名物のスコールは今年も健在、F1マレーシアGP予選。
- 予選結果: Qualifying
- 予選後ドライバーコメント:In quotes - Saturday in Kuala Lumpur
- 予選後記者会見:FIA post-qualifying press conference - Malaysia
メルセデスの牙城が崩れた
Q2途中から大雨に見舞われ、どう転ぶかわからない面白い展開となった予選でしたね。それでもやっぱりメルセデスは速かったワケですが、しかしフェラーリのベッテルがハミルトンとロズベルグの間に割って入り、フロントロウからのスタート。
まー今回もハミルトンの仕上がりはかなり良さそうなので、これをオーバーテイクするのは何か思わぬ展開でも無いと難しいでしょうが……それでも、Q3のタイム差は極めて肉薄していますし、決勝でも天候次第ではチャンスあるかも?ベッテルはウェット得意ですしね。
一方、ベッテルに出し抜かれたロズベルグは開幕2戦目にして「セカンドドライバー」が板に付いてきた感じですが、記者会見では「ウェットなのにすげーグリップしたんだよ」みたいなコメントしてます。
It was quite interesting conditions out there, because there was so much grip it was unbelievable. I’ve seldom had so much grip in wet conditions, so it was very unusual. It was good to drive but not quick enough.
via: Nico Rosberg : FIA post-qualifying press conference - Malaysia
アレですかね、ロズベルグは慎重に路面のコンディションを見極めながらドライブしてたら、なんかわからんけどグリップが良くって、雨でもイケイケなドライビングをしたハミルトンとベッテルが先行しちゃった、とかそういう話なんですかね。
決勝でも雨が降るとかって予報も出ているみたいなので、ベッテルがどこまでレースを引っかき回せるかが注目ですね。フェラーリに来てからのベッテル、去年がウソの様にイキイキしてるので楽しみな存在です。ていうか、ホント去年はなんだったんだろう。
セカンドグループ争い
優勝争いは恐らくトップ3台に絞られるとして、あとは別カテゴリーの争いというコトになるんでしょう。今回は4~5番手にレッドブルの2台が並び、トロロッソより勝つことができましたね。フェルスタッペンがすぐ後ろの6番手に居ますけど。川井ちゃんも紹介していましたが、10代のドライバーがトップ6からスタートするのはリカルド・ロドリゲス以来54年ぶりなんだそうで(ちなみにリカルド・ロドリゲスは19歳のF1デビュー戦で予選2位、しかし翌年事故死)。
雨で速さを見せたレッドブルとは対照的に、ウイリアムズはマッサが7番手、ボタスが9番手と出遅れ気味。マッサはウェットでのパフォーマンスに不満げな様子で、この辺ウイリアムズのマシンの素性はなかなか変わらないようです。マッサやボタスがレッドブルとやり合うには、天気に恵まれるコトが条件となりそうですね。
ロータスのグロージャンも予選8番手に食い込んだものの、その後ペナルティを喰らい2グリッドダウン。Q2スタート時に、ピットアウト待ちに車列に割り込んだコトが原因みたいで。本来であればチームが割り込まないよう指示しとくべきかと思うんですが、チームもすっかり忘れていたのかなぁ。
あと意外だったのはザウバーのエリクソンで、予選10番手に食い込み、さらにグロージャンの降格で9番手スタート。正直ただのペイドライバー(失礼)だと思っていたので、ここまでのパフォーマンスを見せるとは意外でした。これでまたポイントゲットを果たしたりしたら、ちょっと彼に対する認識を改めにゃならんですね。今回はナスルが16番手に沈んで居るので、余計にエリクソンの健闘が光りました。
上向いてきたマクラーレン
今回からとうとうマルシャが復活を果たし、そしてコレがまた107%ルールに引っかかっちゃうくらい遅いもんだから、マクラーレンは「最下位」というポジションから脱出するコトができました。まーマルシャを除けば最下位なんですが。
しかし、フリー走行でのタイムなんかを見るとそこまで悲観的なモノじゃないし、今回も「Q1突破できるかも?」くらいに他チームとのタイムを縮めて見せました。しかも、フリー走行からトラブルフリーで来られているのが素晴らしい。
まだ競争力があるとは言えない状態ですが、開幕戦からここまで進歩してきたのはポジティブな材料ですね。それでもまだホンダのPUはフルパワーを解放できてはいないみたいなので、まだまだ伸びしろは大きいと見て良いと思いますし。アロンソは復帰早々チームやホンダを鼓舞するようなコメントをして早くもチームの中心的な存在になりつつありますし、面白いコトになってきました。
ただ一方で、テスト時のクラッシュの原因を巡ってはアロンソが「ステアリングがロックした」と訴えているのが気になるところ。これはマシンに問題は無かったというチーム側の主張と相反するモノであり、これによってまた変ないざこざに発展しなければいいんですが。
GP直送:アロンソ復帰で浮上した事故原因への疑問 - F1ニュース ・ F1速報公式サイト
しかし復活したマルシャ、今回出走を許されたようですが、かつてのスーパーアグリを彷彿とさせる遅さに一抹の不安を感じたりしなくもありません。大丈夫かなぁ……。