フィリップスの電動ファン付きマスクを買ってみた話

少し前に、フィリプスの電動ファン付きマスクを買ってみたのです。マスクの分際で（？）1万円近くするというなかなかな一品なんですけど。

フィリップス ブリーズマスク ブラック 電動ファン 高機能 花粉対応 スポーツマスク acm066/01 電動ファン付マスクで、花粉の季節のマスクによる色々な悩みへ。 フィリップス

なんでこんなの買ってしまったかというと、まだまだコロナ禍が収まらない一方で再び暑い季節が近づいてきているもんだから、「蒸れないマスクが欲しいよな……」と思い電動ファン付きのマスクに興味が湧いてしまったためです。このマスク、内側に交換式のマスクフィルターを取り付ける形になっており、120時間程度使用したら交換（空気質指数が悪いところではもっと早め）するよう書かれているので、長く使いたいのであれば交換用のフィルターも購入する必要があります。フィルターは5枚入りで1450円。

フィリップス ブリーズマスク マスクフィルター 高機能 花粉対応 FY0086/00 フィリップス ブリーズマスク専用の交換用マスクフィルター フィリップス

私は一応交換用フィルターもセットで買ったので、支払い総額は11,000円ちょっとでした。マスクとしてはなかなかなお値段です。しかしまあ、今やマスクというのは日常生活での必須アイテム、その重要性を鑑みればまあいっか、とポチってしまったのでした。

このマスク、見た目の通りマスクカバーに埋め込まれるような格好で電動ファンが取り付けられており（ファンの取り外しは可能）、外側のボタンを押すコトでファンが回り、吸い込んだ空気はフィルターを経由してマスク内に入り、マスク内の空気は下側に向かって排出される仕組み。ボタンを複数回押すコトでファンの速度を低速→中速→高速の3段階に変更でき、さらにもう一回押すとファンが止まります。ファンの音は「シュー」っといった感じの音がしますが、オフィスの中とかならほとんど目立たない音かと思います。

電動ファンによってマスク内の空気を排出しているというコトは、咳をした際の飛沫も景気良く排出しているのでは……という気もしてしまいますが、フィリップスのサイトを覗いてみると以下のように書かれてます。

社内試験環境下での飛沫拡散量は通常の布マスクと変わらないという試験結果があります。ただし、ファンの排気によって周りの方々にご不安を与えてしまうことも想定されますので、そのような場面ではファンのご使用は推奨しておりません。

via: フレッシュな空気を、スタイリッシュに。フィリップス ブリーズマスク ❘ Philips

不織布マスクではなく布マスクと変わらない、と言っているところが微妙な気がしますが、ド派手に飛沫をまき散らすコトは無い、と主張しているようです。ただ、そうはいっても周囲が不安がるかもしれないからその辺は空気読んでねってコトらしいですが、そう言われてしまうとなかなか使いどころが難しく感じてしまうのも確か。フィルター自体はN95相当の性能を持っているというコトなので、TPOに応じてファンを回すタイミングを考えてねってコトなんでしょうけど。

実際着用してみると、ファンを回さない状態だと耐えられないコトはないですが、この状態で体動かしたくないなというのが正直なところ。普通の不織布マスクよりも暑苦しいのは確か。低速でファンを回すと空気が循環しているのが感じられ、座ってデスクワークしているようなときであればコレで十分かな、という感じ。なかなか快適。

ただ、歩いているときだと低速では物足りない感じがしてきまして、中速くらいの風量が欲しくなります。なお、ジョギングや強度の高い運動をする場合は高速でファンを回してもしんどいと思います。そこまでの期待はしないほうが良いし、そもそも強度の高い運動はソーシャルディスタンスを保った上でマスク無しでやったほうが良いでしょう。それに、電動ファンとバッテリーがある程度小型化されているとはいえ、普通のマスクよりも重量があるもんだから、走ったりするとけっこう気になります。

あともう一つ大きな問題なのは、バッテリーの持ちがそこまで良くないコト。風量にもよりますがフル充電でも2～3時間の使用でバッテリーが無くなるので、例えば仕事中に使おうと思っても丸1日もちません。かといって、こいつ電動ファンとバッテリーが繋がっていて切り離せない構造なので、予備バッテリーと交換するなんてコトもできないんですよね。このマスクそのものを2つ買うという手はありますが、そこまでお金掛けるべきかというと……。

一方、バッテリーを使い切った状態からフル充電まで3時間程度掛かるので、仕事中に使おうと思うとファンを使う時間を調整したり、食事中にモバイルバッテリーでちょっと継ぎ足し充電したりといった工夫が必要になってきます。まあ、重量の問題もあってバッテリー性能に妥協を強いられたんだろうなとは思いますが、これもうちょっとなんとかならんですかね。

ちなみに、充電はよくあるマイクロUSB（ケーブルは1本付属しているけどACアダプタは無いので、USB充電器自体は別に用意する必要がある）なんですが、充電しながらファンを回すコトはできないので、モバイルバッテリーを腕に巻き付けながら長めのケーブルで充電しながら使うという荒業はできません。

こうして見てみると、値段が高いわりにえらく中途半端な感じのする商品であるのは否めません。せめてもうちょっとバッテリーが長持ちしてくれればねー。ただ、ファンを回している間は快適に過ごせるのも確かなので、短時間の外出なんかには使えるかな、という感じ。私はもっぱら買い物に出掛けるときに使ってます。朝はだいたい軽いウォーキングのついでにコンビニで買い物するので、そういうときに着けて行くには最適。

あんまり期待するとガッカリすると思うんですが、ファンを回している間快適なのは確かなので、使いどころがハマリそうな人なら……という感じの一品でした。