大須は萌えているか?

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F1[23] カナダGP 決勝

フェルスタッペンが楽勝……というワケでも無かったレースですが、それでもまあ危なげない感じはしましたね。どのようなコンディションでも結果を出す、という強さを見せつけたレースという感じもしました。F1カナダGP決勝のお話。

レッドブルの弱点?

フェルスタッペンがトップの座を維持したまま逃げ切ったレース展開で、それだけ見ているといつもの楽勝な展開……のようにも感じましたけど、しかし2位でチェッカーを受けたアロンソとの差は9.5秒と、今までのレッドブルの強さを考えると「僅差」だったとも言えます。アロンソなんて、途中チームに無線で勝利を意識しているようなコメントまでしてましたもんね。

フェルスタッペンは涼しいコンディションでのレースだったため、タイヤがワーキングレンジに入っている状態を維持することが難しかったとコメントしており、今回のマシンがコンディションに合っていなかったと認めていますね。タイヤへの攻撃性が低すぎるマシンになってしまっていた、という感じでしょうか。

And I think we know that our car normally is very good when there’s high deg compared to other cars. And today probably you would have needed a car which is a bit harder on the tyre, to keep the temperatures in, you know. So it’s probably not been our best race today.

via: Max VERSTAPPEN : FIA post-race press conference – 2023 Canadian Grand Prix | Formula 1®

そうしたベストではない状態だったにも関わらず、9秒差で勝てたということはレッドブルのマシンの優秀さを表している、と。もっと苦戦しててもおかしくなかったのに、これだけの差をつけられたのはむしろ良かった、という。ペレスなんかは大きく巻き返したかったでしょうけど、結局6位フィニッシュで終わってしまってますしねえ。そうこうしている間にドライバーズランキングではアロンソがペレスと9ポイント差というところまで迫ってきており、「ペレスを打ち負かすことはできると思う?」と問われたアロンソはきっぱり「Yes.」と一言。

ペレスにとってはタイトルに挑むどころか、2番手の座も怪しくなってきててヤバい。ペレスもタイヤグリップの不足を訴えるコメントをしていますが、こちらもフェルスタッペンと同じ問題ですかね。開幕から無敗を続けているレッドブルにとってはちょっと綻びを見せたレースだったと言えますが、それを補って余りある強さを持つフェルスタッペンが居るというのがライバルチームにとっての最大の問題でしょうか。

フェラーリは意外と悪くなかったけど

予選で散々だったフェラーリ、ドライコンディションの決勝でどうなるかというところでしたが、ルクレールサインツで4位・5位まで挽回してみせました。2台ともスタートタイヤのミディアムを引っ張って1ストップで走りきっちゃったのが意外な感じでもありました。路面温度が低かったのがフェラーリにとっては良かったのかもしれませんし、ここのコースがフロントタイヤを酷使しないレイアウトだったのもプラスに働いた感じでしょうか。

とはいえ、予選も含めての週末を通じての強さという意味では残念だったのも否めないところ。ていうか今年のフェラーリ、特にルクレールの予選順位が安定しないのが何より響いている感じしますね。本来一発の速さには抜群のものを持っているドライバーなのに。サインツのほうが安定はしているんだけど、なんというか驚くような速さも無いのでチームとしては「ぼちぼち」レベルにとどまってしまっている感じで。ここまで8戦やって、振り返ってみるとチームとして表彰台登れたのがアゼルバイジャンルクレール3位の1回だけ、ってなかなかやばい感じがします。

状況としてフェラーリは完全にメルセデスに劣後してしまっている感じに見えますが、今後追い上げを見せることができるのかどうか。この調子が続くと、フェラーリ内部でさらなるお家騒動が勃発しないかと期待……いや心配になるところです。

そのほか

今回のDRIVER OF THE DAYに選ばれたウィリアムズのアルボン、7位入賞はお見事でした。セーフティカーのタイミング(12周目)でタイヤを換えていたので、てっきり2ストッパーかと思いきや1ストップで走り切るという荒業で乗り切ってみせたのはちょっと驚き。どこかでタイヤがヤバくなってズルっとポジションを落としてしまうのでは、なんて思ったりもしましたが、後ろに居たオコンとかを見事に封じ込めましたよねえ。ストレートが速いウィリアムズと、ストップ・アンド・ゴーレイアウトのこのサーキットが上手くマッチして抑え込めたということなんでしょうね。結果として、ピットストップのロスを最小限にして、あとはトラックポジションをひたすら守るという作戦が大正解だったと。

アルボンの後ろを追走していたアルピーヌのオコンは、レース終盤にリヤウイングが妙にガタついているのをノリスが指摘して国際映像にも捉えられたりしていましたけど、これ結局チームとしては正常な状態だった、というコトなんですかね?レース後のコメントでも、とくにリヤウィングについて言及されていないしな……。ていうかあれ、記憶違いかもしれませんがレースの結構早い段階からガタついていたような気もします。傍から見ていると本当に脱落しそうなようにも見えるのでヒヤヒヤするんですが、実際のところどうなんですかね……?

角田はレース1周目でハードに履き替えるという作戦は面白くはありましたが、レース序盤のセーフティカーで2ストッパー勢がタイヤ交換に入り、ロスタイム少なめでルーティンのストップを消化してしまったのであんましメリットが大きくなかったですね。それでも13番手まではポジションを上げていましたが、角田の2度めのストップでタイムロスが生じ、ポジションを失ってしまったのはいただけない。レースペース自体は悪くない感じなんですけどね……結果的に今回も噛み合わないレースになってしまい、残念。