大須は萌えているか?

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F1[23] スペインGP 決勝

メルセデスの2台がアップデート効果もあってか、かなりポジティブな結果を残してくれたのが喜ばしい一方、角田は残念で仕方がない……といった感じの、F1スペインGP決勝のお話。

フェルスタッペンは別格すぎるのでさておいて

優勝したフェルスタッペンはもう完全に別格で、もはやなにも言えない感じです。ペレスには悪いですが、今年のタイトル争いはもう決着してしまったと言ってしまっても良いんじゃないかと思います。今のフェルスタッペンを引きずり下ろすには、よほど毎回のようにマシントラブルが発生しないと難しいでしょう。

そこで気になるのはその後ろの争いですよね。特に今回は、メルセデス勢が2位3位に入るという展開で、ちょっといつもとは違った形になりましたし。今回はルクレールが予選から謎の不調に見舞われて全然パフォーマンスが発揮できず、そしてペレスも予選で沈んだという幸運な要素もありましたが、今回のメルセデスのレースペース良かったですよね(もちろんフェルスタッペンという存在は見ないものとして)。母国で2番手スタートという絶好のチャンスを得ていたサインツは表彰台圏外に沈んでしまいましたし、レッドブルの速さを考えれば表彰台に登ってもおかしくなかったはずのペレスもメルセデスを捕まえられませんでしたし。運だけでなく、しっかりとした速さを持っているように見えました。

そもそも、スタートで履いていたソフトタイヤを上手くマネージメントできてましたよね。ハミルトンが24周目、ラッセルが25周目までタイヤ交換を引っ張っており、ちらっと無線で匂わせてましたがなんなら1ストップでも行けそうな雰囲気までありました。結局ソフト→ミディアム→ソフトと繋ぐ2ストップ作戦でしたが、あえて1ストップという搦め手を使わなくても2位3位を手に入れられたというのは大きい。結果として、このバルセロナでかつて同士討ちを演じたハミルトンとロズベルグがレース後インタビューで相対したというのもちょっと面白かった(?)です。

一方でフェラーリはアップデートを入れてもやっぱりロングランに課題があるというか、タイヤもたせられないですねえ。あとマシンの一貫性の無さも相変わらずのようで、ルクレールはスタートで履いたハードタイヤと、最後に履いたハードで大きく感触が違ったことを指摘していますね。

Today in terms of balance the car was alright, but the performance was not at all consistent. We ran the Hards twice, but with the first set I struggled a lot, while with the second one it was reasonably good and I was catching Pierre (Gasly) towards the end.

via: What the teams said - Race day at the 2023 Spanish Grand Prix | Formula 1®

この一戦だけでどうこう言えるものでもないですが、ヨーロッパラウンドの出だしとしてはメルセデスフェラーリで結構明暗が分かれている感じでしょうか。

アストンマーチンもやや失速したのか?

それから、今回はアストンマーチンもあんまり目立てませんでしたね。アロンソにとってみても母国で表彰台にノリたかったんじゃないかと思いますが、カスリもしなかった感じ。ていうか、アストンはどうして2台ともソフト→ソフト→ハードという繋ぎ方をしたんでしょうか。まあメルセデスもソフト2セット使ってますけど、間にミディアムを挟んでレース後半に選択の余地を残していたのに対し、アストンはソフトからソフトに繋いでたのがちょっと気になってしまいました。ドライバーのコメントを見る限り、ソフトタイヤの感触は良くなかったみたいだし。

アロンソに言わせるとソフトもハードもイマイチだったみたいですが、ここまで極めて安定して速かったアロンソが、今季ワーストの7位で終わったというのはちょっと気になるところではあります。まあアロンソはストロールのすぐ後ろまで追い上げてきて、「抜かすつもりはないから安心して」みたいな無線を入れてチームプレイヤーであることを強調するような仕草も見せていましたが……。

まあアロンソは予選でミスしてフロアを損傷したりして、スターティンググリッドもいつもより後ろだったというのはありそうですが。ストロールの6位というのは「だいたいいつものポジション」であることを考えると、今回はちょっとアロンソが空回ってしまっただけ、というコトなのかもしれません。

ただ、これでコンストラクターズではメルセデスがアストンより上を行くことになり、今後ワークスとカスタマーチームとの間で仁義なき戦いが行われていくのか、興味深いところです(?)。

角田……

今回、角田はまた良いレースしてましたよねえ。まさかアルピーヌに付いていけるほどのレースペースがあるとは思いませんでした。ただ、周冠宇のペースも良かったので気にはなっていましたが、角田のポジションが9位だったのでポイントゲットは確実だろう、と思っていたのですが。角田自身、レースが終わるまでは5秒ペナルティのことは知らされていなかったみたいで、チェッカー後にそれを聞かされて相当落胆していたようですね。

【角田裕毅F1第8戦分析】ポイント獲得の喜びから一転。入賞圏外に降格し落胆、レース後にはへたり込む姿も | F1 | autosport web

今年の角田の冷静なレース運びは素晴らしいんですが、やっぱりこういう時には感情的になっちゃいますよね。これはさすがに仕方ない。

周冠宇との件については、コーナーへのアプローチ時点で周が前に出ており、コーナーの優先権が周にあると判断されたのが大きい感じでしょうか。もし角田が前にいる状態でコーナーに入ったなら、ペナルティは無かったんじゃないかと思います。相手に優先権がある状態で牽制する動きを見せたのが問題視されたのかなあと。ただ、角田が主張するようにスペースは残っているように見えるんですよね。ただ、コーナーの立ち上がりでああした牽制をされると咄嗟に反応しちゃうでしょうし、それによって「押し出された」という主張になるのも理解できる話ではあります。

しかしこれでまた角田はノーポイントで終わることになってしまい、さすがにこれは悔しいですよねえ……。見ているこっちも悔しいので、本人にしてみれば相当何じゃないかと思います。ここはほんとに我慢のしどころ、でしょうか。今年の彼が大きく実力を伸ばしているのは疑いようがないので、毎回のレースを平常心で臨んでいけば、結果はどこかで付いてくるでしょう。日本人ドライバーであるという以上に、今年の角田はなんか応援したくなるんですよね。それだけの光るものを見せてくれているし。