大須は萌えているか?

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ホンダのF1復帰と、新しいエンジン規程の話

ホンダの第4期F1活動がいよいよ正式発表されるみたいで。鈴鹿の日本GPが長期に渡る契約延長となった時点でホンダの復帰は既定路線とは思ってましたが、しかし実際に「ホンダ復帰」が報道されているのを見ると「いよいよ来たなぁ」という感じ。参戦は2015年から、供給先はマクラーレンとされてますね。ザウバーにも供給するという噂もありますが、はてさて。

ホンダF1復帰を決定=15年からエンジン供給 - WSJ.com

……もしや、5月11日から9月2日までホンダコレクションホールにMP4/4からMP4/7までのマクラーレン・ホンダが全部並べてあるってのはこの発表タイミングを見越してのコトだったのでは……。

しかし2014年にF1のエンジン規程が大幅に変更になるため、参戦するなら既存のエンジンサプライヤーと横並びのスタートが切れる2014年からのが良いような気もするんですが、その辺は大人の事情があるんですかね。エンジン規程がどう変わるかって話は

……といった辺りが詳しいかと思いますが、ざっくりまとめると

  • V8エンジンから、V6シングルターボに
  • 排気量2400ccから1600ccに
  • レブリミットが18000回転から15000回転に
  • 燃料の最大搭載量が100kgに制限される(現在は制限無しだが概ね150kg)
  • 各ドライバーが年間に使えるエンジン台数が8基から5基に(エンジン開発凍結は失効となるが、開発予算も制限される)
  • KERSに代わりERSと呼ばれる新たなエネルギー回生システムが搭載となる

てな感じでしょうか。

小排気量V6のターボエンジンなんて言うと、ホンダ絶頂期の1500ccツインターボを連想しますが、2014年からのエンジンは高い信頼性と燃費効率、そして新しいエネルギー回生システムという挑戦的な要素がいろいろ盛り込まれている感じ。

↓こちらはホンダコレクションホールに展示してあるRA168E。1988年に「16戦15勝」の伝説を作ったエンジンですね。左右にふたつ、IHIターボチャージャーが付いてます。

2014年からのエンジンではターボよりもエネルギー回生システムが大きなカギを握るコトになるんでしょう。現行のKERSはブレーキの運動エネルギーのみを回収する仕組みですが、ERSではそれに加えてターボユニットの排気の熱エネルギーを回収し発電する仕組みも備えているそうで。つまりKERSよりもさらに多くのエネルギー回収とその放出が可能になるワケですね。

今まで長らく開発が凍結されていたF1エンジンにとって、この変更はまさに革命レベルなワケで、それを考えると2014年はまず「いかに信頼性を確保するか」が重要になるでしょうね。今のF1エンジンはもはや滅多に壊れるコトはありませんが、来年は結構エンジンやERSのトラブルでリタイヤするクルマも増えるんじゃないかな。

ホンダは新エンジン規程1年目はスルーして2年目となる2015年からの参戦というコトなので、それまでにどこまでシステムの熟成を進められるかがカギになりそう。あとはシャシー側とのマッチングの問題もありますが、マクラーレンのような開発力のあるチームならなんとかなるでしょう。少なくとも、第3期のBARより期待が持てるというもの。

願わくば、ホンダの復帰に合わせてテレビ地上波復活&日本人ドライバー参戦を期待したいですね。ていうか、まず来年可夢偉戻ってきて……。

↓最後に1枚、去年の日本GPで展示されていたマクラーレンMP4/4ホンダ。2015年まで「ウィリアムズ・ルノー」のパートナーシップが継続していれば、マクラーレン・ホンダにしてみれば1992年のリベンジを果たす絶好のチャンスに!(オイ)