5年ぶりの中国GPとのことですが、こうしてF1サーカスが中国に戻ってきたところを見ると、「パンデミックが終わったんだな」と感じます。新型コロナウイルス自体はすっかり社会に馴染んでしまっている感もありますが。そんなワケで、F1中国GPのスプリントと予選のお話。
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5年ぶりのレースということで、マシンも大きく変わっており過去のデータは実質参考にならないんじゃないかと思うんですが、そんな中でもスプリントフォーマットでやっちゃうというのはなかなか無謀なんじゃないか、という気もします。
しかし、今年はまたスプリントのやり方が変更されており、金曜日にFP1をやったあとにスプリント予選(シュートアウトという言い方はやめたらしい)を行い、土曜日にまずスプリントレースをやったあと、本番のレースに向けた予選を開催するという流れに。この場合、スプリントレースをやったあと、予選までにセットアップの変更ができるようになっているため、そこが一番大きな変化ですね。
以前だとFP1を走ったらパルクフェルメルールが適用されてしまい、実質一回のフリー走行セッションだけでセッティングを決めきらないとダメだったところが、今年からはスプリントレースのデータを含めて再セッティングが可能になったというワケですね。
スプリントは金曜の予選が雨混じりのセッションとなり、そのせいもあってかノリスがポールで2番手にハミルトン、3番手にアロンソという面白い並びに。フェルスタッペンは4番手だったのでどうなるか、と思ったものの、レースとなればあっさり勝っちゃうのがフェルスタッペンの恐ろしいところ。スタート直後にはデプロイに問題があったようでもたついてましたが、それが解消できたところから怒涛のペースでした。まあ決勝も彼の勝ちでしょう。
フェルスタッペンには勝てなかったものの、スプリンtのレースでハミルトンが2位に食い込んだためこれは面白くなるかな、と期待したんですが、そのハミルトン土曜の予選ではなんとQ1ノックアウト。ちょっと浮き沈みが激しすぎんか。予選ではターン14のミスが響いた格好ですが、やっぱりなんかハミルトン自身以前のような強さを感じないんだよなあ……。
今回面白い存在になっているのがアロンソで、スプリントレースでは3番手スタートから巧妙なマネージメントを見せて妖怪通せんぼジジイと化し、最終的にはタイヤのパンクで戦線離脱したものの見せ場を作ってくれました。そしてそのあとの予選でも3番手タイムを叩き出し、これまた決勝レースではどこまで状況を引っ掻き回してくれるのか楽しみな存在になっています。
まあ、アロンソが後ろを抑えてくれればくれるほど、レッドブルにとっては嬉しい展開になるんでしょうけど。
マクラーレンの2台も、上海のコースはあまり合っていないかもとか良いながら一発の速さは出てますよね。レースペースがそこまで良くない気もしますが、フェラーリ相手にどこまで粘れるか、という感じでしょうか。逆にフェラーリにしてみたらアロンソとマクラーレンの2台に前に出られてしまったのは誤算だったでしょうね。
そういや、サインツはセッション中にスピンして赤旗の原因を作ってしまいましたが、その後自力でピットに戻って再出走してましたね。これについてアストンマーティンから抗議がなされていたみたいですが、却下されたようで。
レギュレーション上は、予選セッション中にトラック上でマシンを停止したドライバーはそれ以降そのセッションに参加できない、と定められているのに再出走しているのはおかしいじゃろ、というワケですが、FIA側の認識としては外部からの手助け無く、妥当な時間内で復帰できたのなら走行は認められる、今回のサインツのケースもそれに該当するというワケですが、まあ「何秒停止していたらアウト」みたいな基準が無いのでなんとも言えないところですよね。
今後、そこらへんがもうちょっと明確化されることはあるんでしょうか。
あと不思議だったのは角田の不調ですが、シャシーを交換したリカルドがまずまずのパフォーマンスを見せた一方、リカルドの不調が角田に移ってしまったような感すらありました。特に土曜の予選では、角田本人の感触は悪くなかったのに、それがタイムに反映されていないという、まさに前戦までのリカルドのような状態に。チーム側でも把握できていない、特定の条件下でなんらかの問題が発生しているんでしょうか。
今回、トラックエボリューションが非常に大きい感じになっており、Q1の最後のアタックで角田はセッション終了ギリギリのタイミングでアタックに入っていったため、このアタックでQ1は突破できるだろうな、と思ったら全然タイム伸びませんでしたからね。しかもアタックした本人の感触は悪くなかったというんだから、なんとも不可解な話。
あとは決勝レースの最中に芝が燃えないことを祈りますが、これも一体なんで燃えたんだか……。