大須は萌えているか?

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最近ChatGPTの有料版を使い始めてみての雑感

ちょっと前に、ChatGPTの有料プランに加入してみました。正直、月20ドルはWEBサービスのサブスクとしてはまあまあ高いと思うので今までは無料版のみ使っていたんですが、最近になってChatGPTの有料プランでのみWEBブラウジング機能とサードパーティプラグインが自由に使えるようになる、という話を見かけて、つい興味を持ってしまった次第。

「ChatGPT Plus」、ウェブブラウジングと70種類以上のプラグインを追加へ - ZDNET Japan

ChatGPTがブラウジング機能を手に入れたということは、既存の学習データ以外にもWEBから最新の情報を取得して反映させることができるワケで、一気に可能性が広がる感じがしますしね。WEBブラウジング機能を使うには、有料プランに加入後新しいチャット画面を開き、「GPT-4」の中から「Browse with Bing」を選択すればOK。わざわざBingをアピールしているところがまたなんとも。

あとはチャットでの質問内容に応じてChaGPTが自動的にWEBから情報を取得して回答に反映させてくれるワケですが、ただ軽く触ってみた感じまだ問題が多いかなあという感じもしました。まず情報の取得にかかる時間が結構長く、回答が返ってくるまでに1分近くかかるのも珍しくない感じがします。複数のリンクを辿って中身を読んでいるみたいなので、仕方ないといえば仕方ないのかもしれませんが。

あと、頻繁に読み込みのエラーだったり、回答の記述中にエラー表示されることも多い感じ。回答が出力されるまでに時間がかかり、さらに回答の途中でエラーで止まったりするとなかなかにガッカリです。現状の精度だと、正直自分で検索エンジンからブラウジングしたほうが良いかなと思える程度のものなんですが、ただChaGPTが話題になってからの進化の速さを考えると、この程度の問題はすぐに解決しちゃうのかもしれません。

ただ、現状有料プランのユーザーでも最新の学習モデルであるGPT-4は3時間あたり25メッセージまで使用可能、という制限が設けられているところを見ると、今一番ネックになっているのはコンピューティングリソースなのかもしれませんね。リソースの増強は随時やっているんでしょうけど、ユーザーの増加ペースのほうが速いということなんでしょう。そういや、先日NVIDIAが発表した四半期決算が好調すぎて、直後に20%以上株価が上がったなんてニュースもありましたけど、今一番儲かっているのはそういうAI用のリソースを提供するハードウェアメーカーなんだろなあ……。

Microsoftは立て続けにOfficeやWindowsにもAI機能をビルトインさせると発表してますけど、そうなるとますます膨大なリソースが必要になってくると思われ、バックエンドの増強が間に合うのかちょっと心配になります。

それはさておき、現状ChatGPTからWEBの情報を入手して活用したい、と考えた場合、プラグインを活用するのが一番良い気がします。プラグイン経由のほうがレスポンスが速いので。特定のページのURLを指定して内容を要約させたり、記事の内容についての質疑応答をするなら「WebPilot」というプラグインが使えますし、Google等を使って検索をさせたいなら「VoxScript」が使えます。英語のページを読み込ませて、日本語で要約させたりもできるので、私のように英語が苦手な人間でも安心。

ただ、プラグインを介したやりとりでも問題が無いとは言えません。例えば、「WebPilot」で特定のページから情報の抽出をしようとすると、指定したページとは全然関係のない内容が返ってきたりすることもありますしね。

例えば、F1モナコGPの金曜日セッションを終えたあとの各チームのコメントをまとめたページのURL(https://www.formula1.com/en/latest/article.what-the-teams-said-friday-in-monaco-2023.7D8wV8yLExH3oG0OVGzvy2.html)を指定して、「この記事から、アルファタウリのメンバーのコメントを抽出して」とリクエストしたところ、以下のように返ってきました。

アルファタウリのメンバーのコメントは以下の通りです:

アルファタウリ

  • ピエール・ガスリー(FP1: 1:14.866, P14; FP2: 1:13.089, P9):「モナコでこの象徴的なフォーミュラ1サーキットを走るのはいつも素晴らしいです。私たちにとってはまずまずの一日で、車に新しいアップグレードがあり、それらについて理解を深め、一般的に週末に向けて自分たちを整えるのが良かったです。車はFP1とFP2の間で大幅に改善された感じがし、今日の作業に満足しています。私たちの目標は、明日の予選で最善のパフォーマンスを引き出すことなので、今夜はデータを見直し、明日に向けて最善の準備をします。」

  • ユキ・ツノダ(FP1: 1:15.027, P16; FP2: 1:13.424, P14):「私にとっては初めてのモナコGPで、サーキットはとても難しいですが、楽しんでいます。FP1は少し難しかったですが、FP2では車が改善され、自分のパフォーマンスも向上しました。しかし、まだ改善の余地があり、特に予選での一発の速さに関しては、今夜はデータを見直して明日に備える必要があります。モナコは予選が非常に重要なので、明日は全力を尽くします。」

F1知らない方にとってはなんのことやら分からない話かとは思いますが、最初にコメントしているピエール・ガスリーは、もうアルファタウリには所属していないんですよね。角田裕毅も「私にとっては初めてのモナコGP」とコメントしていますが、彼はF1デビューしてはや3年目になるので、初めてなワケは無い。

どうもこのプラグイン、指定されたURLの文量が多いと全文が取得できないことがあるようで、そうした場合にデタラメな内容を出力するコトがあるみたいです。文章の量が多いページほど要約機能を使いたくなるものですが、そうしたページでは要約された内容が信用できないという困った自体に陥るわけです。この辺も、コンピューティングリソースの問題に絡んでいるのかなあ……。

ブラウジング機能もプラグイン機能も、まだベータ版という位置づけなので完璧な動作を望むのは筋違いではあるのですが、使う側もその辺はよく弁えて使う必要がありますね。巷ではAIブームに乗っかって妙にAIを過大評価するような言説も見かけるので、よくわからないままChatGPTを使って、頓珍漢な回答を鵜呑みにする人が居るような気がしたりもします。

GPT-4になって回答の精度が大きく向上したとされますが、この辺の機能を触っている限りだとやっぱり人間の目によるチェックは必要だなあと感じます。ただ、なにかのたたき台を作るには便利なのは間違いないですし、かなりのスピードで進化している様を見るのが面白くもあるので、しばらくの間有料版を使い続けてみようかなと思っています。

今公開されているプラグインをざっと見ていると、株式・暗号資産に関するプラグインが多く存在している感じがしますが、近い将来個人でもAIを使った投資判断が当たり前になったりするんだろうか……。