なんかインディアナポリスで開催されたレースに話題を全部持ってかれた気もする、F1モナコGP決勝。
- 決勝結果: FORMULA 1 GRAND PRIX DE MONACO 2017 - RACE RESULT
- 決勝ダイジェスト: Race - Monaco win extends Vettel’s championship lead(動画有)
- 決勝後各チームコメント: What the teams said - race day in Monaco
- 決勝後記者会見: FIA post-race press conference - Monaco
暗黙的チームオーダー?
フェラーリが予選の勢いそのままに1-2フィニッシュ達成、……ただし優勝したのはポールのライコネンではなく、ベッテルの方。スタートは各車概ね順当なスタートを切り、ライコネンはトップを堅持。レースの主導権を持っていたのはライコネンの方だったハズなんですが、先にピットに動いたライコネンをベッテルがオーバーカットして、そのまま優勝。うーん。
このピット戦略について、ライコネンはピットアウト後にトラフィックに捕まってしまう位置に復帰する羽目になったり、そもそもウルトラソフトでも熱が入りにくいモナコにおいてはアンダーカットよりもオーバーカットの方が成立しやすい、という点から、フェラーリはベッテルを勝たせるためにわざとライコネンを不利なタイミングでピットに入れたのでは?と言われてますね。
ハミルトンまで、こんなコメントしているっていう。
(フェラーリの戦略が結果的にキミ・ライコネンではなくセバスチャン・ベッテルに有利に働いたことについて)フェラーリはナンバーワンドライバーを選んだんだね。それがはっきりわかった。彼らはセバスチャンが最大の結果を得られるように、あらゆる手を尽くしていくつもりだ。
当のライコネン、記者会見で「最初に動いた(ピットインした)ことはどう思った?」という質問に対しては、「わからない、自分にとって良くなかったのは明らかだ。でもそれはそれとして、自分には何もわからない。今言えるのはそれくらい」みたいな、もうモヤモヤ全開のコメントしてますね。
I don’t know, obviously it didn’t work out very well for me. But apart from that, I have no idea. I mean… that’s about as much as I can say about it right now. I got the bad end of the story today. I mean it’s still second place but obviously it doesn’t count a lot in my books at least.
前に出たベッテルのタイムを見るに、レースペース的にはベッテルに利があったのは確かですが、追い抜きが極めて困難なモナコであれば、ピット後もライコネンが前ならば、そのポジションを守り切った可能性は十分以上にあるでしょう。そりゃライコネンも納得いかないわな。
ベッテルとライコネンの仲の良さを考えると、直ちに亀裂が走るようなコトにはならないんでしょうが……ライコネンのチームに対する不信感は確実に大きくなったでしょうね。
まー、フェラーリにしてみれば、久しぶりのタイトルを手にする確度を上げるためには、今シーズン既に2勝を挙げているベッテルを優先したいというのはわからんでもないんですが……しかしドライバーに対して明示的にチームオーダーを出すんじゃなくて、だまし討ち同然のやり方をしたんだとしたらヒドい話。もちろん、意図的にチームが仕掛けたと断言できるものでもないですけど。
ベッテルの逆転は意図的なものではないとウォルフ | モナコGP | F1ニュース | ESPN F1
ミハエル・シューマッハとかにも言えたコトですが、チームが結果を出しているドライバーを明示的・暗黙的に優遇して、強いドライバーがますます強くなるってのは珍しくない話ではありますが。割を食うチームメイトにしてみればたまったモンじゃないですけどね。
マクラーレンは……
予選で2人ともがグリッドダウンペナルティを喰らったマクラーレン、しかしマシンのポテンシャルは悪く無さそうだったので、展開次第ではポイントは狙えるのでは……と思ったものの、2台ともリタイヤ。特に、バトンとウェーレインの接触は肝が冷えました。もちろん、一番肝が冷えたのはウェーレイン本人でしょうけども。
Wehrlein to have back scan after ‘scary’ Monaco crash(動画有)
ふつう、このポルティエで仕掛けないよねぇ……それだけバトンが焦れていたってコトなんでしょうけど。バトンには「次戦」3グリッドダウンペナルティが科せられたようですが、バトン自身はこのモナコがラストレースだって言ってるみたいですし、このペナルティが効力を発揮するコトはないんでしょうねぇ(きっと)。しかしバトン、今年のマシンにポンと乗ってここまで走れるんだから、乗せたがるチームありそうですけど。
バンドーンもポイント圏内まで順位を上げながら、サンデボーテのバリアに突っ込んでしまいリタイヤ。噛み合わないっすねぇ……。
で、インディ500にスポット参戦したアロンソは初参戦のインディにも関わらず、リードラップを刻んだり終盤まで優勝争いに絡むという、非凡すぎる才能を存分に発揮したものの、最終的にはホンダエンジンがぶっ壊れてリタイヤ……ってF1と結果が変わらねえ!
Alonso’s bid for Indy 500 glory ends in retirement
ただ、急遽決まったインディ500初参戦でここまで戦えるんだから、いつかは勝てそうな感じしますね。ていうか、バトンとアロンソ見てると、やっぱF1ワールドチャンピオンクラスのドライバーって順応性がすさまじい。そんな超スゴイドライバー抱えてるんですけどね、マクラーレン・ホンダ。なんでポイント取れないんでしょうね。
そのほか
フォースインディアのダブル入賞記録がついに止まっちゃいましたね。ていうか、オコン・ペレスともにノーポイント。場所を選ばず速いフォースインディアも、モナコには勝てなかったか……。代わりに、ハースがチーム初のダブル入賞。ここんとこ苦戦続きのグロージャンにとっては、モナコでの4ポイントは嬉しいでしょうね。
そういや、今回の表彰台インタビュー(正確には表彰台下りてたけど)はニコ・ロズベルグがインタビュアーを務めてましたが、今回表彰台メンバーにメルセデスの2人が居なかったのがちょっと残念でしたねぇ。ボタスやハミルトンが表彰台に居たら、ロズベルグがどんな風に話しかけていたか、ちょっと気になります。
インディ500の琢磨優勝は……また記事を改めて。