このレースについては決勝より予選が本番という説がありますが、かなり面白い内容になりましたね。これだけいろんなチームのタイム差が接近しているというのは、ホントに見応えあります。そんなワケで、F1モナコGP予選のお話。
- 予選結果: FORMULA 1 GRAND PRIX DE MONACO 2024 - QUALIFYING
- 予選ダイジェスト: 2024 Monaco Grand Prix qualifying report and highlights: Charles Leclerc beats Oscar Piastri and Carlos Sainz to home pole during Monaco qualifying thriller | Formula 1®
- 予選後各チームコメント: What the teams said – Qualifying at the 2024 Monaco Grand Prix | Formula 1®
- 予選後記者会見: FIA post-qualifying press conference – Monaco | Formula 1®
1周が短いサーキットであるからとはいえ、タイム差がかなりの僅差でとってもスリリングな予選でしたね。それに路面の改善が大きかったので、あとからあとからどんどんタイムが更新されていき、誰がノックアウトされてもおかしくないような状況。そんな中で、実際にアロンソとペレスがQ1ノックアウトされてしまうという番狂わせも生じたワケですが。
モナコという特殊サーキットであることを考えても、レッドブルはかなりの苦戦を余儀なくされてますね。フェルスタッペンはなんとか上位陣に食らいついていきましたが、最終的には6番手という結果に。低速コーナーの縁石やバンプの処理に最後まで手こずってしまっており、それが解消されないまま予選が終わってしまった感じですね。
フェラーリのルクレールは金曜日から好調を維持しており、予選もぶっちぎりでポールを取るのでは、と思っていたんですが、結果的にポールは取れたものの、想像していたようなぶっちぎりっぷりではありませんでした。ルクレール自身、フリー走行がめちゃくちゃ好調だったがゆえに予選ではプレッシャーが掛かっていたようで、そういった心理的な要素もあったのかもしれません。FP3のあと、エンジン交換も行っていたようですし。
But when you have such a good FP2, FP3, and also FP1, you go into quali knowing that you've got everything to lose. And if you don't take pole position, then you look completely stupid. The pressure was still quite a lot on, but we managed to pull it off, which was really nice. And obviously, as I mentioned earlier, with the change of engine at the last minute, that wasn't making me any more calm. So it was a bit of a tense quali going into qualifying.
via: FIA post-qualifying press conference : Charles LECLERC – Monaco | Formula 1®
ヘルメットの中の表情は飄々として見えたルクレールですが、モナコの予選はそんな簡単なものじゃない……というコトなんでしょうね。
それから、モナコにおいてもマクラーレンが好調というのも気になるところ。ある意味、レッドブル以上に「どんなサーキットでも速い」マシンなんじゃないか、という感じもしてきました。ピアストリかノリスがポールポジション取っていても不思議じゃないくらいの速さありましたよね。
ルクレールとピアストリのフロントロウ対決というのはなかなか面白そうですが、どっちにも勝ってほしいというか、どっちも応援したくなりますね。ルクレールだって、もうそろそろモナコで勝ちたいでしょうしねえ。でも、ここでピアストリが勝ったらそれはそれで彼がさらにステップアップするきっかけにもなりそうだし……。
タイヤ戦略的にはミディアム→ハードの1ストップということになりそうですが、モナコのコース特性を考えるとハード→ミディアムというリバース戦略を試すところも結構ありそうですよね。コース上でのオーバーテイクが事実上不可能な以上、チャンスがあるとしたらタイヤ交換のタイミング。セーフティカーのタイミングを狙うなら、ウィンドウが広く取れるハードタイヤのほうが……っていう。
ピレリの予想だと、ミディアムスタートの場合は24周目から34周目、ハードスタートの場合は47周目から57周目がピットストップウィンドウということになってます。早いタイミングでセーフティカーが入った場合、ハードスタートの方が損する可能性は大いにあるので、あとは運ですね。
Only one pit stop: this is beyond any doubt the fastest strategy for the Monaco Grand Prix, with Hard and Medium leading the way. Here are the most realistic options 👇#F1 #monacogp pic.twitter.com/SkwlYEIOiU
— Pirelli Motorsport (@pirellisport) May 25, 2024
後方からのスタートなら、ソフトでスタートして早めにハードに交換、その後はクリーンエアの中で粛々とラップを重ねて気がついたら順位を上げている、という考え方もありそうですが。リヤウィングの規定違反で予選失格となってしまったハースなんかはそれでも良いのかも。
今回も角田は好調を維持しており、8番手スタートなので当然入賞を期待したいですが、あとはスタートを上手く決められるかですかね。ポジションキープで1コーナーを曲がれれば……。リカルドは元々モナコ得意なハズですが、ここでも予選で角田に勝てず。レッドブル昇格どころか、来季のシートが危うくなってきた感があります。逆に角田はドライバーマーケットの評価もどんどん上がっているんじゃないかと思いますが、来季はどこのシートに座ることになるのか……。
あと、9番手と10番手にアルボンとガスリーがいるのも面白いですね。新旧同門対決という感じで。ガスリーはモナコ得意な上に、貴重な入賞チャンスでもあるので気合入ってるんでしょうねえ。すぐ後ろにオコンもいるので、同士討ちは避けてくれっていうのがチームの願いなんでしょうけど。