大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

F1[23] モナコGP 決勝

スタートはドライだったので、てっきりドライコンディションのままレースが進行すると思っていたら、まさかのレース終盤になっての急な雨。しかし、そんなスリリングな展開のわりにはセーフティーカーだとか赤旗だとかっていう展開にならなかったのは、それはそれで意外でした。波乱含みの展開に見えて、実はそこまで大きな波乱でもなかった?っていう……そんなF1モナコGP決勝のお話。

やっぱりフェルスタッペンは強かった

アロンソが予選で大奮闘してフロントロウをもぎ取ったこともあり、決勝でもアロンソがどこまでフェルスタッペンにプレッシャーを与えることができるのか……というのが決勝レースの大きな見どころだったと思いますが、レースが始まってみるとフェルスタッペンの横綱相撲でしたね。基本的に、アロンソには付け入るチャンスが無かったかと思います。ただ、アロンソ陣営はチャンスが有るなら勝ちを狙いに行こう、という気持ちがありありと見えており、しかしながら真正面からフェルスタッペンとやり合っても勝ち目が無いのもわかっているから、フェルスタッペンと逆のことをやろうとしていた感じですね。

フロントロウからのスタートにも関わらず、スタートタイヤをハードにしたというのもフェルスタッペンの逆をやろうとした結果でしょうし、雨が降り始めてからインターミディエイトに乗り換えずにミディアムに履き替えてみせたのも、勝ちを狙ったギャンブル的な作戦だったとも言えます。そもそも降り始めのタイミングではコースの大部分はまだドライの状態でしたし、ピットに入る時点で後ろのクルマに対して24秒くらいのマージンを持っていたので、もしギャンブルが失敗してもまだなんとかなる、というのもあったんでしょう。この貪欲に勝利を狙いに行く姿勢、悪くないですね。

ただ、結局アストンマーチンの予想よりも雨が強く降ってしまい、インターミディエイトに履き直すことを余儀なくされたわけですが、2位のポジションを守ることはできたので失ったものは無かった、とも言えるワケです。どうせなら雨が振り始めてからもしばらくタイヤを換えずに引っ張って、セーフティカーなりが入るタイミングを狙うという手もあったのでは、という気もしますが、雨が降り始めた場所が特に低速コーナーが連続するセクションで、履き古したハードタイヤではタイヤの温度を維持できなかった、ということみたいですね。

As I said before, when it started raining into turn five, six, and seven, I was with the hard tyres and they were quite old with 50 laps and it was difficult to put temperature on those tyres and in that part of the circuit. So we thought about stopping and the decision was to stop for the mediums or the inters. I asked about the forecast; they said there’s gonna be a short shower, but we don’t know the quantity but it shouldn’t be not too heavy. And yeah, I said we go for the dries, we go for dries because turns five, six, seven it was a few drops of rain and the rest of the circuit was dry.

via: Fernando ALONSO : FIA post-race press conference - 2023 Monaco Grand Prix | Formula 1®

ここでアロンソがもし最初からインターを選択していれば勝てていたのか?というと、それはそれでちょっと難しかったような気もします。アロンソがピットに入る直前のタイミングでフェルスタッペンとのギャップは8秒以上あったので、次の周にフェルスタッペンがピットに入るまである程度差を詰めたにしても、前に出るところまでは行けなかったんじゃないかなと。

もしフェルスタッペンのミディアムタイヤのペースがもっと悪ければ話は違っていたのかもしれませんが、フェルスタッペンは雨が降ってくるまで実に上手くミディアムをマネージメントしきって見せましたよね。序盤からアロンソのペースを見ながら走っている感じはありましたが、実に巧みなペースメイキングでした。

角田が実に惜しかった

フェルスタッペン vs アロンソの次くらいに気になっていたのが角田の動きだったんですが、ドライの間は実に上手く走ってましたよね。もちろん前を行く4チームに食らいつくだけのペースは無いんですが、後ろのマクラーレン勢に対して一定の間隔を開けて走り続けられるペースを持っており、こちらもミディアムスタートだったものの雨が降り出すまで実に上手くペースをコントロールしてました。雨が降り出してからインターに履き替えるタイミングもドンピシャで、これなら9位入賞できる……と思ったんですが。

しかし、インターに履き替えて以降、後ろのマクラーレン勢の方が明らかにペースが良い。そして65周目、角田はセクター2で大きくタイムを落としてしまい、このセクターだけでノリスが3.7秒ゲインして一気にテールトゥノーズ状態に。とはいえここはモナコモンテカルロ、なんとかブロックしてやり過ごせないか……とも思いましたが、角田のマシンはブレーキに問題を抱えており、雨でその問題が一気に大きくなってしまったようで、踏ん張れるだけの余力が残っておりませんでした。

角田に関しては雨が降らなければ……という感じでしたね。アルファタウリにとっては9位2ポイントはめちゃくちゃ欲しかったでしょうし、角田にとっても大きな入賞になったはずなので、ホント残念。ただ、雨が降るまでのレース内容は非常に良かったので、角田自身の実力についてはますます疑いのないものになってきた感があります。最終的にはコースアウトしたりして15位フィニッシュという結果にはなりましたが、レース内容としてはデ・フリースを圧倒してましたしね。

一度気持ちを切り替えて、バルセロナでアルファタウリのマシンがどこまでの性能を発揮できるのか期待しましょう。

そのほか

オコンがスタート順位を守り切っての3位表彰台。ていうか、これだけ波乱の展開だったにも関わらず、上位の顔ぶれを見ると不思議なほど順位変動が少ないんですよね。大きく順位を落としたのはサインツくらいで、逆に上げてきたのはラッセルくらいでしょうか。ラッセルはハードスタートでタイヤ交換を引っ張り、雨のタイミングで上位陣の中では早めにインターに履き替えた結果、タイヤ交換直後にオコンの前に出ることができたんですが、そのアウトラップのミラボーでコースアウトしてしまい、さらに脱出しようとしたところでペレスとぶつかってしまうという痛恨の展開。アレがなければ、ラッセルが表彰台だったと思うんですが……。このあと、無線で前を行くハミルトンと順位を入れ替えてオコンにチャレンジさせてくれ、みたいなコトもいってましたが、本人にしてみれば諦めきれなかったんでしょうねえ。

最後、ハミルトンがオコンに接近する場面もありましたが、コース上でオコンをオーバーテイクできるほどの材料がありませんでした。メルセデスにしてみれば少々残念とも言える結果ではありますが、しかしまあフェラーリよりは良かったと考えればまあ(?)。ていうか、フェラーリは今回はほんとに地味だったと言うか、サインツが悪い意味で目立っていたくらいでしょうか。ルクレールはグリッドダウンペナルティがなければもうちょっとマシなレースになっていたかもしれないと思うと残念ですねえ……ていうかルクレールは母国GPでホント運がない。母国優勝を飾れるのはいつになるでしょうか。