大須は萌えているか?

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F1[22] フランスGP 決勝

フェルスタッペンとルクレールのトップ争いがかなり白熱しそうだな、と思っていた矢先にまさかの展開。フェラーリはなんでこうフェラーリなんでしょうか(?)。いやチームばかりが悪いワケじゃないんだけどさ。そんなワケで、F1フランスGP決勝のお話。

とことん噛み合わないフェラーリ

決勝スタート後はルクレールが先行する形になったものの、フェルスタッペンもその後ろをぴったり追随する形になり、完全にマッチレースの様相になってましたね。それでも、13周目くらいからじわっとタイム差が付き始め、16周目にフェルスタッペンが先にピットインする形に。アンダーカット狙いだったようですが、タイヤがオーバーヒートしてペースも上がらなくなっていたので、状況を動かしたかったというのもあったんですかね。

とはいえ、1ストップで走り切るにはやや早めのピットストップだったこともあり、これはフェルスタッペンが最後までこのタイヤで走り切れるのかどうかも注目だな……と思っていた矢先に、ルクレールがまさかのスピン、タイヤバリアに突き刺さる形でレースを終えてしまうことに。クラッシュ直後の無線でルクレールが「スロットルが見つからない」みたいなコメントをしていたため、またしてもスロットル系のトラブルが出た?と疑われたワケですが、レース後のチームとルクレールのコメントからどうやらドライバー自身のミス、というコトで決着。

「スロットルが見つからない」というコメントは、バックギヤに入れてタイヤバリアから抜け出そうと試みたときにクルマが動かなかったため発した言葉だったようですね。

“What you heard on the radio was about when he was in reverse gear trying to get out from the barriers, there is a strategy without going in all the details, that somehow he was on the throttle, didn’t feel sufficient torque from the engine, but [there] was nothing wrong.

via: Binotto says Ferrari must ‘turn the page’ and secure a 1-2 in Hungary after French GP loss | Formula 1®

ルクレールが無線でスロットルがどうたら言っていて、しかもめちゃくちゃブチギレ気味だったコトから、オーストリアのトラブルが再発したというシナリオを信じてしまったんですが、どうやらアレはルクレールが自身に対する苛立ちをぶちまけていた、と解釈するのが正しいようで。にしても、スピンアウトしたルクレールに対してエンジニアが無事を確認しようとしたときに、エンジニアのほうがめっちゃ動揺して吃ってしまっていたのがまたなんとも。

フェルスタッペンが思いの外良いペースで食らいついていっていたとは言え、その先の展開はまだまだわからない状態でしたし、フェラーリにとっては十分に勝機のあるレースだったでしょう。勝てたハズのレースを失うパターンがフェラーリには多すぎる気がしますね。

PU交換ペナルティにより最後列スタートだったサインツもマシンの仕上がり自体は絶好調だったようですが、リバースストラテジーでハードタイヤを履いてスタートしたところ、ルクレールが中盤に差し掛かる前にクラッシュしてセーフティカーが出ちゃったもんだから、他のミディアム勢と同じタイミングでピットに入らざるを得なかったんですよね。こうして18周目にハードからミディアムにしたもんだから、残り周回を走りきれるかは微妙な状態に。しかも、このピットストップの際にもう完璧な(?)アンセーフリリースをやっちゃったもんだから、サインツには5秒のタイムペナルティが加算される形に。ルクレールのクラッシュが、サインツのレースシナリオまで壊してしまう格好になっちゃいました。

その後、ピットインのタイミングを巡ってはサインツとチームの間ですったもんだがあり、結局42周目というかなり遅いタイミングで2度めのピットイン。正直、中途半端なタイミングになっちゃいました。サインツにしてみれば、ペレスをオーバーテイクして表彰台圏内に入ろうというところでピットインの指示があったため、せっかく表彰台のチャンスがあるのに水を差すなよ、という気持ちになってしまうのは仕方のないところではある気がします。もしかしたら最後までタイヤが持つかもしれない、という判断だったんでしょうが、それならそれでもうちょっと粘ってみれば良かったのでは……なんて思ったりもします。そうでなければ、もっと早いタイミングでピットに呼び戻すべきだった。

結果的にはフェルスタッペンが楽勝、という感じのレースでしたが、レッドブルが強かったというよりはフェラーリが自滅したレースという印象でしたね。フェルスタッペンもフェラーリのマシンが非常に優れているコトは認めており、でもチャンピオンシップでは大量リードを築いているという、なんでそうなるのっていう感じです。あともう一回くらい、ルクレールが下位に沈んでフェルスタッペンが優勝するような展開があれば鈴鹿がタイトル決定戦になったりするんじゃないの、なんて思ってしまいますが、さすがにそこまで一方的な展開にはならない……と思いたいですが。

決勝では速いメルセデス

予選では想像していたよりペースが伸びなかったメルセデスですが、決勝では力強いペースを披露。ハミルトンとラッセルが2人ともレッドブルの一角を崩してのダブル表彰台獲得というのは、大いに意味のある結果となりました。まあもちろんフェラーリの自滅に助けられた表彰台ではあるんですが。ラッセルはペレスを攻略しきれるかどうかというところでしたが、VSC明けのタイミングで一気にペレスをオーバーテイク。うまくペレスのスキを付いたのかな、と思っていましたが、VSC解除の通知にトラブルがあったみたいですね。

リスタートで3位を失ったペレス「VSCシステムのトラブルに妨げられた」と憤り。解除タイミングに混乱/F1第12戦 | F1 | autosport web

オーストリア予選ではトラックリミットの件でQ3走ったあとにQ2のベストタイムもろともタイム抹消、なんて事件もありましたし、ここんとこペレスは外的要因に振り回されがちですねえ……。運営側の不手際によってレースの結果に影響が出るような事態が続くのは観ているファンにとってもモヤモヤが残る結果になるので、なんとかして欲しいところ。

まあそれでもメルセデスのレースペースが悪くなかったのも事実で、後半戦に向けてもそこそこ明るい兆しが見えてきている感じはします。まあ、フェルスタッペンやルクレールに対しては依然として大きな差があるので、優勝を狙えるかというと難しい気はしますが。彼ら2人がまとめて姿を消せばチャンスが巡ってくる、かも。いやサインツも速いんだけど。

暑いレースだったハズですが、ハミルトンはドリンクボトルが壊れてて何も飲まずにレースを走りきったみたいですね。ただ、ハミルトンっていつもあまりレース中にドリンクは飲まないみたいで、「長いこと使っていなかったんだ。ずっと前から使えなかったのかもしれない。水が蒸発しちゃっていたのかもね」みたいなコメントしてますが。

If I’m really honest, I very rarely drink anyways in the race. I always forget. And I hydrated a lot already before the race, but just by lap 20 I was like “I really could do with a drink” and the thing just didn’t work. And I haven’t tried it for so long. Maybe it’s just not worked for ages. Maybe the water evaporated, who knows? It’s no biggie.

via: Lewis HAMILTON : FIA post-race press conference - French Grand Prix 2022 | Formula 1®

レースエンジニアがドライバーに対してドリンクを飲むように無線で呼びかけることもあるようですし(逆にフェルスタッペンがピットに向かって「ドリンクは飲んでる?」なんて言ってたシーンもありましたっけ)、集中している状態だと飲み物のコトなんて忘れてしまうのはありがちなのかもしれませんね。デスクワークでも、根を詰めているときだと開封したペットボトルを放置してすっかりヌルくなってしまっていた、というのはありがち……。

そのほか

角田はオープニングラップでオコンにやられてしまったのは無念でした。あれは完全にオコンのミスだよなあ。一応オコンには5秒ペナルティが課せられましたが、角田がリタイヤに追い込まれた一方でオコンはまんまと8位入賞しているのはモヤモヤしますね。後方からのスタートだったガスリーは12位がやっとという形でしたが、角田がどれくらいのレースペースを発揮できるのか見たかったですねえ。

オープニングラップでサインツ以上に順位を上げていたのが最後尾スタートのマグヌッセンで、2周目で12番手までポジションを上げたもんだからこりゃすごい、と思いきや、早々にタイヤを痛めてしまったのか10周ももたずにピットに飛び込んでいたのはなんだかなあ、という感じ。最初から2ストップのつもりだったようではありますが、それでもちょっと早い気が。ギュンター・シュタイナーは「セーフティカーが出るまではプラン通りだった」みたいなコメントをしていますが、どうもそれ以前の問題だったような気も……。