トラックリミットに祟られたレッドブル。こういう1ポイントの積み上げがシーズン終盤に響くのか、はたまた……メルセデスとレッドブルは相変わらず接戦な、F1ポルトガルGP決勝。
- 決勝結果: FORMULA 1 HEINEKEN GRANDE PRÉMIO DE PORTUGAL 2021 - RACE RESULT
- 決勝ダイジェスト: 2021 Portuguese Grand Prix race report and highlights: Hamilton takes victory in Portugal after crucial overtakes on Verstappen and Bottas | Formula 1®
- 決勝後各チームコメント: What the teams said - Race Day at the 2021 Portuguese Grand Prix | Formula 1®
- 決勝後記者会見: FIA post-race press conference - Portugal | Formula 1®
予選に続いて決勝でも消えた最速ラップ
土曜日のQ3では最速ラップがトラックリミット違反で消えてポールを掴み損ねたフェルスタッペンですが、決勝では最後に1ポイント狙いでファステストラップを獲りに行ったら、これまたトラックリミット違反で取り消されてしまったという笑えない落ちが付いてしまいました。今年はタイトル争いを意識して戦っていくと公言しているフェルスタッペンですが、こういうちょっとしたミスによる取りこぼしがシーズン終盤に効いてこないと良いんですけどねえ。
序盤、セーフティカー明けのリスタート時にフェルスタッペンがハミルトンをオーバーテイクしたときには、もしかするとレッドブルに優勝の目があるのか?と思ったりもしましたが、その数周後にあっさりハミルトンにポジションを奪い返された時点で勝利が遠のいちゃいましたね。昨年に比べればメルセデスに接近できてはいたものの、ハミルトンに勝つには力不足といった感じでした。逆に言うと、ハミルトンの強さが改めて証明されたレースでもありましたが。
ペレスのほうは4位フィニッシュというコトで最低限の勤めは果たした感じではありますが、スタートで出遅れてポジションを1つ失い、セーフティカー明けのリスタートでもサインツを交わせたと思ったらノリスに抜かれて、そうこうしている間にメルセデスを追いかけられる状態では無くなってしまっていたのは少々残念な感じ。
ペレスのコメントで「ランドはターン4で自分をパスしたけど、彼の4輪ともトラックリミットを越えているように見えたから、ポジションを戻してくれると思ってそこまで抵抗しなかったんだ」みたいなコト言ってますけど、ノリスがペレスをオーバーテイクしたのってターン5だし、正直「?」という感じ。あるいは、ターン4でトラックリミットを越えながらスピードを乗せてきてターン5でオーバーテイクしてきた、と言いたかったのかな。テレビの映像ではよくわからんかったけど。ただ、それをペレスが確認できたのかっていうと謎だし、ターン5でのオーバーテイク自体が違反ってコトにはならないと思うけど……。
とはいえ、その後のペースは悪く無かったようですし、ペレス自身レッドブルのマシンにも馴染んで来ているようなので、次戦ではうまく噛み合えばメルセデスと2対2で戦える展開には持ち込めそうですね。正直、このアルガルベは少々特殊なサーキットという感じもありましたので、バルセロナでどういう結果になるのか、という方が気になるかな。
失速したフェラーリ、決勝で速いマクラーレン
予選ではサインツが5番手、ルクレールが8番手につけていたフェラーリですが、決勝ではサインツがポイント圏外まで転落してしまうというのは意外すぎる結果でした。ルクレールは6位入賞を果たしましたけど、ノリスには及ばず。2人ともミディアムタイヤのグレイニングに苦しんだ、とコメントしているのが興味深いところではあります。ルクレールはスタートタイヤがミディアムで、サインツはソフトからミディアムに履き替えた格好なので条件は異なるハズなんですが、2人とも「ミディアムがダメ」って言ってるのが。
それでもルクレールは悪いなりに上手くマネージメントできていたように見えますが、サインツはレース後半のラップが結構ガタガタですね。この辺はマシンの習熟の問題もあるでしょうか。一発の速さはルクレールに引けを取らないレベルにまで到達してきているサインツですが、ロングランについてはまだ課題がありそうですね。
一方で予選で失速したマクラーレンのリカルド、決勝では怒濤の巻き返しを見せて9位入賞はお見事。レースを通してかなり手応えを掴んだようなコメントもしているので、ここからリカルドらしさが出てくるか。まあ、リカルドがその実力を完全に発揮できるようになった場合、フェラーリにとっては非常にやっかいな相手になるでしょうけども。
そういや、アルピーヌのアロンソも8位まで上げてきたのはさすがですね。今週末のアルピーヌはやはり速さがあった。これが今週末だけの話なのか、それとも本来の実力なのかは次戦明らかになる?
そのほか
角田は非常に苦しいレース展開で15位フィニッシュ。ガスリーもサインツの失速に助けられてなんとか10位フィニッシュという状態だったので、今週末のアルファタウリは全体的に苦しかったですね。
予選では目立っていたアストンマーティンのベッテル、ウィリアムズのラッセルあたりも決勝では良いところ無しで終わってしまったのもちょっと残念。予選でつまずいたリカルドやアロンソがポイント圏内まで巻き返した一方、予選で躍進したベッテルやラッセルは良いところ無しというのは、このサーキットの予選がいかに特殊かというのを物語っているような気がしないでもありません。
あと、ライコネンがステアリングの操作に気を取られてジョビナッツィに突っ込んでしまったシーンはさすがにお粗末でしたね……。それだけ今のF1の操作が複雑ってコトでもあるんでしょうけど、脇見運転の危険性がよくわかるシーンでもありました(?)。