決勝の天気は気まぐれじゃなかった。F1ベルギーGP決勝。
決勝結果
2013 FORMULA 1 SHELL BELGIAN GRAND PRIX - The Official F1 Website
決勝後ドライバーコメント
Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website
決勝後記者会見
FIA post-race press conference - Belgium - The Official F1 Website
ワンサイドゲーム
ベッテル圧勝でした。以上。
いやまぁアロンソも今回はかなり奮戦して2位フィニッシュに持ち込んだのはフェラーリとしては明るい材料ではあるんですけど。
ただ、レースそのものはスタート後早々にトップに立ったベッテルに支配されたまま終わり、夏休み前にはメルセデスの台頭もあって潮目が変わるかとも思われたチャンピオンシップの行方も「やっぱりレッドブルには勝てねえべ」と思っちゃったりするワケです。
途中アロンソもそこそこベッテルについて行けてるようにも見えたんですが、ベッテルにしてみればタイヤがフレッシュな時に思い切りプッシュしてライバルを1周1秒以上突き放す圧倒的なタイムを叩き出し、あとは2位と同じくらいのペースで「クルージング」していた感じでしょう。
ただ今回のアロンソって高速区間のセクター1に特化したようなセットアップをしていて、区間タイムの出方が他のクルマとだいぶ違ったんですよね。これってのはやっぱり次戦モンツァを睨んでの戦略なんですかね。
ここんとこのフェラーリのイマイチぶりを考えるば、少なくともここんとこ目の上のタンコブだったメルセデスを凌ぐこの2位は上出来とも言えるし、モンツァに対する布石は打てていたようにも見えます。あとはそれが次戦奏功するか、ですね。
よくわからなかったバトン
今回のピット戦略は1ストップもしくは2ストップとされていましたが、結果的に1ストップ作戦を採用したのはグロージャンだけという形に。ただマクラーレンのバトンは当初1ストップを考えていたみたいで、実際最初のピットストップを17周目まで遅らせており、その後履き替えたハードタイヤで好タイムを維持できていたので「こりゃマクラーレン今季初の表彰台きたか」と思ったんですが、結局34周目に2度目のピットに入り6位フィニッシュ。
テレビでも森脇さんが「1ストップに挑戦して欲しかった」みたいなこと言ってましたが、まったく同感。当のバトンは「前のクルマほどのペースはまだ無かった」とサバサバしたコメントしてますけどね。あのまま走り続けてもタイヤもたない確信があったのかな。
We gave it a go, but our pace still wasn’t quite as good as that of the cars in front of us, so we couldn’t really chase them down at the end of the race. Having said that, it was a decent race for us. Moreover, as always, it was really fun to race around this magnificent circuit - I really enjoyed driving the car today.
via: Jenson Button : Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website
久しぶりに荒ぶるマルドナド
あと印象的だったのは、やはりフォースインディアの2台と絡むマルドナド師匠のクラッシュですかね。
最初にマルドナドとスーティルが接触し、その後よろよろとピットに向かおうとしたマルドナドとディ・レスタがクラッシュ。スーティルは生き延びるコトができましたが、ディ・レスタはリタイヤ。予選ではあわやポールかというシーンもあっただけに、もったいないレースとなりました。
クラッシュはマルドナドに非があるとされ、10秒のストップ＆ゴーペナルティとなりましたが、マルドナド自身はスーティルに非があると考えている模様。でもまーリプレイ見ると、スーティルはイン側のスペース空けてるし、そこにマルドナドが突っ込んでいったように見えますね。フォースインディアの2台はご愁傷さま。
散々だったロータス
そういや今回はライコネンがとうとうリタイヤしてしまい連続入賞記録が途絶えてしまいましたが、あのリタイヤの原因となったブレーキトラブルは「捨てバイザー」が引き起こしたなんて話が出てますね。
最初のピットストップで、チームはブレーキ・ダクトの冷却チャンネル中に捨てバイザーが詰まっているのを発見したようだ。
ロータスはそれを除去することができたが、ブレーキ・ディスクがすでに過熱しており、十分冷却されず、最終的に完全に故障した。
レース後のチームの調査により、ブレーキ問題の他の原因が見つからなかったため、捨てバイザーが原因だったと見なされた。
これだけ安定した成績を残し続けてきたライコネンをリタイヤに追いやったのが捨てバイザーというのもなんだか皮肉なものですが……。これでライコネンはドライバーズランキングで大きく後退。来年の行き先はどうしますかね、ライコネン。
一方、予選ではライコネンの前に居たグロージャンも昨年の悪夢を繰り返すこと無く無難なスタートを決めましたが、ペレスに幅寄せされてコースオフさせられたり1ストップ作戦がいまいち不発だったりで8位フィニッシュがやっと。ペレスに寄せられたシーンでは画面ちゃんと見てなかったものだから、コースオフするグロージャンだけ見て「またこいつポカやったのか」と早とちりしてしまいました。正直すまんかった。
そのほか
完全にドライコンディションだったレースでマルシャとケーターハムが概ねいつものポジションに落ちていった一方、10位入賞まで追い上げたリカルドは大したもんです。で、レッドブルのシートは決まってるのか決まってないのかどっちなんだ。
あとレース以外の部分で話題になったのがスポンサーであるシェルをdisるためにサーキットに侵入してきたグリーンピースのメンバー。
グリーンピース、F1ベルギーGPでシェルに抗議行動： 写真 : F1通信
表彰台にまで仕込みしてたってすごいな。テレビ見てた時には全然気付かなかったんですが、絶妙にフレームから外されていたのかな。ベッテルがインタビューでブーイング云々言っていたのはこういうコトだったんですね。……ていうか、意外とグランプリウィークのサーキットって警備がザルなコトが判明しちゃった格好ですけど大丈夫でしょうか。それともスパは広すぎて警備しきれないとか？
……ともあれ、次のモンツァでフェラーリの逆襲はあるのか、気になりますね。今回のレースを見る限りだと、かなりイケそうな気はしますが。タイトル狙うなら、モンツァだけ速くても困るんだけどね？
