長い中継でした。F1イギリスGP予選。
予選結果：
2012 FORMULA 1 SANTANDER BRITISH GRAND PRIX - The Official F1 Website
予選後ドライバーコメント：
Qualifying - selected team and driver quotes - The Official F1 Website
予選後記者会見：
FIA post-qualifying press conference - Great Britain - The Official F1 Website
雨に沈むマクラーレン
今年のイギリスGPはずっと雨模様で、ドライセッションとなったのはフリー走行3回目だけ。いかにも番狂わせが起きる予感に満ちた予選でしたが、まさかQ2の途中で1時間半もの赤旗中断が入るとは……。結果的にCSの生中継は、決勝より中継時間が長くなっちゃってましたね。
んで、結果として多少の番狂わせが起きたんですが、イギリスのファンに取ってみればむしろ「忌まわしい雨」になっちゃったのかも。マクラーレンに乗ってる、2人のイギリス人チャンピオンが低調な結果に終わっちゃったので。
そもそも、バトンについては中断が入る前のQ1で姿を消しちゃったんですけど。最後のアタックでQ2進出は問題無さそうなタイムでセクター2まで通過してたのに、スピンしたクルマが居た影響で最終コーナー手前からイエローフラッグが出ており、バトンはそこで律儀にかなりの減速をしたためタイム更新ならず。
なんという紳士ぶりだバトン。
一方でハミルトンはQ3まで進出はしたものの、タイムを伸ばしきるコトができずに8番手。フルウェットではハミルトン良いタイムを出しているんですが、インターミディエイトを使う「ちょい乾き」のコンディションにはマシンが合わないようで。F1マシンって繊細。
決勝も雨の予報みたいですけど、いっそ降るなら完全にウェットになってくれ、というのがマクラーレンの本音かも。……にしてもこの新しいシルバーストーンって、水はけ悪い箇所が多いみたいなので、また赤旗中断なんてコトになったらちょっとヤバいかも。
あと、シルバーストーンは来場手段がクルマしか無いらしく、大雨が降ると駐車場が閉鎖されたりして大混乱に陥るみたいです。週末通して雨に見舞われるコトは珍しいみたいなので、あんまり対策されてないのかな。
シルバーストーン、大雨で悪夢再び: FMotorsports F1
決勝は大丈夫なんですかねぇ……。
平均年齢高めの上位陣
ポールを獲得したのはアロンソ。意外にも、これ今季初ポールなんですねぇ。微妙なコンディションの中、抜群の集中力でポールをさらっていく走りはさすがアロンソとしか言い様が無い感じ。トラクションコントロール付いてるんじゃねーかってくらいのアクセルワークでした。Q2赤旗からの再開後のリカバリもお見事。
それから2番手はウェバー。これで今年のウェバー、9戦中5回予選でベッテルを上回ってるんですよねぇ。去年の完全なベッテル圧勝状態から一体なにがあったの、って感じですが、タイヤなのかなぁ。でも、ベッテルも4番手なんで悪くは無いポジション。
3番手にミハエル。今年のミハエル、予選良いですね。Q2で沈んだロズベルグとは対照的なポジション。前戦の表彰台で勢いが付いているかどうか。ミハエルは雨得意ですし、トラブルにさえ巻き込まれなければ連続表彰台の可能性高そう。
ザウバーが相変わらずアレ
ウェットのFP2で2番手タイムを叩き出すなどしていた可夢偉、予選も当然ながら期待していたんですけど、結果としては12番手+前戦での5番手降格ペナルティがあるので17番手スタート。予選でも調子良さそうでしたが、Q2再開時にインターミディエイトをチョイスしたのが大失敗。
すぐにウェットに履き替えて再びコースインしたものの、出遅れが響いて結局Q2突破ならず。可夢偉は最初からウェット推しだったらしいですが、レースエンジニアがインターミディエイト履かせたとのコト。可夢偉自身、チームへの不信感が高まっているようですが大丈夫かなぁ……。
----今シーズン、いろいろあるけど、今回の"ガッカリ度"というのは、どのくらい?
可夢偉:あの（チームの）トラック、ひっくり返してやろうか！と思うくらい（笑）。バカでしょう、もう・・・。
via: 【STINGER】小林可夢偉 予選後・会見全録【イギリスGP(土)】2/2（メディア会見） >> F1 NEWS｜ボイスレコーダー｜｜STINGER / 独自の視点でF1ニュースを発信
タイヤチョイスをミスったのはペレスも一緒で、しかもペレスの場合はQ2最後までインターミディエイトで走って轟沈。可夢偉曰く、ペレスは他のクルマもインターミディエイト履いていると思っていたらしいですが……。マシンは良いハズなのに、いろんな意味でヤバいぞザウバー。トップチームからレースエンジニア引っこ抜いてこれないのかザウバー。
マルシアの事故の話
ポールを獲得したアロンソが「このポールをマリア・デ・ヴィロタに捧げたい」とコメントしてますが、マリア・デ・ヴィロタとはマルシアの女性テストドライバー。先週、チームの直線テストの最中に事故を起こし、瀕死の重傷を負ったというニュースが流れてました。
マリア・デ・ヴィロタ、F1マシン・テストの事故で重体 : F1通信
話だけ聞くとまったく奇妙な事故で、トラックに向けて加速していくなんて普通あり得ない話。ドライバーのミスの線もあり得なくは無いですが、彼女自身F1マシンのドライブは初めてでは無く、可能性としては低い気がするんですが。
ただ、これがマシンの問題となるとそれはそれで危ない話で、なにせ型落ちではなく現行型のマシンによる事故なので、さっさと対策しないとさらなる事故にも繋がりかねません。
どこかの海外ニュースでは「アンチストールの誤作動」なんて説が出てましたけど、でもアンチストールってエンスト防ぐために自動的にクラッチ切るシステムですよね？誤作動しても暴走には繋がらないような……。クラッチがまた勝手に繋がって、いきなりマシンが加速したとかって言うならヤバいですけど。
デ・ヴィロタ自身は一命は取り留めたようですが、右目を失う重傷とのこと。レーサーとしての復帰は難しいでしょうが、一日も早い回復をお祈りします。それと同時に、チームは再発防止のための一刻も早い原因究明を。
