大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

さよなら、オヤジのクラウン

※やや湿っぽい話です

今まであまり触れてきませんでしたが、私がこのブログ始めた頃から今に至るまで乗っているクルマが、トヨタの180系クラウン ロイヤルです(いわゆるゼロクラウン。インプレッサはその前に乗ってました)。これは明らかに私の趣味ではないクルマなんですが、なのになぜ乗っていたかとゆーと、オヤジのクルマを引き継いだからです。

そもそも私がインプレッサを手放したのは、やんごとなき事情により東京で働くことになり、さすがにこのクルマは持て余すなぁと思ったから。んで、しばらく東京で働いていたところオヤジが倒れ入院したとの連絡が。オヤジはその数年前に肺ガンが見つかり、何度か手術も受けていたのですが、新たに転移しており倒れたとのこと。そして余命幾許もない、とも言われました。

その話を聞き、悩んだ挙げ句私は愛知に戻ることに。家族のそばに居たいと思ったから。そしてオヤジが乗っていたクラウンを借り受けたのでした。そう、正直今でも「オヤジのクルマを借りている」という感覚なんですよね。その後しばらくしてオヤジが他界し、クラウンを自分名義にしたあとも。だからこのブログでも、あんまり自分のクルマの話をしていなかったんですよ。

オヤジは元々日産派でクラウンなんてむしろ馬鹿にしていたのに、ひょんなことからゼロクラウンに乗ることになり、「乗ってみると悪くないな」などと言いつつ結構気に入っていたようで。以来、大事に乗っていたようです。でも、入院直前には運転中気分が悪くなりクルマを擦ってしまったりもしていたようで、フロントバンパーの底面には結構キズが残っていたりもしました。元々クルマを擦るようなヘマをする人じゃ無かったので、そのキズを見たときには結構ショックでしたね。

ちなみに、私はインプレッサに乗っていたときには結構クルマをカスタマイズしたものですが、クラウンはせいぜいホイールを変えたくらい。あとは完全にどノーマル。それもこれも、迂闊なことしたら祟られそうな気がしたから!

ただ、そんなクラウンもはや9年落ちのクルマになってしまい、私自身クルマの使用頻度がかなり落ちていたこともあって、車検のタイミングでクルマを手放すことを決意。クルマ自体はまだ全然快調なんですけどね、さすがに維持費と使用頻度のバランスが悪いよなぁと。オヤジはだいたい5年単位でクルマを変えていたので、こんだけ乗りゃ納得してくれるでしょう。むしろ「まだ乗ってんのか」とか言われそう。

んで、その車検が切れるのが3月なんですけど、先日かーちゃんに「車検のタイミングでクラウン売って、もう自分のクルマは無しってコトにしようと思うから、今後は週末ちょっとクルマ使いたいときは少し維持費出すから207(かーちゃんはプジョー207を所有)貸して」と交渉したところ、なにを思ったか「じゃあ207も売って、それプラスお金出し合って新車を共同購入ってのはどうよ」と持ちかけてきました。なん……だと……。

まぁプジョー207も購入から5年が経過し、クルマを変えたい欲が出ていたみたいで。たださすがにぽーんと新車買うのもちょっと……というところに私のクルマ売る発言で、このような提案に至ったようです。私もどうせクルマを「間借り」するなら購入費用を出し合った方が後腐れ無くて良いか、とそれを承諾。ならもう俺が全額出してやんよ、とは言えないのがワーキングプアの悲しいところ。

その後お互い購入候補のクルマを出し合い、それぞれディーラー行って試乗したりクラウンと207の下取り査定をしてもらったり諸々の情報を総合した結果、購入するのは私の推したクルマに決定。その代わり、ボディカラーはかーちゃんの好みに任せました。実のところ、購入するクルマはディーラーにモノが無く、内装とパワートレインがほぼ共通の兄弟車のみ試乗して決めてしまったのですが。

納車は3月中になる見込みですが、ディーラー担当さん曰く、もしあまり乗らないようならクラウンは先に引き取らせて欲しいとのこと。そらまぁ、一度査定したクルマをその後変に乗られても困るでしょうしね(なので、207は2月末に再度査定させて欲しいとのこと)。

しかしまーアレですよ、自ら手放すと決めたクルマではありますが、さっさと引き取らせてくれなんて言われるとなんだか名残惜しくなるというモノ。なんだかんだでこのクルマの思い出もありますしね。オヤジの最期を看取りに病院に駆けつけたときもこのクルマに乗っていたし、その後ブログのネタにもした東北旅行や四国旅行、それに最近で言うと夏の聖地ハシゴツアーもこのクルマで出かけました。

アッパーグレードのセダンではあるものの、日本という国においては非常にありふれた、まさに「ザ・おっさんカー」とでも言うべきクルマですが、しかし確かに良いクルマです。長時間乗ってても疲れないし、V6のGRエンジンはNAでもなかなかの動力性能。9年で7万キロ乗っても、あまりくたびれた印象もありません。それなりの値段するクルマだけあって、内装も細部までキチンとできていますしね。数度のリコールはありましたが、どこかのメーカーみたく隠蔽するより余程マシというモノです。

かーちゃんとオヤジは仲の良い夫婦だったので、そのオヤジの乗っていたクルマでもあるこのクラウンを手放すとなるとさすがにちょっとは寂しそうな顔するんじゃないかなーと思ったんです、が、「いいじゃんディーラーの人も早く引き取りたいって言ってるんだし、さっさと渡せば」と実にあっさり。ううむ。

そんなワケで、クラウンは来週早々にもドナドナされることとなりました。今までありがとう。半世紀以上の歴史を持つブランドで日本を代表する車種でもある「クラウン」は、私にとって文字通り「愛すべきオヤジのクルマ」でした。

ちなみに新しく購入するクルマは、近々試乗車が入ってくるそうなので、そのタイミングで一度乗るコトができそうです。それまで車種は伏せておきますが、見事言い当てた方には特に何も差し上げません。

新しいクルマが来たら、まずは墓の中のオヤジに見せびらかしにいきますかね。