大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

ブログの記事タイトルはシンプルにいこうよ

IT系、ガジェット系のブログなんかを見ていると、ちょくちょく似たような記事タイトルを見かけます。「○○!○○が○○すべき○○」みたいなの。例えば、「必見!iPhoneユーザーが絶対にチェックするべき神アプリ30選」とかそんな感じのやつ。あ、このタイトルは今てきとうに思いついたヤツですが、もし同じタイトルの記事があったらごめんなさい。実在の記事とは一切関係がございません。

こういうタイトルだと人の興味を引きやすいからそうしているんでしょうけど、個人的にはこういうタイトルはウンザリなのです。なぜなら大抵内容がタイトルに負けているから。かといって、東スポの見だしのような味わいがあるかといえばそうでもない。すっかりテンプレ化しちゃってるから。

そんなワケで、「○○!○○が○○すべき○○」みたいな記事タイトルのここをこうすればもうちっとマシになるんじゃないか、という点を挙げてみたいと思います。

対象を適切に絞り込む

「必見!iPhoneユーザーが絶対にチェックするべきアプリ30選」というタイトルを付けた場合、この記事の対象読者となるのは「iPhoneユーザー」というコトになるでしょう。しかし、全世界に一体何人のiPhoneユーザーが居るというのか。いやまぁ日本語で書かれた記事というコトで「日本語が読めるiPhoneユーザー」と考えても一体何人居るのか。100万とか200万とかって数になるんでしょうきっと。

その100万だか200万だかって数の人が、みんな揃ってチェックするべきアプリなんてモノが果たして存在するのか。確かに「電話」や「メール」のアプリはチェックするべきなのかもしれませんが、そんなプリインストールされているアプリをピックアップしても仕方ないですし。

そう考えると、iPhoneユーザー全体を対象とするのはやりすぎです。そんなに多くの人間が必ずチェックするべきアプリなんてまず存在しないでしょうから、このタイトルを見て記事を読んだ人は大抵「なんだこんなもんか」とガッカリするワケです。ていうか、私がガッカリします。

じゃあどう対象を絞り込むか。そのアプリを選んでいるのは当然記事を書いている自分自身であり、その自分と近い趣味や感性の持ち主ならチェックしたほうが良い確率が上がるかもしれません。そこで例えば、「必見!僕と趣味(喫茶マウンテンでパフェを食べまくること)の近いiPhoneユーザーが絶対にチェックするべき神アプリ30選」とかってタイトルはどうでしょうか。だいぶピンポイントに対象を絞り込むコトができました。

「必見」とか「べき」という言葉を使わない

そもそもこの世に「必ず読まなきゃならないテキスト」なんて存在しません。いやまぁ、なんかの契約とかするときに「必ずお読み下さい」という文章に出くわしたりはしますが、あれもきっちり読まなくてもなんとかなります(自己責任でお願い致します)。

それでも敢えて「必見」「絶対」なんてきっぱり書かれていると、さぞ凄い内容なんだろうなと思ってしまうワケですが、やはりそれは必ず読む必要なんて無いテキストなワケで、「なんだこんなもんか」とガッカリするワケです。ていうか、私がガッカリします。

それから、「べき」という言葉も問題です。「べき」(終止形は「べし」)には「~するのが適当・妥当」という意味と、「~するのが当然」、「~せよ」という命令、「~しなければならない」という義務の意味もある、結構強い意味の言葉です。

べし[助動]の意味 - 国語辞書 - goo辞書

「絶対にチェックするべき」なんて書いてある場合、ニュアンス的には「絶対にチェックしなければならない」という意味に受け取ることができ、そんな命令してくるくらいなんだから相当スゴイ内容なんだろうなと思ってしまうワケですが、必ず読(中略)ガッカリします。また、私みたいに命令が嫌いな人間にとっては、「~すべき」なんてタイトルを見ただけで「なんでお前に指図されなきゃならないんだファッキンシットサノバビッチ」と思ってしまうので注意が必要です。

「神」という言葉も問題で、その記事で紹介されているモノが神かどうかを判断するのは筆者ではなく読者です。なのになぜ、タイトルで「神」と言い切ってしまうのか。ていうか、WEB上では「神」という表現が気安く使われすぎです。その結果として、WEB上に於ける神の価値は暴落してしまいました。いや、もはや「神は死んだ」というべきかもしれません。

神は死んだ。神は死んだままだ。そして我々が神を殺したのだ。世界がこれまで持った、最も神聖な、最も強力な存在、それが我々のナイフによって血を流したのだ。この所業は、我々には偉大過ぎはしないか?こんなことが出来るためには、我々自身が神々にならなければならないのではないか?

via: ニーチェ

まぁパトレイバー2の荒川さんも「この街では誰もが神様みたいなもんさ。いながらにしてその目で見、その手で触れることのできぬあらゆる現実を知る。何一つしない神様だ」と仰ってますし、このWEB上に於ける神の氾濫もむべなるかなという気がしないでもありませんが……ってなんの話でしたっけ?

ともかく、これらのキーワードも期待のハードルを上げすぎてしまうので、取っ払ってしまった方が良いでしょう。また、「~すべき」という言葉はもう少しソフトな言葉に置き換えましょう。さっきの思いつき記事タイトルでいうと、「僕と趣味(喫茶マウンテンでパフェを食べまくること)の近いiPhoneユーザーがチェックした方が良いかもしれないな、と推奨することもやぶさかではないアプリ30選」というのはどうでしょうか。だいぶ腰が低い感じになってきました。

テンプレに頼らない

そもそも「○○!○○が○○すべき○○」みたいな手垢の付いたテンプレをいつまでも使うな、という話です。いやそれでも読みに来る人が多いから使っているんでしょうが、何度も似たようなタイトルをうっかりホイホイとクリックしてしまった前歴のある身としては、「もう勘弁してくれ」という思いの方が強いのです。なので、さすがに今ではこういうタイトルはもう無条件で読みませんよ。ええ。あ、自分がフォローしている人がオススメしている場合は例外的に読むコトもありますけど。

ある程度大げさ、煽り気味にタイトルを付けた方が読みに来る人が多い、というのは確かにそうです。でもそれってみんなが嫌いな(?)マスメディアの手法であって、WEBの、特に個人ブログまでがあんまりそういう方向に走っちゃうのはなんだかなぁ、という気がしちゃうんですよね。個人ブログなんてそもそも個人の主観で書いてるモノで、本質的にニッチなモノじゃないですか。そんなに背伸びして商業メディアのマネしても疲れるだけです。

そんなワケで、煽らない方向で、シンプルにタイトルを再考してみましょう。さっきの思いつき記事タイトルでいうと、「僕が大好きなiPhoneアプリ30選」……うん、普通