大須は萌えているか?

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「こども電話相談室」が僕に教えてくれたコト

ちょっと前にこんなニュースを見かけて、ふと思い出した話。

TBSラジオ制作で半世紀以上放送されてきた「全国こども電話相談室」が29日で終了する。入江清彦社長は18日の定例会見で「今の小中学生は、電話で相談するよりもパソコンやスマホで調べることに慣れている。いったん看板を下ろして、改めて時代の要請に応える番組をつくりたい」と語った。

via: 「こども電話相談室」終了へ TBSラジオで半世紀:朝日新聞デジタル

終わってしまうのか、というよりまだ続いてたのか、というのが正直なところですが。たぶんこの番組って中部地方では放送されて無かったと思うんですが、子供の頃東京に住んでたのでこの番組のコトは知っていたりします。

で、どういういきさつだったのか忘れてしまいましたが、昔この「こども電話相談室」の公開録音があって、それを見に行った記憶があります。かーちゃんと弟と一緒に。場所もすっかり忘れてしまったんですが、どこかの広いホールみたいなところに大勢の親子連れがつめかけて、その場で直接回答者の先生に質問できるっていう。もはや「電話相談」じゃないじゃん、という説もありますが。

そしてこの時の回答者の中に、かの高橋名人が居たんですよ。高橋名人も「こども電話相談室」の回答者を務めていた時期があったんですよね。名人のブログでも「こども電話相談室」終了のニュースについて触れられてます。

私が準レギュラーとして出演していたのが86年後半から約1年間でしたが、その間は、非常に楽しく相談に回答していたのを覚えています。

via: 「子供電話相談室」が50年の歴史に幕|高橋名人オフィシャルブログ「16連射のつぶやき」

86年~87年の頃といえば、「スターソルジャー」なんかがリリースされて、全国キャラバンやらんやらでハドソンと名人が一番光り輝いていた時期ですよ。高橋名人即ち神いわゆるゴッドですよ。その16連射に感化された子供たちが、「連射を制すモノががゲームを制す」みたいな勢いで指が攣るまでファミコンのボタンを叩きまくっていた頃ですよ。こすったり定規使うヤツは外道な。

そんな時期だったので、なんか名人に質問してみたいなー、みたいなコトを思っていたんですよね。

番組は進行役のお姉さんが「質問ある人ー?」と呼びかけて、それに応じた客席の子供が手を挙げ、当てられた子供が壇上に連れて行かれて質問をする形。で、「質問ある人ー?」と呼ばれる度に手を挙げまくっていたんですが、なんせ結構な人数が居るもんだからそうそう当たるモノではありません。

しかし、何人かが質問した中で、名人が答えられそうな質問が全然無かったんですよ。で、番組側もせっかくの公録ですし、子供たちの人気者である高橋名人に回答させたかったんでしょう。スタッフと思しきおじさんがこっそり観客席を回りながら「この中でファミコンについて質問がある子はいないかなー?」と声を掛けていたんですね。

これは好機と悟った私、すかさずおじさんに「ハイ!」と手を挙げアピール。するとおじさんも気付いてくれて、「お、そこのキミね!」と言ってから舞台下で質問者の子供を当てるおねーさんのところまで行き、ごにょごにょと耳打ち。そして、次の質問者としてまんまと私が当てられたのです。当時、秒間11連射でクラス最速を誇っていた私ではありますが、さらなる連射速度の向上を図るにはどうすれば良いか名人に質問してみよう、とテンション上がりまくり……だったんですが。

あろうことか、当てられた子供を壇上まで連れて行く係のお姉さんが、間違えて私の隣、通路側の席に座っていた弟を連れて行ってしまったのですよ。

あっと思ったときには弟はずんずか連れられてしまっていて、何か言うヒマもありませんでした。隣に居たかーちゃんも、ポカンとした表情。連れて行かれた弟も「僕違います」とか言えば良いのに、むしろこれ幸いとばかりにお姉さんに付いていってしまいました。ジョセフ・ジョースター並に抜け目ないヤツ!

で、せめて空気読んでファミコン関連の質問をすれば良かったんですが、弟のした質問は全然関係の無いものでした(うろ覚えだけど、「恐竜はなぜ絶滅したんですか?」とかそんな感じだった)。まー、おそらく私の当てるよう指示したおじさんもポカーンとしたコトでしょう。

間違えられて高橋名人に質問し損ねたコトがあまりに衝撃で、その後のコトは全然覚えて無かったりするんですけど。しかし、一見公正に見える手続きにおいても、実はその裏で大人の事情による工作が行われているコトもあるのだ、という貴重な教訓を「こども電話相談室」は幼い私に教えてくれたのでした。そしてそれに便乗しようとする者には然るべき報いがあるのだと。

おかげでその後、やや疑り深い性格になってしまったような気もするんですが、まぁこれはこれで貴重な体験だったのでしょう。なんせ、四半世紀以上経った今でも思い出しちゃうんだから。ありがとう「こども電話相談室」、またいつか。