャンスは無かったので、あんまりこだわるべきポイントではないのかもしれませんが……。