大須は萌えているか?

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退屈なメルセデスのドライバーズラインナップ

かねてからの噂通り、ロズベルグの引退により空席となっていたメルセデスのシートにバルテリ・ボタスが座るコトになりましたね。そしてウイリアムズのボタスが抜けた穴は、引退を撤回したマッサが補う形に。

Bottas to Mercedes, Massa to re-join Williams

しかし……個人的にはこの移籍劇、あまり好ましく思っておりません。なんか「絶対王者メルセデスが、非常に守りのドライバーラインナップに固執したように見えてしまって。

そもそもボタスはウイリアムズと今期の契約を結んでいたワケであり、それをメルセデスがあの手この手で譲ってもらった格好ですからね。しかし普通に考えたら、自分とこのジュニアドライバーとしてオコンとウェーレインという、すでにF1の実戦経験を積ませているドライバーが居るんですから、そこから起用するのが自然でしょう。オコンは既にフォースインディアと契約してしまってましたが、ウェーレインはまだフリーだったワケですし。なのに、なぜか既に他チームと契約済みのドライバーを半ば強引に連れてくるというコトをした。

ハタから見てるとこの流れはとても不自然であり、その理由を勘ぐりたくなるというもの。

まずひとつは、確実にポイントを積み上げられそうな、経験あるドライバーを求めたというのはあるんでしょう。ここ最近は印象が薄かったものの、ボタスはコンスタントにポイントを獲得できるドライバーですし。とはいえ、じゃあウェーレインがそこまで計算できなさそうなドライバーかというと、そうも思えないんですけどね。なにより、あのマノーでポイントゲットも達成してるワケですし。他にあのチームでポイントゲットできたのは、ヴァージン時代からトータルで見てもジュール・ビアンキだけですよ。

んで、もうひとつの理由として勘ぐりたくなるのはルイス・ハミルトンとの相性。フォースインディアがウェーレインではなくオコンを選んだ理由として、ウェーレインの短気な性格が災いした……なんて話も出ていたくらいで、それがホントだとするとメルセデスもそこを嫌ったというのは大いにありそう。ハミルトンの性格を考えると、ウェーレインみたいな若くてキレた速さを持ち、かつやや性格に難があるドライバーはめっちゃ嫌がるでしょう。

そこへいくと、ボタスは波風立てるタイプには見えないですからね。それに、こんなコト言うとボタスのファンの方に怒られそうですが、今のボタスを見てるとハミルトンと真っ向からやり合えるほどの速さは無いように見えるんですよね。ハミルトンをむやみやたらに刺激せず、かつポイントはしっかり持って帰ってくるドライバー……そんな基準でボタスが選ばれたんじゃねーの、とついつい思ってしまったりして。それにメルセデスのボスであるトト・ウォルフがボタスのマネージメントに関与していたコトで、引き抜き工作もしやすかったというのもあるでしょう。

ウォルフはボタスをメルセデスに連れてくると同時に彼のマネジメントからは手を引くことを明言しているようで、これもある意味ハミルトンへの配慮、という感じが。

ウォルフ、ボッタスのマネジメント陣を離脱 | Mercedes | F1ニュース | ESPN F1

レギュレーションが大きく変わる今シーズン、なるべく手堅いラインナップで臨みたいというメルセデスの気持ちもわかるにはわかるんですが……しかしこういう強いチームこそ、将来性未知数の若手ドライバーを起用して欲しいんですけどねぇ。観てる側からすると、それぐらいの不確定要素があったほうが面白い。

これでもし、ボタスが想定以上の速さを発揮して、シーズン通してハミルトンとガチンコ勝負したりするならまぁ良いんですが……開幕戦、ハミルトンがポールポジションを獲得して、ボタスがコンマ5秒くらい離されていたりしたら、このメルセデスの決定を恨みますよ。