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また今年もトヨタはルマンに勝てなかったワケですが(2017年版)

去年の⇒ また今年もトヨタはル・マンに勝てなかったワケですが

今年もトヨタ、ルマンで勝てなかったですね。

 

先の記事でも書いたんですが、今年はもうトヨタが勝つ材料が揃いきってると思ったんですよね。速さはポルシェを凌いでナンバーワン、耐久性も昨年の教訓を元にさらに高めてあるだろうし、なんといっても3台体制。負けるはずがなかろうと。

……と思っていたら、残り1周半どころかレースの半分も終わらないうちに、3台のうち7号車と9号車がリタイヤ、8号車もトラブルで2時間超の修復作業を余儀なくされ、勝利への挑戦権を失ってしまうという。

しかしながら、勝ったポルシェも盤石では無く、トヨタが消えたあとトップを快走していた1号車はマシントラブルでリタイヤ、2号車もトヨタより先にトラブルを起こして1時間程度の修復作業を行っていたため、終盤まで下位クラスであるLMP2マシンが総合トップを走っていたっていう。ジャッキーチェンすごい。

ポルシェとトヨタのLMP1マシンのすべてにトラブルが襲いかかるという状況の中、それでも紙一重で勝利を呼び込み、ルマン通算19勝目を上げたポルシェと、今年も勝てなかったトヨタ。1998年〜1999年のTS020のときと同じように、「これは勝てるやろ」って体制で臨んでも勝てないトヨタ。いやこれ、トヨタにとってはこの上なく残酷なシナリオですが、それゆえにルマン24時間レースの凄みが感じられるってのもありますね。

どんなに速くて強くて他のレースで勝ってても、ルマンで勝てる保証は無い。

昨年、トップ快走中の残り3分というところでトラブルに見舞われ、本当に寸前のところでル・マン初優勝を逃したトヨタ。この経験がチームを強くしたことを村田は実感したものの、「ル・マンの神様は厳しい」と口にした。

「去年までの僕らだったら、予選の赤旗とかに対応できず、ナヨナヨとなっていたかもしれない。そういう点はうまくやれましたが、ル・マンの神様はもっと厳しい。今年の神様はいつにも増して厳しかった。だってポルシェも平等に全部壊したんだから……全部壊すってすごいですよね」

そう語る村田だが、勝利を逃したことを”運”や”神様”のせいにするつもりなどないようだ。

「”慢心”があったかもしれない。これだけ(トラブルが)出たんだから、徹底的に全部反省しなければいけません。ピットの中も、ダレてたかもしれないです」

via: 【ル・マン24】トヨタ村田氏「勝てるクルマを作ったのに勝てなかった」

事前に想定しうるトラブルの種はすべて潰すのは当たり前、その先の想定を超えた事態にどう対応するかまで含めたところで勝負しなきゃいけない。かつ、ライバルメーカーがいる以上は毎年新技術を惜しみなく投入し続け、かつ信頼性も確保しないといけない。

8号車は「壊れるはずが無い」と思って交換を想定していなかった場所が壊れてしまって大幅に作業時間が掛かってしまったようですが、こういうのも結局あらゆる事態を想定しないといけない、ってコトですよねぇ。1時間のピット作業を行ったポルシェ2号車が優勝できたコトを考えると、8号車ももっと速くマシンの修復ができていれば2号車と競い合えたかもしれない。

もちろんメカニカルな部分だけじゃなくてドライバーの問題もあるワケですが。9号車のトラブルはドライバーのミスであると指摘されてますしね。

【ル・マン24h】トム・クリステンセン 「9号車の事故はラピエールの判断ミスが原因」

さらに言えば、7号車と9号車、さらにポルシェ1号車はピットの入り口を過ぎて間もないタイミングでトラブルに見舞われるという運の悪さも重なりましたね。ピットの入り口が近ければ、さっと戻って修復できた可能性があったのに、よりによって長いサルトサーキットをほぼまるっと1周しないと戻ってこれないような場所でマシンがダメになっちゃった。

ただまー、結局こういうのは終わったあとのタラレバと言ってしまえばそれまでの話。これらの反省点を持ち帰って、また挑戦するしかないんですよねぇ。ポルシェも実はルマン初参戦から初優勝まではかなりの年月を必要とした、なんて話も中継で出てましたけど、やはり継続してノウハウを溜めてあとは運が向いてくるのを待つ、継続は力、勝つまで辞めないという姿勢が大事なのでしょう。

そんなワケでトヨタさん、また来年頑張りましょう。ていうか、むしろ下手に勝つよりもドラマチックかもしれない、今のトヨタ(嬉しくないだろうけど)。